皆さんのご自宅には、祖父母や両親から受け継いだ着物がありますか?日本人にとって着物は家宝でもあり、代々受け継がれて長く着用されてきました。しかし現代では、着付けの手間などもあり、着用する機会はすっかり減ってしまっています。そんな着物が、現代のファッションアイテムとして再注目されているというニュースです。
「upcycle」ってなに?
近年、ファッション業界でトレンドワードになっている「アップサイクル(upcycle)」という言葉を皆さんはご存知でしょうか?
アップサイクルとは、本来であれば廃棄されてしまうはずのモノに、デザインなどで新たな付加価値を持たせ、別の新しい製品にアップグレードして生まれ変わらせることを指します。そのため、「創造的再利用」とも呼ばれています。従来から行われてきたいわゆる「リサイクル(recycle)」とは異なり、単に素材を原料化したり、そのまま再利用するのではなく、元の製品よりも価値の高いモノを生み出すことを、最終的な目的とします。
アップサイクルと反対の意味を持つ「ダウンサイクル(downcycle)」と比べてみるとイメージしやすいかもしれません。たとえばダウンサイクルには、古くなった洋服を雑巾にすることなどが該当します。ダウンサイクルでも新たな価値は生まれますが、その価値は元の製品よりも下がってしまうことが、アップサイクルと異なる点です。近いうちにゴミになる可能性が高いダウンサイクルに比べて、アップサイクルはより持続性の高い再利用と捉えることもできます((アップサイクルとは? リサイクルやリメイクとは違う、SDGsへの新たなアプローチ))。
そんなアップサイクル市場において今、日本の着物が注目されています。日本ではビンテージの着物は家宝とされ、代々受け継がれていることも少なくありませんが、着付けのハードルや着ていく機会が少ないといった理由から、現代ではタンスにずっと眠ったままになっていることも稀ではありません。
「Kimono」を現代的なアイテムに再利用
そんな着物の生地を「アップサイクル」して、現代人のセンスやニーズに合わせた服作りをしている韓国人デザイナーDuni Parkが注目を集めています。彼女の手にかかれば、ヴィンテージの着物が、シックなデザインのジャケット、ジャンプスーツ、スカーフなどに生まれ変わります。
ニューヨークで教育を受け、東京を拠点に活動している彼女のアイテムは、日本でも高島屋、西武、京急など東京を代表する百貨店のポップアップストアなどで出品されています。 海外でもポートランド、ミラノ、北京、上海、台湾などで展示されました。Bloombergの記事、Japan’s Discarded Kimonos Get New Life as Redesigned Casual Wearを読んでみましょう。
The worn fabrics Park uses for her clothing line also offer something that brands using virgin materials lack: stories and a connection to the past.
Occasionally Park discovers fabric depicting shunga ? a type of Japanese erotic art ? which men used to line the interior of their kimonos or wore beneath them. The scenes weren’t supposed to be shown in public and some wearers believed the fabric increased their virility.
“It was very hidden and nobody talked about it but everyone knew about it,’’ says Park.
It is details like that that make her designs more intriguing. Although global consumers are increasingly considering the sustainability of clothing when they make purchases, decisions are also deeply influenced by emotional connections.
Duni Parkの洋服に使われている着古された布地は、新品の素材を使用しているブランドにはない、過去とのつながりや物語性を感じさせてくれます。
たまに彼女は、着物の内側に貼られたり、隠されている春画付きの布地を発見することもあるそうです。周りに見せるためではなく、着物に忍ばせることで男らしさが増すと信じられていました。
「(着物の下の春画は)隠されてあるべきもので、誰も話題にもしませんでしたが、皆が知っていました」とParkは言います。
そのようなディテールが、彼女のデザインをより魅力的なものにしています。世界中の消費者は、だんだん衣服のサステナビリティを考慮して購入するようになってきていますが、実際の購入に結び付く動機は、感情的な結び付きに深く影響されています。((Japan’s Discarded Kimonos Get New Life as Redesigned Casual Wear))
日本の伝統的な着物の布地を、現代的でファッショナブルなアイテムへとアップデートするDuni Parkの作品は、どれも素敵ですね!オンラインショップがあるので、気になった方はぜひ覗いてみてくださいね!
?????この投稿をInstagramで見る???????????
?????この投稿をInstagramで見る???????????
?????この投稿をInstagramで見る???????????
SERIES連載
思わず笑っちゃうような英会話フレーズを、気取らず、ぬるく楽しくお届けする連載。講師は藤代あゆみさん。国際唎酒師として日本酒の魅力を広めたり、日本の漫画の海外への翻訳出版に携わったり。シンガポールでの勤務経験もある国際派の藤代さんと学びましょう!
現役の高校英語教師で、書籍『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』の著者、大竹保幹さんが、「英文法が苦手!」という方を、英語が楽しくてしょうがなくなるパラダイスに案内します。
英語学習を1000時間も続けるのは大変!でも工夫をすれば無理だと思っていたことも楽しみに変わります。そのための秘訣を、「1000時間ヒアリングマラソン」の主任コーチ、松岡昇さんに教えていただきます。