日本に限らず世界で大人気の「スーパーマリオ」が映画化されました。公開に先立ち、北米では#MAR10DAYが大バズリ!それがどんな意味なのか、そして映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の見どころやあらすじ、世界の反応などを紹介します。
「MAR10」って何の日?
去る3月10日、北米では#MAR10DAYというハッシュタグがバズっていました。日本ではほとんど見かけなかったであろうこのハッシュタグ。実は、日本にとても関連深いキーワードなのです。さて、3月10日は何の日だというのでしょう?
答えは、任天堂の人気ゲームキャラクター「マリオ」の日。理由は簡単、3月10日を示す「MAR10(March 10)」の文字が、MARIO(マリオ)に見えるから。英語圏のマリオファンの間では毎年祝われる日のようですが、今年は規模が違いました。それもそのはず、今年はついに6年越しのアレが完成したのです!
人気ゲーム「スーパーマリオ」が映画化!
スーパーマリオファン待望の『The Super Mario Bros. Movie(邦題:ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー)』こそ、その映画。日本の「任天堂」とアメリカのアニメーション制作会社「イルミネーション」との共同制作で、北米では2023年4月5日(水)、日本では4月28日(金)に公開されます。
映画の制作がアメリカの会社(アニメーション制作はフランスのイルミネーション・スタジオ・パリ)なので、マリオの生まれ故郷の日本よりも海外での公開が早いという逆転現象が起こり、それによってバズの波も海外の方が先に来ているのですね。
3月10日の発表では、英語版は既に完成していて、各国版の翻訳を進めているという話でした。なお、フランス、ベルギー、スイスが北米と同じ4月5日公開、イギリスが4月7日公開とのこと。その他の国も概ね4月上旬に公開となる国が多いようです。
この映画、制作発表が2017年11月で、その前年の2016年には水面下での話し合いがほぼ固まっていたといいますから、そこから考えればなんと7年もの期間が費やされています。一体どんなにすごい映画なんでしょうか?
そこで、3月10日に公開されたFinal Trailer(最終予告編)でのメッセージ動画の一部を見てみたいと思います(動画のリンクは記事の最後で紹介しています)。
日米天才クリエイターの夢のコラボ!製作陣も超豪華!
メッセージ動画はマリオの生みの親である、任天堂の代表取締役フェローでありゲームクリエイターの宮本 茂さんの挨拶から始まります。
“On this special day, I’m joined once again by Chris Meledandri.”
(この特別な日に、再びクリス・メレダンドリさんをお迎えします)
紹介されているクリス・メレダンドリさんはアメリカの映画プロデューサーで、制作会社イルミネーションの創業者兼CEO、そして任天堂の社外取締役でもあります。任天堂の宮本さんは、ユニバーサル・スタジオを運営するUniversal Parks & Resortsとの「SUPER NINTENDO WORLD」の提携の際にクリスさんに会い、「自分と創作過程が似ている」と感じてこの映画の製作総指揮にふさわしいと判断したのだとか。日米天才クリエイターの出会いですね。
“And it pushed the technical and artistic capabilities of our studio to new heights.”
(そして、この映画は私たちのスタジオの技術的、芸術的能力を新たな高みへと押し上げたのです)
動画の中でクリスさんは、6年もの歳月をかけてフランスのアニメーター、日本の任天堂チーム、アメリカのイルミネーション・チームなど、約600人のクリエイターが携わった映画が、自社を技術的にも芸術的にも新たな高みへと押し上げた、と誇らしげに語ります。
そして動画は、監督と声優の紹介へと続きます。
監督のアーロン・ホーバスとマイケル・イェレニックは、アメリカの人気テレビアニメシリーズ「ティーン・タイタンズGO!」を手掛けた名コンビ。2人は特に、「マリオカート」でおなじみのレインボー・ロードの映像化と、専門家を招いてデザインしたカートの造形が見どころだと語ります。
声優陣も、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズの主人公スター・ロード役で知られるクリス・プラットなど、さまざまな人気映画に出演するハリウッドの実力派が勢ぞろい!こちらのFinal Trailerは6分ほどの動画なので、ぜひ見てみてください。公式動画のURLは記事の最後で紹介しますが、まずはアメリカの人気ゲーム実況系YouTuber、ロジャー・ベースと一緒に見てみましょう。
若者スラングたっぷり、Happyな語り口調でこちらのわくわく感も高まります。初日に見に行くぜ!とすごい熱量ですね。動画の中でキャラクター名を叫んでいますが、日本語名と違うキャラクターがいるのに気が付きましたか?日本語名と英語名が異なるキャラクターを幾つか紹介します。英語版で映画を見るなら、ぜひ知っておきたいですね。
キノピオ=Toad(トード)※ toadstool (毒キノコ)が由来とされる。
キノコ族=Toads(トーズ)
クッパ=Bowser(バウザー)
ロゼッタ=Rosalina(ロザリナ)
イルミネーションが作る映画って面白いの?
アメリカのアニメーション制作会社といえば「ディズニー」や「ピクサー」を思い浮かべる人が多いでしょう。イルミネーションと聞いてピンと来る人はなかなかの海外アニメ通。
イルミネーションは、「ミニオンズ」「怪盗グルー」シリーズ、「ペット」シリーズ、「SING/シング」シリーズなど、誰もが知る名作アニメーション映画を手掛けている実力派スタジオです(これらの映画をディズニーかピクサー映画だと思っていた人も多いのでは?)。マリオのゲームのファンでなくとも、これらの映画が好きなら間違いなく楽しめることでしょう。
また、脚本は『ミニオンズ フィーバー』『レゴ®ムービー2』のマシュー・フォーゲルが担当。本作のストーリーは、「ニューヨークで配管工を営む双子の兄弟マリオとルイージ。謎の土管で迷い込んだのは、魔法に満ちた新世界。離れ離れになってしまった兄弟が、絆の力で世界の危機に立ち向かう」という、ゲームの世界観を具現化したものです。
スーパーマリオにはなんと40年もの歴史がある!
マリオは、日本と世界のゲーム黎明(れいめい)期から40年もの間、愛され続けているご長寿キャラ。ゲームの現役世代であるZ世代やミレニアル世代はもちろんのこと、日本ではその親世代にとっても、子供と一緒に遊んだ思い入れ深いゲームではないでしょうか。『The Super Mario Bros. Movie』は、親子どころか三世代で楽しめる映画になりそうです。
そしてこの映画の中では、長年のファンも思わずうなるような過去のマリオ作品の懐かしいシーンや、ゲームで印象的だった構図、大好きな音楽や効果音、ゲームのギミックなどが随所に使われているなど、とにかく「細部へのこだわり」がすごいのだとか。最新・最高のデジタル技術を駆使して高い芸術性を追求しているのはもちろんのこと、世界の老若男女をとりこにするキャラクター設定とストーリー展開。早くもファンの間では「マリオの世界を忠実に映像化していて、文句のない仕上がり」「神映画間違いなし」などといわれているようです。
裏話。実はマリオ映画は過去に大コケしていた!?
スーパーマリオが映画化されるのは、実は初めてではありません。さかのぼること1993年、ハリウッドで豪華キャスト・豪華製作陣で実写映画化されていた過去があるのです。しかしこの映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』は、50億円もの制作費をかけながらゲームの世界観とかけ離れた微妙~な仕上がりに。アニメやゲームだからあのキャラが可愛いのであって、ヒゲのオジサン兄弟ですからね、実写だとちょっとどうなんでしょう・・・(笑)。
結果、酷評され大赤字を出したということで、ハリウッド史に残る超B級アクション映画といわれています。今ならほほ笑ましく見られるかもしないので、機会があれば鑑賞してみてください(アクション映画としてはアリ、という声もあります)。
マリオは任天堂にとって、そしてファンにとって、大切なキャラクター。再びの失敗は許されない!と慎重になったのでしょう。「それで映画の構想から公開まで6、7年もかかっているのか・・・」と妙に納得してしまいます。
マリオのトレンドは続行中!#supermariomovieも要チェック!
「MAR10」の日を過ぎてからも、ハッシュタグ#MAR10DAYはしばらくトレンド上位を継続。Twitterでは3月16日時点の7日間集計でも、9位にランクインしている話題ぶりです。
Instagramでもこの通り。海外にも熱烈なファンが大勢いますね!
この後も映画公開に向けて、話題はしばらく続きそう。今後はハッシュタグ#supermariomovieも要チェックです。YouTubeで#supermariomovieを検索すると、さまざまな関連動画が出てきますよ。ぜひ英語版で楽しんでみましょう。
なお、全部で3本発表されたOfficial Trailer(公式予告編)の動画はこちらです。
日本語吹き替え版も豪華声優陣が!
日本ではTOHOシネマズ、ユナイテッド・シネマ他で上映予定。加えて、全国5カ所のシアターでは入り口や座席がスーパーマリオ仕様となった「スーパーマリオシアター」も4月28日から10日間限定でオープンとのこと。東京・大阪・京都・愛知・福岡のファンは要チェックです。
日本語版の吹き替えも、日本の声優界をリードする豪華な顔ぶれ。吹き替え版にするか字幕版にするか、迷ってしまいますね。
マリオ:宮野真守
ルイージ:畠中 祐
ピーチ姫:志田有彩
クッパ:三宅健太
キノピオ:関 智一
ドンキーコング:武田幸史
ゲームファンならずとも、この映画への期待は大!劇場のスクリーンで見る迫力のデジタル芸術は誰をも魅了するでしょうし、兄弟愛や勇気など、ホロリとする要素もありそうな予感です。北米在住の私は、一足早く映画館に行ってまいります!
あらすじ
ニューヨークで配管工を営む双子の兄弟マリオとルイージ。謎の土管で迷い込んだのは、魔法に満ちた新世界。離れ離れになってしまった兄弟が、絆の力で世界の危機に立ち向かう。
声の出演:クリス・プラット、アニャ・テイラー=ジョイ、チャーリー・デイ、ジャック・ブラック、キーガン=マイケル・キー、セス・ローゲン、フレッド・アーミセン、ケヴィン・マイケル・リチャードソン、セバスティアン・マニスカルコ
脚本: マシュー・フォーゲル
監督:アーロン・ホーヴァス、マイケル・ジェレニック
製作:クリス・メレダンドリ(イルミネーション)、 宮本 茂(任天堂)
これまでに紹介した「世界のバズワード」はこちら
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