海外メディアが報じた日本に関するニュースから英語表現を学びましょう!今回は、「空飛ぶタクシー」のニュースを取り上げます。※記事の情報は2022年6月13日現在のものです。
空飛ぶタクシーが現実に!?
時事英語専門のオンライン辞書サイト「RNN時事英語辞典」編集長の廣川です。
連載「世界で報じられた日本」、今回は「大阪万博でお目見え?空飛ぶタクシー」を取り上げます。
「ドラえもん」で描かれていたような夢の交通手段は、実現するのでしょうか?
下記は、各国から輸送イノベーションの主要企業が集まる「UP.Summit」(アメリカ・アーカンソー州で開催)をレポートした記事からの抜粋です。
Once far-fetched dreams for the future of transportation ? delivery drones! driverless trucks! air taxis! ? are starting to become reality, thanks in part to huge capital investments and technology advancements.((以下、日本語訳は筆者))
配達ドローンや無人トラック、空飛ぶタクシーといった、かつてはあり得ない夢と考えられていた交通の未来が、巨額の資金投入や技術の進歩もあって現実味を増してきた。
far-fetchedは「あり得ない、実現しない」、capital investmentは「設備投資、資本投入」という意味です。この記事の筆者も、空飛ぶタクシーのような交通手段については、まさか現実にはならないだろうと思っていたようですが、考えが変わってきたと言います。
I've long been skeptical about drone delivery and flying cars. But my interviews this week with startups, big company CEOs and venture capitalists have me reconsidering that stance.?
私は配達ドローンや空飛ぶ車には長いこと懐疑的であった。しかし、今週行ったスタートアップ企業や大企業CEO、ベンチャー投資家とのインタビューで、この立場は考え直すこととなった。
A have B doingで「AはBに○○させ始める」という意味です。
ge-ej.alc.co.jp/images/O7ZD73SgHUYcz7z6gK.jpeg">スズキ、ANA、トヨタ―日本国内でも動きが
日本でも空飛ぶ車の開発が進んでおり、2025年大阪万博でのサービス開始が目標とされています。
Back in September 2020, Japan-based company Skydrive Inc., focusing on flying cars and cargo drones, demoed the first flight of its unique, eVTOL (Vertical Take-Off and Landing) vehicle with a person onboard. Now, the same company has partnered with Suzuki to develop a new model of its eVTOL vehicle to showcase it at the 2025 Osaka World Expo.?
さかのぼること2020年9月、空飛ぶ車や配達ドローンに注力する、日本が拠点のスカイドライブ社が、1人が乗った、個性的なeVTOLの初飛行を実演してみせた。同社は現在、2025年の大阪万博で披露するための新しいeVTOLモデルをスズキと組んで開発している。
関連ニュースによく登場するようになったキーワードのeVTOL(イーブイトール)ですが、「電動垂直離着陸機」(electric Vertical Take-Off and Landingの略)を表します。
大手航空会社も参入を目指しています。
Within Japan alone, the parent of Japan’s largest airline All Nippon Airways, ANA Holdings, has partnered with US-based startup Joby Aviation last month to offer air taxi services in the country. Joby will be developing an eVTOL aircraft, with a top speed of 200mph and a maximum range of 241km, under the agreement.?
日本国内では、国内最大の航空会社ANAの親会社、ANAホールディングスが先月(2022年2月)、日本国内での空飛ぶタクシーサービス提供に向け、アメリカ拠点のスタートアップ企業であるジョビー・アビエーションと提携した。両者の合意のもと、ジョビー社は最高時速200マイル、最長航続距離241kmのeVTOLを開発する。
mphは「時速○マイル」のことで、およそ1.6をかけると「時速○km」に変換できます。200mphは時速約320kmという計算です。ジョビー社には、トヨタも出資しているとのこと。
According to the duo, the 31-mile (50-km) route from Osaka station to Kansai International Airport could take 14 minutes by air rather than 55 minutes or more by car.?
両者によると、大阪駅から関西国際空港まで31マイル(約50km)の道のりは車で55分以上かかるところを、空飛ぶタクシーは14分で運ぶという。
A rather than Bで、「BというよりはA、BではなくてA」という意味になります。
解決すべき課題も
新しい交通手段の実現には、機体の開発だけではなく、インフラ整備やパイロット育成などさまざまな問題に取り組む必要があります。ほかにはこのような課題も。
Public acceptance might be a challenge in Japan, where noise-sensitive residents have previously protested against low-altitude flights over urban areas.?
騒音に敏感な住民たちが都市部での低高度飛行に抗議したこともある日本では、住民の理解が課題になるかもしれない。
課題はさまざまですが、近い未来には空飛ぶタクシーや配達ドローンが当たり前の存在になっているかもしれません。楽しみですね。
次回をお楽しみに。
次回は2022年7月8日(金)公開予定!
SERIES連載
思わず笑っちゃうような英会話フレーズを、気取らず、ぬるく楽しくお届けする連載。講師は藤代あゆみさん。国際唎酒師として日本酒の魅力を広めたり、日本の漫画の海外への翻訳出版に携わったり。シンガポールでの勤務経験もある国際派の藤代さんと学びましょう!
現役の高校英語教師で、書籍『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』の著者、大竹保幹さんが、「英文法が苦手!」という方を、英語が楽しくてしょうがなくなるパラダイスに案内します。
英語学習を1000時間も続けるのは大変!でも工夫をすれば無理だと思っていたことも楽しみに変わります。そのための秘訣を、「1000時間ヒアリングマラソン」の主任コーチ、松岡昇さんに教えていただきます。