世界中で多発している山火事。今回はその被害を報じたニュースを取り上げます。山火事の原因には、いったいどんなものがあるのでしょうか?
今回のニュースな英語
wildfire
今、地球のあらゆる場所で山火事が発生しています。
ギリシャでは、燃え盛るエヴィア島からフェリーで大勢が脱出。その様子をとらえた動画が話題になりました。日本のニュースでも流されていたので、目にした人も多いのではないでしょうか。
その動画は、アメリカのNBCニュースのリポートにも使われていました。
54秒目くらいに出てくる男性の言葉「When you violently disrespect the earth, it punishes you.」(地球をひどく扱うと、地球に懲らしめられる)が、非常に重く響きます。
ということで、今回のニュースな英語では、「山火事」を意味する「wildfire」を取り上げます。
背景
アメリカのワシントンポスト(WaPo)紙は、wildfireをこのように定義しています。
Wildfires are uncontrolled and unwanted fires that typically start in forested areas, although they can spread to more populated regions.
山火事とは、制御不能かつ不要な火事で、通常は森林地帯で発生する。とはいえ、人口が多い地域へ広がる可能性もある。
一般的には、雷や溶岩などが山火事の原因となることが多いようですが、WaPoによると、ここ20年で発生した山火事のうち約85%は、キャンプの火の不始末など、人間の不注意により引き起こされたものだそうです。
また、アメリカやカナダの太平洋岸北西部は今年6~7月、熱波に襲われましたが、こうした気温の上昇が山火事の要因になることもあります。
こちらは、同じくWaPoの記事から。
Hot, dry conditions greatly increase the risk for dry thunderstorms and wildfires.
熱く乾燥した気象条件により、ドライ・サンダーストームや 山火事 のリスクが著しく高まる。
thunderstormとは、雷や雨を伴う嵐ですが、dry thunderstormの場合、雨は地上に降りてくる前に蒸発してしまいます。これが山火事を引き起こす要因にもなっています。
なお、オーストラリアの乾燥した地域では、bushと呼ばれる原野で火災が発生することが多く、bushfireと呼ばれています。
bushfire
山火事、森林火災(主にオーストラリア)
wildfireと同じ意味であるため(オーストラリア公共放送ABCによると、必ずしも同じではない、との主張もあるようですが)、最近ではアメリカの影響からオーストラリアでもwildfireと呼ばれることが多くなってきたそうです。
wildfire
山火事、野火
どんなふうに使われている?
2021年は世界的に異常気象がニュースになっていますが、山火事についても同様に、記録的な状況になっています。
アメリカのカリフォルニア州では、「the Dixie Fire」と名付けられた大規模な山火事が1カ月以上にわたり続いており、その被害の大きさは、同州史上2番目の規模とも、はたまた最大規模とも言われています。
また、8月12日付のニューヨーク・タイムズ紙では、カナダのブリティッシュコロンビア州で260近くの山火事が同時に発生している、と報じられていました。
さらに、冒頭で触れたギリシャ以外にも、トルコが記録的な山火事に見舞われているほか、地中海沿岸地域では複数の国で山火事が発生している、とロイター通信は伝えています。
Italy, Albania, Morocco, Greece, North Macedonia and Lebanon have all faced wildfires since late July.
イタリア、アルバニア、モロッコ、ギリシャ、北マケドニア、レバノンはすべて、7月下旬以降、山火事に直面している。
このほか、ロシアのシベリアでも山火事が起きており、アメリカのABCニュースによると、今年の夏にアメリカ、カナダ、トルコ、ギリシャで発生した山火事をすべて合わせたものよりももっと大きな規模になっているとのことです。
まとめ
今回は、今世界の至るところで被害が広がっているwildfireについて取り上げました。
こちらの動画は、ナショナルジオグラフィックが山火事について詳しく説明したもの。とてもわかりやすいので、山火事についての知識を深めたい方におすすめです。ここでは、山火事の90%が、キャンプファイヤーの火など人為的なものから始まったとしています。日本では今キャンプが流行っていますし、皆さんも火の元には十分気を付けてくださいね。
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