音楽活動を再開したロードの4年ぶりとなる新曲「Solar Power」

「今聴いてほしいアーティスト」と関連する楽曲を音楽が伝えるメッセージや社会的・音楽的文脈などと合わせて高橋芳朗さんが解説します。

今月の一曲

ロードの「 Solar Power」を紹介します。

Solar Power
  • Universal Music New Zealand Limited
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2013年、「Royals」で鮮烈なデビューを飾ったニュージーランド出身のロードは、グラミー賞でも史上最年少となる17歳で年間最優秀楽曲賞を受賞。地球環境と向き合った伝記本Going Southを2021年に出版し、自然の尊さに重きを置く彼女の思いが込められた新曲「 Solar Power」を6月にリリースした。

美しい自然を愛する思いを込めた、夏らしく軽快なサウンド

写真:ロイター

2013年に弱冠16歳でデビューシングル「Royals」がいきなりアメリカ/イギリスの両チャートを制するという、センセーショナルな登場を飾ったロード。2017年リリースのセカンドアルバム『Melodrama』もグラミー賞最優秀アルバム賞にノミネートされるなど、順風満帆なキャリアを歩んでいた彼女は2018年5月、突如としてソーシャルメディア上のすべての投稿を削除。以来その動向がつかみにくくなっていたが、昨年11月に伝記本Going Southの出版を発表して音楽活動の本格的な再開を予感させていた。

そして今年6月10日、ロードは実に4年ぶりとなる新曲「 Solar Power」をリリース。プロデューサーにテイラー・スウィフトの『 Folklore 』(2020)を手掛けたジャック・アントノフを迎えていることでも話題のこの曲は、プライマル・スクリームの1990年のヒット曲「Loaded」をモチーフにしている。

Forget all of the tears that you’ve cried / It’s over / It’s a new state of mind / Are you coming, my baby? / Turn it on in a new kind of bright/It’s solar / Come on and let the bliss begin / Blink three times when you feel it kicking in

流した涙は忘れよう/もう終わったこと/新たな気持ちで/ねえ、あなたも来る?/新たな輝きを浴びてスイッチを入れよう/太陽の光を/さあ、ここからが至福の時の始まり/効き目を感じてきたら三度まばたきをしてみて

8月リリース予定の待望のニューアルバムについて、ロードは「今度のアルバムはビーチへのドライブ中に聴いて気持ちが上がるような、涼しくなってきても肌に残る日焼け跡のような、皆さんの夏を彩る一枚になってほしい」とコメント。パンデミックの長く暗いトンネルの向こうにようやく 希望 の光が見えてきた2021年初夏、彼女のポジティブなエナジーは新しい世界を牽引していくことになるだろう。

Solar Power」のルーツをたどる曲4選">ロード「 Solar Power」のルーツをたどる曲4選

今回の記事で紹介している音楽のプレイリストをご紹介します。「 Solar Power」に関連した楽曲を併せて聴いてみよう!

  1. Making A Fire ( Mark Ronson Re-Version) by Foo Fighters
  2. Loaded by Primal Scream
  3. Freedom! '90 by George Michael
  4. Sympathy for the Devil by The Rolling Stones

「EJ's Playlist」を音楽配信サービスで公開中!

「EJ’s Playlist」では、これまで『ENGLISH JOURNAL』の連載「EJ Culture Music」で取り上げてきた楽曲を音楽配信サービスで公開中です。こちらのプレイリストは、Apple Musicでもお楽しみいただけます。次のURLからご利用ください。 https://umj.lnk.to/EJplaylist

※本記事は『ENGLISH JOURNAL』2021年9月号に掲載した記事を再編集したものです。

高橋芳朗 音楽ジャーナリスト、ラジオパーソナリティ、選曲家。TBSラジオ「ジェーン・スー生活は踊る」にレギュラー出演中。著書に『ディス・イズ・アメリカ「トランプ時代」のポップミュージック』(スモール出版)、『生活が踊る歌』(駒草出版)など。

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