条件や前提を述べた上で、別の事実や意見を述べる際に使われる「とはいえ」という表現。英語ではなんと言えばよいのでしょう。類似表現も併せて紹介します。
目次
「とはいえ」にぴったりな英語はhaving said that
「とはいえ(とは言え)」は、条件や前提を述べた後に、それに照らして別の事実や意見を述べる際に使用される表現です。例えば、「彼女は若い。とはいえ、経験が豊富だ」「高い評価を受けているとはいえ、彼にもまだ成長の余地がある」のように使います。
英語で「とはいえ」を表す表現には幾つかありますが、ぴったりなのはこれでしょう。
having said that
文頭で用いられる場合、「とはいえ」「そうは言ったものの」という意味になります。カジュアルな表現なので、普段の会話で使いやすいのも特徴です。これを使った例文を幾つか紹介しましょう。
She is young. Having said that, she has a lot of experience.
(彼女は若い。とはいえ、経験が豊富だ)
He is held in high esteem by his colleagues, but having said that, he still has room for growth.
(彼は同僚から高い評価を受けているとはいえ、まだ成長の余地がある)
I understand your concerns. Having said that, I still think it’s worth taking the risk.
(あなたの懸念は理解しています。とはいえ、それでも私はそのリスクを冒す価値があると考えています)
This apartment is close to the station, but having said that, the rent of 150,000 yen is too high.
(このマンションは駅から近いとはいえ、家賃が15万なのは高過ぎる)
My husband and I are very close. Having said that, it is tiring to be together 24/7.
(私たち夫婦はとても仲が良い。とはいえ、四六時中一緒にいるのは疲れる)
類似表現は?
日本語の「とはいえ(とは言え)」を他の言葉に言い換えるとしたら、どんなものがあるでしょうか。調べたら主に下の表現があるようです。
- そうは言っても
- しかし
- だけど
- かと言って
- それでも
これらの言葉は「とはいえ」と同様に、前提や条件を示した後に、それに対して異なる情報や意見を述べる際に使用されます。日本語の「とはいえ」に類語が多くあるように、英語でもhaving said that以外に「とはいえ」「そうは言っても」「しかし」などを表す英語表現が幾つかあります。
- be that as it may
- but / however
- although / though / even though
- that said / all that said
例文と合わせて、1つ1つ詳しく見ていきましょう。
be that as it may
be that as it mayは、「とはいえ」「そうは言っても」「そうだとしても」という意味です。SNSでは頭文字を取ってBTAIMと訳されることもあります。
The weather forecast predicts rain for tomorrow. Be that as it may, I’m still planning to go for a hike.
(明日は雨予報だ。とはいえ、まだハイキングに行く計画だ)
It’s been a rough day but BTAIM, let’s not dwell on the negatives. How about we grab some ice cream and relax?
(今日はつらい一日だったとはいえ、ネガティブなことをくよくよ考えないようにしよう。アイスクリームでも食べてリラックスしない?)
but / however
butもhoweverも「しかし」「だけど」など否定を表す単語です。butよりhoweverの方がフォーマルな言い方です。
The restaurant has a limited menu, but their food is always delicious.
(そのレストランはメニューが限られているとはいえ、いつも美味しい)
He didn’t have the necessary qualifications, however he proved himself through hard work and dedication.
(彼は必要な資格を持っていなかったとはいえ、努力と献身によって自分の力を証明しました)
although / though / even though
althoughとthoughは「しかし」「だけど」を意味します。althoughよりthoughの方が口語的です。even thoughはより強調して「~であるけれども」「~であるにしても」を意味します。
Although she was tired, she stayed up late to finish her project.
(彼女は疲れていたとはいえ、プロジェクトを終えるために遅くまで起きていました)
She has a lot of work to do, though she always tries to find time for her hobbies.
(彼女は仕事で忙しいとはいえ、いつも趣味の時間を見つけようとしている)
Even though they had never met before, they felt a special connection at once.
(彼らは以前に会ったことがなかったとはいえ、すぐに特別なつながりを感じた)
that said / all that said
that saidとall that saidはどちらも「とはいえ」「そうはいっても」を意味します。having said thatと使い方はほぼ同じですが、フォーマルな響きがあり文章などで目にすることも多いです。
He didn’t have much experience in the field. That said, he quickly adapted and proved himself to be a valuable asset.
(彼はその分野での経験があまりありませんでした。とはいえ、すぐに適応し、自分が貴重な存在であるということを証明しました)
The project deadline is so tight. All that said, if we have proper planning and teamwork I think we can meet it.
(そのプロジェクトの締め切りはとても短いです。とはいえ、適切な計画とチームワークがあれば、私たちは締め切りに間に合わせることができるでしょう)
まとめ
いかがでしたか?本記事で紹介したフレーズは全て前提や条件を認めた後に、それに対して異なる情報や意見を述べる際に使える表現です。「とはいえ」をよく使う人も、「しかし」「でも」をよく使う人も、自分にぴったりとくる英語の表現を見つけられたのではないでしょうか。ニュアンスやその場の雰囲気によっても、使い分けてみてください。
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