ChatGPTで効率的な英語学習と英会話スキル向上:無料勉強法から高度なテクニックまで

ChatGPTを使って、英語学習の新しい次元を体験しませんか?この記事では、ChatGPTを用いた英語学習や英会話、さらには言語学習全般に至るまでのベストプラクティスを解説します。無料で取り組める勉強法から、より高度なテクニックまで幅広くカバー。例えば、単語の意味を調べたり、エッセーの添削を依頼したりと、英語力向上に効果的な方法を、英語学習スクールChoimirai Schoolの創業者アン サンミンさんにご紹介いただきます。

ChatGPTって何?英語学習の新しいパートナー

ChatGPTは、アメリカ、サンフランシスコにある人工知能研究所OpenAIが開発したシステムで、チャットに特化した人工知能です。

2022年から世界で注目を集めているのが、Stable DeffusionMidjourneyを代表とする、テキストを入力するだけで誰でも簡単に画像が生成できる「生成系AI」です。2022年9月には、米コロラド州で開催されたアートのコンペティションで、Midjourneyを用いたJason M. Allen氏の作品「Théâtre D'opéra Spatial」が、デジタルアート部門で1位を獲得したことでも話題を呼んでいます。

▲Jason M. Allen氏の作品「Théâtre D'opéra Spatial

特に、Stable Diffusionは2022年8月にオープンソースとしてデビューし日本でも多くのファンを確保しています。しかし、ChatGPTと比べるとStable Diffusionに対する関心度は比べ物にならないくらい低いのが現状です。次の図はChatGPTとStable DiffusionをGoogle Trendsで比べた図です。ChatGPTと比べるとStable Diffusionの存在感はまるでゼロに近い感じで推移していることが分かります。

▲ChatGPTとStable Diffusionの関心度をGoogle Trendsで比較した図

ChatGPTが人気を集めている理由は3つ考えられます。

  • 検索エンジンではなく、回答エンジンである
  • 会話の履歴を保持しながらチャットができる
  • リサーチ・プレビューの期間中なので誰でも無料で使える

検索エンジンじゃない、質問に答える新時代エンジン

今までは、何か調べたいときに検索エンジン(Google)でキーワードを入力し、表示されたリンクから必要な情報をチェックする流れでした。しかし、ChatGPTでは、人と話す感じで質問を入力すると答えが直接返ってきます。いろいろなページをチェックせずとも、すぐ答えがわかるメリットを多くの利用者が実感しています。

安全な学習環境:ChatGPTで会話履歴をプライベートに保持

次の図は、私がChatGPTとオバマ元大統領について交わしたチャットです。

  1. 人間:Who is Barack Obama?
  2. ChatGPT:Barack Obama is an ...
  3. 人間:Who is his wife?

ここで注目していただきたいのが、3つ目のチャットでWho is Barack Obama’s wife?ではなくWho is his wife?と聞いているところです。1と2の会話でオバマ元大統領の話をしていたので、ChatGPTは「his」が「Barack Obama」を指していることを理解しています。こうして、履歴を保持できるので、まるで人間と会話するような感覚でチャットができます。

今なら無料:ChatGPTのリサーチ・プレビュー期間の特典

ChatGPTは2022年11月30日に「リサーチ・プレビュー」として公開されたサービスです。完全な製品ではなく、まだ研究段階で、アカウントさえ作れば誰でも無料で使うことができます(2023年3月現在)。

CChatGPTで英語スキルを磨く:効果的な活用法ガイド

サマリー作成で理解を深める

英語学習でChatGPTを活用する方法はたくさんありますが、中でも一番分かりやすいのは、長文の記事や物語をまとめてもらうことです。英語学習者の場合、少し長い文になると、最後まで読んでもどんな内容だったのかを把握しづらいことが多くあります。ChatGPTにまとめてもらったサマリーを読み、全体の流れを理解した上で本文を読むと、理解を深めやすくなります。次の図は、単語数514の記事をまとめてもらったときの例です。

まとめてもらったサマリーの単語数は162でした。

さらに、ChatGPTが書いたサマリーが難しく感じる場合は、「米国小学校2年生でも分かるような英語で書き直して」と指示することもできます。

指示例:Please rewrite the summary as if I’m a 2nd grade student.
(私が小学2年生のつもりでサマリーをリライトしてください)

次の図を見ると分かりますが、かなり平易な英語になっています。単語数やレベルを指定すると、ChatGPTはこうして簡単にサマリーを作成してくれます。

単語の意味を即座に調査

ChatGPTは基本的になんでもできる、と考えてよいと思います。英文のサマリーはもちろん、単語の意味を調べることもできます。意味は、英語で教えてもらうことも、日本語に訳してもらうこともできます。また、ChatGPTに記事の本文を読ませた後、単語の意味を聞くと、辞書的な意味だけでなく、その文脈における最適な意味まで教えてくれます。

英単語の場合、比喩的に使われたり、慣用句の一部として使われたりすることも多く、文字通りに訳すと意味を成さない場合もあります。ChatGPTを使えば、こうした表現を覚えることが容易になり、英語学習がぐっと楽しくなります。

さて、単語の意味を調べた後は、Show me some sample sentences.(幾つか例文を教えてください)と書くと、例文も教えてくれます。会話の履歴を保持しているので、わざわざShow me some sample sentences for the word, “interpret.”と書かなくても意味が通じます。

YouGlishとの連携で発音もバッチリ

英語の発音を鍛えたい全ての方におすすめしたいのがYouGlishです。フレーズや単語を入力すると、ネイティブが実際に使っている動画をYouTubeから引っ張ってきてくれるので、そのフレーズや単語が自然な英語かどうかを調べるときに便利なサービスです。動画だと、単語やフレーズがどのような場面で使われるかを覚えやすいので非常におすすめです。指示の仕方によっては、YouGlishをChatGPTから検索することもできます。

指示例:When I ask you to look up a word, give me a YouGlish (yg) url for a certain word/phrase along with the definition and one sample sentence. For the YouGlish link, please send me the link in the following format [<WORD>](https://youglish.com/pronounce/<WORD>/english?) . Don't explain about YouGlish. Do you understand?

(単語を調べてほしいと頼んだら、その単語/フレーズの定義、例文を1つとYouGlishのURLを教えてください。YouGlishのリンクは[<WORD>](https://youglish.com/pronounce/<WORD>/english?) という形で提示してください。YouGlishの説明はいりません。分かりましたか?)

※ URLを文字列として表示させるため、一部全角文字で記載しています(編集部注)。

ChatGPTが教えてくれたYouGlishのリンクをクリックすると、その単語が検索された状態のYouGlishページが表示されます。

エッセーの添削でライティングスキルアップ

ChatGPTには、英作文の添削も頼めます。次の図は、TOEFL用のエッセーの添削を依頼したときの一例です。

次の図は、添削依頼に対しChatGPTが修正した内容です。

添削内容としては申し分ありませんが、少し見づらいのも事実です。ChatGPTは一度書いた内容を、体裁や難易度、文字数などを変えて書き直すことができます。添削の修正内容も、次のように指示することが考えられます。

指示例:Please wrap the response in markdown table format with additional column to explain why you revised sentences in question.
(回答を、問題となっている文を修正した理由を説明する列を加え、マークダウン記法の表テーブルに入れてください)

すると、ChatGPTは修正内容を表にするだけでなく、なぜ修正したかの説明まで書いてくれます。

多読で語彙と文法を自然にマスター

記事のサマリーからYouGlishでの検索といった一連の流れをYouTube動画にまとめています。英語の多読を楽しく進められるようになると思います。お時間があれば、ぜひこちらもご覧ください。

注意:ChatGPTを使う前に知っておきたいこと

英会話には不向き

名前がChatGPTということから英会話もできる?と考えている方も多いと思いますが、英会話には向いてません。例えば、How are you?と聞くと、「自分は言語モデルだから感情を持っていません」と返事するだけです。

私が運営しているChoimirai Schoolの「ちょいみらい英語」ではこうした課題を解決するため、Discord上で利用できる対話型AIを独自で開発し、参加者に提供しています。

論文参照:ChatGPTの科学的根拠と信頼性

特定研究分野に関する論文情報について尋ねると、場合によっては実在しない論文情報を返す場面が多く報告されています。論文情報を参照したいときは、Elicitなど別のAIツールを利用することをおすすめします。

まとめ:ChatGPTで英語学習をランクアップする方法

「AIが発展すると英語学習は必要ではない」という意見もありますが、それは違うと考えています。人が学べる領域は、自ら認知できる範囲内に限られます。英語ができれば認知できる境界線が圧倒的に広がります。そうすると、AIから聞き出せる範囲も広がり、知的戦闘力は格段に向上します。それは、Googleがあっても勉強しなければならない理由と同じです。

ChatGPTを活用すれば、今までは想像もできなかった学習環境が実現できます。まだ利用したことがない方は、この記事を機にぜひ始めていただければと願っています。

アン サンミン (Sangmin Ahn)
アン サンミン (Sangmin Ahn)

2004年にカナダでコンピューターサイエンス理学士号を取得後、11年間システム開発・管理業務に従事。2014年からジョージア工科大学の大学院で機械学習を専攻。2015年に独立しThe Choimirai Companyを立ち上げ、英語学習に関する情報やサービスを提供。主に人工知能を活用した英語学習プログラム「ちょいみらい英語」の販売、および日本語サポートを行う

ChatGPT翻訳術 新AI時代の超英語スキルブック

AI翻訳研究の第一人者が教える! ChatGPTの翻訳活用術!

ChatGPTなどの生成AIの登場によって、ChatGPT語を使ったコミュニケーションに、新たな時代の扉が開きました。本書では、AIによる翻訳技術を上手く使いこなし、外国語の壁を乗り越える「これからの時代に求められる」英語スキルを身につけられます。英語のメール、プレゼン、広告、レポート、etc...、あらゆる英語の発信に対応するためのノウハウが満載です。

本書の特徴
まず、AIを上手く操るために言語をどのように捉えればよいのかを理解し、ChatGPTへの指示(プロンプト)をどう書いていくのか、という活用方法を深めていきます。

技術の進化に左右されない核心的な言語スキルが身につく一方、今日からすぐに使える便利なテクニックも満載です。

本書の構成
Chapter 1 AI翻訳の進化の核心を掴む
Chapter 2 AI翻訳を駆使する「言語力」を身につける
Chapter 3 ChatGPTで翻訳する
Chapter 4 実践で学ぶChatGPT翻訳術
Chapter 5 AIと英語学習の未来予測

購入特典:プロンプトテンプレート集
本書掲載のプロンプト(ChatGPTへの指示)のテンプレートを集めたウェブサイトを用意しました。本書の内容を、今日からすぐに実践に移すことができます。

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