海外メディアが報じた日本に関するニュースから英語表現を学びましょう!今回は、「オゾン層破壊問題」に関する明るいニュースを取り上げます。
時事英語専門のオンライン辞書サイト「RNN時事英語辞典」編集長の廣川です。私たちが地球規模の環境問題に関心を持つきっかけになった「オゾン層破壊問題」に明るい光が。オゾン層の回復が進んでいて、完全回復の見込みとのことです。オゾン層とは?なぜ改善できたのか?英文ニュースで見ていきましょう。
The earth’s ozone is set to fully recover within the next four decades, a sign of nature’s resilience and hope in the face of human-wrought destruction. If current policies to phase out use of ozone-damaging chemicals remain in place, the UN reports that by 2040, much of the ozone layer will have recovered.(*1)
地球のオゾン層が今後40年以内に完全回復する見込みで、自然の回復力の兆候であり、人間がもたらした自然破壊に直面する中での希望である。オゾン層破壊物質の使用を禁止する現行の政策が継続されれば、ほとんどの地域のオゾン層が2040年までに回復すると国連は報告している。
南極上空でオゾン層の穴、”オゾンホール”が観測されたことをきっかけに国境をまたぐ環境問題として関心を集め、国連を中心に対策を協議し実行に移した結果、改善が見られたとのことです。
be set to …で「...に向かっている」、in placeは「有効な状態で、うまく行った状態で」という意味です。
[keywords]
● resilience 回復力、強靭さ
● ozone-damaging chemicals オゾン層を破壊する化学物質
● ozone layer オゾン層
オゾン層にはどのような効果があり、破壊されると何が起きるのでしょうか。
The ozone layer is a thin part of the Earth's atmosphere that absorbs most of the ultraviolet radiation from the Sun. (*2)
オゾン層は、地球の大気圏に薄く存在し、太陽からの紫外線の大部分を吸収する。
When it is depleted, this radiation can reach the surface - causing potential harm to humans and other living things. (*2)
オゾン層が破壊されると紫外線は地表に到達し、人間や生物に害を及ぼす可能性がある。
Ultraviolet rays can damage DNA and cause sunburn, increasing the long-term risk of problems such as skin cancer. (*2)
紫外線はDNAにダメージを与えたり、日焼けを起こし、皮膚がんといった問題のような長期リスクを引き起こす。
オゾン層に穴が開くと、太陽からの紫外線が直接地表に届くことによって、生物の健康に問題を引き起こします。
[keywords]
● absord 吸収する
● ultraviolet radiation 紫外線
● skin cancer 皮膚がん
この問題に、人類はどのような行動を取ったのでしょうか。
The Montreal Protocol was signed in September 1987 and is a landmark multilateral environmental agreement that regulates the consumption and production of nearly 100 man-made chemicals, or ‘ozone-depleting substances’ (ODS). (*3)
モントリオール議定書が1987年9月に署名され、100近いオゾン層破壊物質(ODS)と呼ばれる人工化学物質の使用と製造を規制する、画期的な多国間環境合意である。
冷蔵庫やエアコンの冷媒として用いられていたフロンガスなど化学物質を規制対象としたこの議定書、締結国は198か国(2021年)とのことです。まさに世界が一体となって取り組んでいる環境問題です。
[keyword]
● Montreal Protocol モントリオール議定書
● regulate 規制する
オゾン層保護対策を主導する国連環境計画のオゾン事務局長は日本人。このようなコメントを発表しています。
“The impact the Montreal Protocol has had on climate change mitigation cannot be overstressed,” said Meg Seki, Executive Secretary of the UN Environment Programme’s (UNEP) Ozone Secretariat. (*3)
「モントリオール議定書がもたらしている気候変動軽減へのインパクトは、どんなに強調してもしすぎることはない」と、国連環境計画(UNEP)のオゾン事務局長関めぐみ氏は語った。
cannot be overstressedは「いくら強調しても強調しすぎることはない」を意味する表現です。
いかがでしたでしょうか。オゾン層回復のニュースは、地球規模の環境問題にも各国一丸となって対策に取り組めば効果を出せることを示すもので、地球温暖化対策においても手本となる好事例となりそうです。
[引用元]
SERIES連載
思わず笑っちゃうような英会話フレーズを、気取らず、ぬるく楽しくお届けする連載。講師は藤代あゆみさん。国際唎酒師として日本酒の魅力を広めたり、日本の漫画の海外への翻訳出版に携わったり。シンガポールでの勤務経験もある国際派の藤代さんと学びましょう!
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