2020年開催のグラミー賞3部門を受賞した、リゾの4枚目のアルバム『Special』【EJ Culture 音楽】

写真:ロイター

「今聴いてほしいアーティスト」と関連する楽曲を音楽ライターの渡辺志保さんが解説します。今回は、リゾの『Special』を紹介します。

今月のアルバム

リゾの4枚目のアルバム『Special』を紹介します。

ゴスペル仕込みの歌唱力と切れ味あるラップが魅力のR&Bシンガー、リゾ。2019年のアルバム『Cuz I Love You』でデビューし、翌年にはグラミー賞3部門に輝いた。現在はAmazonプライム・ビデオで配信中のリアリティー番組「Lizzo’s Watch Out For The Big Grrrls」がエミー賞6部門にノミネートされ話題に。

世界の暗いニュースを吹き飛ばす、「セルフ・ラブ」のアイコン的存在

写真:Gabriele Holtermann-Gorden/Sipa via Reuters Connect

抜群の存在感を見せつける人気シンガー、リゾが4枚目のアルバム『Special』を完成させた。2019年のメジャー・デビューアルバム『Cuz I Love You』が大ヒットし、一躍スターへの階段を駆け上がったリゾ。しかし、前作を発表した後はSNSの投稿がきっかけでバッシングを受けるなど、リゾが歩んできた道は平たんではなかった。

最新アルバム『Special』の先行シングル「About Damn Time」では「I been so down and under pressure(気持ちが沈んで、プレッシャーを感じていた)」と、新作リリースに至るまでの気持ちを吐露している。しかし、その後には「I’m not the girl I was or used to be / I might be better(までの私とは違う、もっとすてきな自分になってるはず)」と続く。

爽やかなディスコ&ファンク・サウンドに彩られたリゾの言葉たち。その伸びやかではつらつとした歌声を聴いていると、自然に心が軽くなる。セルフ・ラブ(自分を愛すること)の大切さ。自分で自分をエンパワーすることの尊さ。誰もが“special”な存在だと気付かせてくれるのが、リゾのパワーだ。表題曲「Special」では、「私が黒人で太っているから批判されるの?」と歌いつつ、自信を持って「That’s why I move the way I move and why I’m so in love with me(だから私はこんなふうにムーブする。私は自分に恋してる)」と歌い切る。コーラス部分では「In case nobody told you today, you’re special(もし今日、誰からも言われてなかったら言ってあげる、あなたは特別だよ)」と、世界中のオーディエンスに向けてパワーを送る。

世界中を暗いニュースが覆う昨今、われわれが必要としているのはリゾのエネルギーだ。容姿やセクシャリティーに悩み、失恋に傷つき、財布が底をついてしまったとしても、私たちの隣にはリゾがいる。改めてそんなことに気付かせてくれる、今の時代における必聴盤だ。

セルフ・ラブを歌う女性シンガーの楽曲5選

今回の記事で紹介している音楽のプレイリストをご紹介します。「セルフ・ラブ」のメッセージが込められた曲を聴いてみよう!

    1. Me First by Baby Tate
    1. pov by Ariana Grande
    1. Good As Hell by Lizzo
    1. I Love Me by Demi Lovato
    1. Level Up by Ciara

リゾのアルバム

デビューアルバム『Cuz I Love You』

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※本記事は『ENGLISH JOURNAL』2022年10月号に掲載した記事を再編集したものです。

EJ
渡辺志保(わたなべ・しほ)

音楽ライター。主にヒップホップ関連の文筆や歌詞対訳に携わる。これまでにケンドリック・ラマー、A$AP・ロッキー、ニッキー・ミナージュ、ジェイデン・スミスらへのインタビュー経験もあり。block.fm『INSIDE OUT』をはじめ、ラジオMCとしても活躍中。

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