写真:Budrul Chukrut / SOPA Images/Sip via Reuters Connect
海外メディアが報じた日本に関するニュースから英語表現を学びましょう!今回は、「ソフトバンク、四半期で3兆円の純損失」のニュースを取り上げます。
※記事の情報は2022年8月15日現在のものです。
ソフトバンク、3兆円超えの巨額赤字
時事英語専門のオンライン辞書サイト「RNN時事英語辞典」編集長の廣川です。
連載「世界で報じられた日本」、今回は「ソフトバンク、四半期で3兆円の純損失」を取り上げます。ソフトバンクは携帯電話会社のイメージを持ちますが、なぜこれほどまでの赤字となったのでしょうか。
記事はこちら: Here's The Real Story Of Issey Miyake And Steve Jobs' Iconic Turtleneck(Forbes)
SoftBank unveiled a $23 billion quarterly net loss on Monday, its biggest ever, as a market sell-off upended tech stocks and shredded valuations at its sprawling Vision Fund unit.
市場の大量売却でテクノロジー株が下落に転じ、多方面に投資するビジョンファンド部門の価値をそぎ落とす中、ソフトバンクは月曜日(8月8日)に230億ドルの四半期純損失を発表した。(以下、日本語訳は筆者)
日本円にして3兆円を超え、日本企業が4?6月期で出した純損失額として過去最大です。sell-offは「(株などの)大量売却」を意味します 。
記事はこちら:Japan tech giant SoftBank posts $23 billion quarterly loss(AP)
SoftBank also owns stakes in the SoftBank mobile carrier, Yahoo web services provider and vehicle-for-hire company Didi, which has suffered under a regulatory crackdown in China. SoftBank also has funds that include other global investors called Vision Funds.
ソフトバンクは、携帯電話キャリアのソフトバンクや、Webサービスプロバイダーのヤフー、中国当局の規制強化に苦しむ配車サービス会社DiDi(滴滴)の株式も保有する。また、ビジョンファンドという世界的な投資会社を含むファンドも保有する。
携帯電話会社はソフトバンクグループの一事業会社で、海外ではむしろスタートアップ企業に投資するビジョンファンドを運営する会社として知られ、6年間で470社余りに投資しています。
vehicle-for-hireは「配車サービス」、regulatory crackdownは「規制強化による取り締まり」のことです。
SoftBank’s Vision Fund, which began in 2017 and invests in technology companies, has been hit by a slump in high-growth stocks as a result of rampant inflation that has led the U.S. Federal Reserve and other central banks to raise interest rates.
2017年に発足し、テクノロジー企業に投資するソフトバンクのビジョンファンド。米連邦準備制度や各国中央銀行の利上げにつながっている激しいインフレの結果、高成長株不調の打撃を受けた。
投資先企業の価値が全体的に目減りした結果、今回の巨額損失につながっています。high-growth stockは「高成長の株」、interest rateは「金利」です。
中国のIT大手「アリババ」株を大量売却へ
財務強化策として、同社は「虎の子」のアリババ株売却を決定しました。アリババは中国のIT大手です。
記事はこちら:SoftBank is selling its crown jewels to ride out 'severe market'(CNN Business)
SoftBank is set to gain more than $34 billion by cutting its stake in Alibaba, the crown jewel of its investment portfolio, after posting record losses on its tech bets this year.
今年、テクノロジー株への投資で記録的な損失を出した後のソフトバンクは、同社の投資ポートフォリオの中の重要資産であるアリババ株の保有比率を下げ、340億ドル以上の利益を得る予定だ。
crown jewelはそのまま訳すと「王冠の宝石」となりますが、経済用語では「重要資産」を表します。tech betsは「テクノロジー株への投資」と訳しました。
孫会長は決算会見で何を語ったか?
決算会見でソフトバンク孫 正義会長は、このように語っています。
記事はこちら:SoftBank CEO Pledges Sweeping Cost Cuts After $23.4 Billion Loss(BNN Bloomberg)
“Of course, the market was bad, there was a war, and there was the coronavirus. We can point to a lot of reasons, but these are all excuses. We have to self-reflect about the fact that if we’d been more selective and had invested more properly, it wouldn’t (have) come to this.”
「もちろん、市場の状況は悪い、戦争も起こったし、コロナウイルスのこともある。たくさん理由は挙げられるが、全て言い訳になる。投資先をしっかり選び適切に投資していたらこうはならなかったと、反省しなければならない」
“winter may be longer”とも語る孫会長、雪解けの時期はいつか・・・
次回をお楽しみに。