海外メディアが報じた日本に関するニュースから英語表現を学びましょう!今回は、「日本を代表する2人のファッションデザイナーの逝去」のニュースを取り上げます。
※記事の情報は2022年9月13日現在のものです。
世界で報じられた森英恵さんと三宅一生さんの逝去
時事英語専門のオンライン辞書サイト「RNN時事英語辞典」編集長の廣川です。
世界で報じられた日本、今回は今年8月に相次いで亡くなった、日本を代表する2人のファッションデザイナーについて取り上げます。森英恵さんと三宅一生さんは海外でも第一線で活躍、死去のニュースは世界でも報じられました。
Mori, who earned the nickname “Madame Butterfly” for her signature motif, was regarded as a symbol of Japan’s growing status as a modern, fashionable nation, and as a pioneer for the country’s women. (*1)
彼女の特徴的なモチーフから、「マダム・バタフライ」とも呼ばれた森さんは、モダンでファッショナブルな国との地位を築きつつあった日本のシンボルとして、そして日本女性の先駆者としてみなされていた。
記事はこちら: Hanae Mori, renowned Japanese fashion designer, dies at 96(The Guardian)(*1)
be regarded as …で「…とみなされる」という意味です。 森さんは長年に渡り、デザインに蝶を取り入れていました。ニューヨークで鑑賞した演劇で日本への理解が低いと憤りを感じ、女性として、東洋人として世界に羽ばたいていくという思いが蝶に込められていると言われています。
In 1965, Mori unveiled her first collection abroad, in New York, under the theme “East Meets West”. Her designs combine traditional patterns such as cranes and cherry blossoms – along with her trademark butterflies – with western styles. (*1)
1965年、「東洋と西洋の融合」をテーマに、ニューヨークで初めて海外でコレクションを発表した。彼女のデザインは、トレードマークと言える蝶のほか鶴や桜といった伝統的な絵柄と、西洋のスタイルをかけ合わせた。
combine A with Bで「BとAを組み合わせる」となります。森さんはその後、日本航空の客室乗務員用の制服や、バルセロナオリンピックの選手団公式ユニフォームのデザインなどを手掛けました。
Her designs aside, Mori became a formidable businesswoman – a rarity in Japan – and in 1986, became the first female member of the Japan Association of Corporate Executives. (*1)
デザインもさることながら、森さんは、日本ではまれな優れたビジネスウーマンでもあり、1986年には女性初の経済同友会会員となった。
「ハナエモリ」を世界的ブランドに育て、日本におけるライセンスビジネスの先駆けともなり、ビジネスリーダーとしての顔も。
スティーブ・ジョブズのトレードマークとしてもお馴染みのIssey Miyakeのタートルネック
次は三宅一生さんについての紹介です。
His insistence that clothing was a form of design was considered avant-garde in the early years of his career, and he had notable collaborations with photographers and architects. His designs found their way onto the 1982 cover of Artforum — unheard-of for a fashion designer at the time — and into the permanent collection of the Museum of Modern Art in New York. (*2)
服飾はデザインの一形態とする彼の主張は、キャリアの初期では前衛的と考えられていて、写真家や建築家と注目を集めるコラボをした。また彼のデザインは1982年に雑誌「Artforum」の表紙を飾り(当時ファッションデザイナーには前例がない)、ニューヨーク近代美術館の永久展示にもなった。
記事はこちら: Issey Miyake, Who Opened a Door for Japanese Fashion, Dies at 84(New York Times)(*2)
find one’s way …で「・・・へたどり着く」といった意味になります。三宅さんは1本の糸から研究開発し、「一枚の布」というコンセプトのものづくりにこだわりました。
For Sony’s 35th anniversiary(注1), Sony Chairman Akio Morita commissioned Miyake to design a jacket for Sony's employees. Miyake created a futuristic jacket of rip-stop nylon with sleeves that could unzip to make it a vest. (*3)
ソニーの創立35周年に、盛田昭夫会長が従業員用のジャケットのデザインを三宅さんに依頼した。三宅さんは袖を取り外してベストにもなる、リップストップナイロンの未来的なジャケットを作り出した。
記事はこちら: Here's The Real Story Of Issey Miyake And Steve Jobs' Iconic Turtleneck(Forbes)(*3)
ripは「破れる」ですので、rip-stopで「破れない」という意味合いになります。三宅さんのデザインは着やすい、扱いやすいといった機能性の追求も特徴です。
(中略)Jobs wanted that kind of bonding for Apple. Jobs called Miyake and asked him to design a vest for Apple. (中略)Employees hated the idea of everyone wearing the same clothes in a corporate uniform. So Jobs, being Jobs, transformed the concept of a corporate uniform into a uniform for himself. (*3)
スティーブ・ジョブズさんはアップルにもこのような絆が欲しかった。ジョブズさんは三宅さんに電話し、アップルのベストのデザインを依頼した。会社の制服としてみんなが同じ服を着るというアイディアは従業員が嫌がったので、ジョブズさんは、ジョブズさんらしく会社の制服というコンセプトを自分のユニフォームに一変させた。
ジョブズさんのトレードマークとなった黒のタートルネックは、実は三宅さんのデザインによるものだったのです。
日本のファッションやデザインを世界へ発信するパイオニアのお二人の活躍を紹介しました。
次回の記事をお楽しみに。
(注1):原文ママ
SERIES連載
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