
生成AIによる英語学習で不可欠な3つのスキル、「メタ認知」「メタ言語」「プロンプトエンジニアリング」。いよいよ3つ目の「プロンプトエンジニアリング」について詳しく見ていきましょう。さらに、ChatGPTへの具体的なプロンプトが分かる動画付き!『ChatGPT英語学習術』著者・山田 優先生が実際に英語のスピーキング練習を行う様子は必見です。
目次
※上記リンクが表示されない方は、下記をコピーしてご利用ください。
https://amzn.to/4imGmJA
プロンプトをレベルアップさせよう
プロンプトとは、生成AI(大規模言語モデル)に対して指示を出すことを指します。
たとえば、TOEICの問題を作成してほしい場合、「TOEICの文法問題を作成してください」といったプロンプトを送るのが普通のやり方かもしれません。
しかし、このようなシンプルな指示だけでは、生成AIの応答が期待どおりにならないことがあります。このようなプロンプトを、ゼロショットプロンプトといいます。たしかに、これだけでも生成AIは便利なのですが、これで満足してはいけません。本書の目的はゼロショットプロンプトを卒業するための学習方法を伝授するものなのですから。
ゼロショットプロンプトでは、文脈情報や指示の目的、英語のレベル、目標スコア、さらにはどの文法項目を学びたいのかといった詳細な情報が不足しているため、生成AIの出力に限界が生じることがあります。
そこで、生成AIを英語学習に効率的に活用するには、ゼロショット以外のプロンプト作成の基本的な考え方を学んでおくことが重要です。ここでは、ゼロショットに加え、Few-Shot プロンプト、CoT(Chain of Thought)プロンプトという3つのプロンプトの作成方法について説明します。
【レベル1】ゼロショットプロンプト
ゼロショットプロンプトとは、事前に例を与えずに、生成AIにやってほしいことをそのまま指示する方法です。
たとえば、「TOEICの文法問題を作成してください」といったシンプルな指示がこれに該当します。この方法は簡単で素早く実行できますが、文脈や具体的な指示が不足しているため、生成AIの応答が期待どおりにならないことがあります。これは本書では使用しません。
【レベル2】Few-Shotプロンプト
Few-Shotプロンプトは、いくつかの例を提供した上で、生成AIに新しいタスクを行わせる方法です。
たとえば、TOEIC の読解問題を作成する際に、最初にいくつかの例題を提示し、それに基づいて新しい問題を作成させることです。
自分が不得意な項目が限定できていないけれども、不正解が多かった読解問題を複数個、生成AIにプロンプトと一緒の事例として送って、共通点を分析してもらい、苦手を克服するための問題を作成してもらうようなプロセスです。この方法は、人間が見よう見まねで学ぶ知識の獲得プロセスに似ています。
【レベル3】CoTプロンプト(Chain of Thought)
CoTプロンプトは、複雑なタスクをステップ・バイ・ステップで進めるための指示方法です。CoTとはChain of Thought、すなわち、思考の連鎖を意味します。
たとえばTOEIC の文法問題を作成する際に、苦手項目を分析させて、「改善策を提示し、それに基づいた練習問題を作成してください」といった具合に、手順を段階的に説明するプロセスです。このプロンプトは、メタ言語を用いて手順を明確にしながらタスクを遂行する点で特徴的です。

【POINT】
- ただやってほしいことだけを指示する(ゼロショットプロンプト)だけでは、AIの出力には限界が生じる。
- いくつかの例を生成AI に提示する「Few-Shot プロンプト」や、複雑なタスクをステップ・バイ・ステップで進める「CoTプロンプト」を使いこなすことで、従来の学習法を超える効果を得ることができる。
(※この記事は『ChatGPT英語学習術 新AI時代の超独学スキルブック』を基に作成しました)
【動画あり】英語力アップ!ChatGPTプロンプト実例を山田優先生が解説
先日実施され、大好評だった『ChatGPT英語学習術』著者・山田優先生×京都大学名誉教授・大木充先生の対談。生成AIとこれからの英語学習について語られた内容の中から特別に、山田優先生がChatGPTを使い英語のスピーキング練習を行った実践箇所をお届けします。確実に英語力を高めるためには、どのようなプロンプトを送ればよいのか――具体的な事例、山田先生が語るポイントをお見逃しなく!
「ChatGPT」スキルブックシリーズ
《第1弾》 AI翻訳研究の第一人者が教える! ChatGPTの翻訳活用術!
ChatGPTなどの生成AIの登場によって、ChatGPT語を使ったコミュニケーションに、新たな時代の扉が開きました。本書では、AIによる翻訳技術を上手く使いこなし、外国語の壁を乗り越える「これからの時代に求められる」英語スキルを身につけられます。英語のメール、プレゼン、広告、レポート、etc...、あらゆる英語の発信に対応するためのノウハウが満載です。
【本書の特長】
まず、AIを上手く操るために言語をどのように捉えればよいのかを理解し、ChatGPTへの指示(プロンプト)をどう書いていくのか、という活用方法を深めていきます。
技術の進化に左右されない核心的な言語スキルが身につく一方、今日からすぐに使える便利なテクニックも満載です。
本書の構成
Chapter 1 AI翻訳の進化の核心を掴む
Chapter 2 AI翻訳を駆使する「言語力」を身につける
Chapter 3 ChatGPTで翻訳する
Chapter 4 実践で学ぶChatGPT翻訳術
Chapter 5 AIと英語学習の未来予測
購入特典:プロンプトテンプレート集
本書掲載のプロンプト(ChatGPTへの指示)のテンプレートを集めたウェブサイトを用意しました。本書の内容を、今日からすぐに実践に移すことができます。
《第2弾》 新時代の独学スキルを身につけて、生成AIと英語の壁を乗り超える!
ChatGPTなどの生成AIは、英語学習のあり方を劇的に変えています。その力を活用することで、習得までの距離はグッと縮まります。活用しない手はありませんが、いざ目の前にすると、うまく使えていないなあ、と思う人が多いのではないでしょうか。
本書は、AIと英語を知り尽くした研究者が、AIを「最高の学習パートナー」にするためのノウハウを書いたものです。これからのAI時代に、英語を学ぶ人の必読書になっています。
【本書の特長】
AIで英語独学する思考が身に付く
ツールの単なる機能や、プロンプト(生成AIへの指示)の例を紹介するだけでは「使いこなす」ことにはつながりません。本書では、生成AIの能力を引き出すスキル・フレームワークを理解することで、AIを使って自分の力で学び抜く思考術を身につけます。真の意味でAIを使いこなすための内容になっています。
多様な英語に挑むノウハウを伝授
TOEICなどの英語試験、ビジネス英語、英会話、ライティングなど、様々なジャンル・技能に関する実践例を収録しています。今、あなたが必要としている英語力を向上させるためのヒントが、必ず見つかるはずです。
AIの力を借りる英語実践術も紹介
最終章では、生成AIに英語の仕事を遂行させる実践的な活用法を紹介します。自分自身の英語力だけではなく、AIの力も借りてタスクに挑む、総合的な英語力が身につけられます。
本書の構成
Chapter 1 英語学習とAI活用の土台を築く
Chapter 2 AIの力を最大化 ―英語学習のメタ言語―
Chapter 3 TOEICの壁をAIと超える
Chapter 4 ビジネス英語の壁をAIと打ち破る
Chapter 5 AIに仕事を遂行させる英語実践術