
生成AIによる英語学習で不可欠な3つのスキル、「メタ認知」「メタ言語」「プロンプトエンジニアリング」。いよいよ3つ目の「プロンプトエンジニアリング」について詳しく見ていきましょう。さらに、ChatGPTへの具体的なプロンプトが分かる動画付き!『ChatGPT英語学習術』著者・山田 優先生が実際に英語のスピーキング練習を行う様子は必見です。
目次
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プロンプトをレベルアップさせよう
プロンプトとは、生成AI(大規模言語モデル)に対して指示を出すことを指します。
たとえば、TOEICの問題を作成してほしい場合、「TOEICの文法問題を作成してください」といったプロンプトを送るのが普通のやり方かもしれません。
しかし、このようなシンプルな指示だけでは、生成AIの応答が期待どおりにならないことがあります。このようなプロンプトを、ゼロショットプロンプトといいます。たしかに、これだけでも生成AIは便利なのですが、これで満足してはいけません。本書の目的はゼロショットプロンプトを卒業するための学習方法を伝授するものなのですから。
ゼロショットプロンプトでは、文脈情報や指示の目的、英語のレベル、目標スコア、さらにはどの文法項目を学びたいのかといった詳細な情報が不足しているため、生成AIの出力に限界が生じることがあります。
そこで、生成AIを英語学習に効率的に活用するには、ゼロショット以外のプロンプト作成の基本的な考え方を学んでおくことが重要です。ここでは、ゼロショットに加え、Few-Shot プロンプト、CoT(Chain of Thought)プロンプトという3つのプロンプトの作成方法について説明します。
【レベル1】ゼロショットプロンプト
ゼロショットプロンプトとは、事前に例を与えずに、生成AIにやってほしいことをそのまま指示する方法です。
たとえば、「TOEICの文法問題を作成してください」といったシンプルな指示がこれに該当します。この方法は簡単で素早く実行できますが、文脈や具体的な指示が不足しているため、生成AIの応答が期待どおりにならないことがあります。これは本書では使用しません。
【レベル2】Few-Shotプロンプト
Few-Shotプロンプトは、いくつかの例を提供した上で、生成AIに新しいタスクを行わせる方法です。
たとえば、TOEIC の読解問題を作成する際に、最初にいくつかの例題を提示し、それに基づいて新しい問題を作成させることです。
自分が不得意な項目が限定できていないけれども、不正解が多かった読解問題を複数個、生成AIにプロンプトと一緒の事例として送って、共通点を分析してもらい、苦手を克服するための問題を作成してもらうようなプロセスです。この方法は、人間が見よう見まねで学ぶ知識の獲得プロセスに似ています。
【レベル3】CoTプロンプト(Chain of Thought)
CoTプロンプトは、複雑なタスクをステップ・バイ・ステップで進めるための指示方法です。CoTとはChain of Thought、すなわち、思考の連鎖を意味します。
たとえばTOEIC の文法問題を作成する際に、苦手項目を分析させて、「改善策を提示し、それに基づいた練習問題を作成してください」といった具合に、手順を段階的に説明するプロセスです。このプロンプトは、メタ言語を用いて手順を明確にしながらタスクを遂行する点で特徴的です。

【POINT】
- ただやってほしいことだけを指示する(ゼロショットプロンプト)だけでは、AIの出力には限界が生じる。
- いくつかの例を生成AI に提示する「Few-Shot プロンプト」や、複雑なタスクをステップ・バイ・ステップで進める「CoTプロンプト」を使いこなすことで、従来の学習法を超える効果を得ることができる。
(※この記事は『ChatGPT英語学習術 新AI時代の超独学スキルブック』を基に作成しました)
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