海外メディアが報じた日本に関するニュースから英語表現を学びましょう!今回は、「eスポーツ」のニュースを取り上げます。
※記事の情報は2022年6月28日現在のものです。
世界中で盛り上がりを見せる「eスポーツ」
時事英語専門のオンライン辞書サイト「RNN時事英語辞典」編集長の廣川です。
連載「世界で報じられた日本」、今回は「日本でも盛り上がりつつある“eスポーツ”」を取り上げます。eスポーツは競技としてテレビゲームやPCゲームで対戦する、新種のスポーツです。
日本で開催される大会の中には、高額賞金の大会も。
記事はこちら:An Overview of the Esports Market in Japan(The National Law Review)
Among the recent esports tournaments held in Japan, the following are significant now that tournaments with prize money exceeding USD 909,000 are being held.
日本で開催されるeスポーツトーナメントの中で、以下の大会が賞金90万9000米ドル(約1億円)を超え、際立っている。(以下、日本語訳は筆者)
prize moneyは「賞金」。賞金1億円を超える大会もあります。この記事の中で賞金1億円超えの大会として、「Shadowverse World Grand Prix 2021」や「PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE SEASON 1」が紹介されています。
スポーツ専門のストリーミングサービス「DAZN」も、eスポーツの中継を始めています。
記事はこちら:DAZN to broadcast BLAST’s CS:GO tournaments to over 100 territories(Dot Esports)
The deal will see DAZN broadcast BLAST Premier to over 100 of its territories, both live and on-demand, including the U.S., U.K., and Japan, thus effectively expanding BLAST’s broadcast reach around the world.
この契約で「DAZN」は米英や日本を含む100の国と地域に、生放送とオンデマンドで「BLASTプレミア」を放送するように、BLASTの放送は世界中に効果的に拡大している。
「BLASTプレミア」は北米と欧州を中心に、「Counter-Strike: Global Offensive」というゲームで対戦するプロリーグ。
eスポーツ後進国、日本
日本はゲーム大国ではありますが、実はeスポーツ市場としてはむしろ後発でアメリカや中国が先行しています。
記事はこちら:Japan opens biggest esports park to level up competitive gaming(Reuters)
Japanese gamers have been slow to jump into esports, favouring home-grown role-playing console (RPG) games such as "Final Fantasy" and "Dragon Quest" and mobile titles such as "Monster Strike".
日本のゲーマーはeスポーツの世界に飛び込むのは遅く、「ファイナルファンタジー」や「ドラゴンクエスト」といった国産ロールプレイングゲームや「モンスターストライク」のようなスマホゲームを好む。
home-grownで「国産の、地元で作られた」という意味になります。
Japanese esports reticence contrasts with neighbours South Korea and China, where enthusiasm is reflected in the competitive strength of teams in multiplayer PC titles such as "League of Legends" from California-based Riot.
日本のeスポーツに対する控えめな姿勢は、お隣の韓国や中国とは対照的で、そこではカリフォルニアが拠点のライアット社が開発した「リーグ・オブ・レジェンド」などの複数人対戦PCゲームで、チームの競技力が上がるにつれ熱狂度も増す。
A contrasts with Bで「AはBと対照的だ」となります。好まれるゲームでもお国柄が出るのは興味深いですね。
活躍する日本のプロゲーマーたち
そのような中、日本でもプロゲーマーたちが活躍しています。
記事はこちら:Japan’s First Female eSports Athlete Joins Pro League(Akihabara News)
Miyu “Shakespeare” Otomo has joined Rascal Jester’s League of Legends starting team in the League of Legends Japan League (LJL), making her the first female professional gamer to participate in the league.
「Shakespeare」こと大友美有選手が、LJLにおいてチーム「Rascal Jester」のリーグ・オブ・レジェンド選手登録メンバーに加わり、このリーグに参加の女性プロゲーマーは初となる。
starting teamは、ここでは「選手登録されたメンバーのチーム」という意味合いです。このまま訳にすると分かりにくいので、「選手登録メンバー」と訳してみました。LJLは日本におけるリーグで、「League of Legends」というゲームで対戦します。サブ選手含め10名が選手登録メンバーで、そのうち1名が初の女性選手となりました。
さらに、将来のeスポーツ選手を育成するため、専門の高校が開校!
記事はこちら:Japan to Open Its First Esports High School in Spring(Complex)
Of course, it isn’t all just fun and games, as students will also be tasked with learning standard Japanese high school curriculum on top of esports. Still, most students will be prepared to enter careers as esports pros, streamers, VR creators, programmers, game writers, and game designers.
もちろん、eスポーツに加えて通常の高校カリキュラムも学ぶので、楽しいことやゲームばかりとはいかない。だが、ほとんどの学生はプロのeスポーツ選手や、ストリーマー、VRクリエーター、プログラマー、ゲーム作家やゲームデザイナーとしてのキャリアに進むことになる。
on top of ~で「~に加えて」という意味です。教室はハイスペックなゲームPCが配置された渋谷のeスポーツスタジアム、講師はプロeスポーツ選手で、高校生大会出場を目指すとのこと。画期的な学校です。
最近YouTubeなどではゲーム実況動画が人気とのことで、ゲームを観戦するという文化も徐々に広がっていますね。サッカーのW杯のように、eスポーツも国民的イベントになる日が来るかも!?
次回をお楽しみに。
次回は2022年7月22日(金)公開予定!
SERIES連載
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