TOEICとTOEFLの7つの違いとは?利用目的から勉強法まで徹底解説

TOEIC Listening & Reading Test(以下TOEIC)とTOEFL iBTテスト(以下TOEFL)はどちらも日本で有名な英語試験です。しかし、「TOEICとTOEFLって何が違うんだろう?」「自分が受けるべき試験はどっちなんだろう?」という疑問に思う人も多いでしょう。
そこで今回は、TOEICとTOEFLの利用目的や問題傾向の違いについて解説します。本記事を読むことで、あなたがどちらの試験を受けるべきなのかがわかるようになりますよ。

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【比較表】TOEICとTOEFLの7つの違い

TOEICとTOEFLは、以下のように異なる点が複数あります。

  • 利用目的の違い
  • 問題傾向の違い
  • 試験内容・試験時間の違い
  • 試験方法の違い
  • 難易度の違い
  • 実施回数の違い
  • 受験料の違い

利用目的の違い

TOEICは主に国内での就職や昇進に役立てることが目的であり、TOEFLは主に留学に役立てることが目的の試験です。

TOEICはビジネスシーンや日常会話でのコミュニケーション理解度を測る試験です。国内で就職・昇進・転職する際に一定のTOEICスコアが条件になることがあります。

IIBCの英語活用実態調査によると、就職時に求められるTOEICの平均スコアは、新卒採用では545点、英語を使用する部署での中途採用では620点です。

一方、TOEFLは「現地大学の授業についていける英語力」を持っているかどうかを測ります。TOEFL公式サイトによると、アメリカへの留学に必要な基準スコアは65点〜103点、イギリスへの留学に必要な基準スコアは72点〜110点です。

必要なスコアは大学によって異なりますが、留学先の選択肢を広げることも考慮すると、最低ラインは70点になるでしょう。

問題傾向の違い

TOEICはビジネス寄り、TOEFLはアカデミック寄りの問題が出題される傾向があります。

TOEICは就職や転職で活用されることが多いため、ビジネスシーンや日常生活に関するテーマの問題が多いです。一方のTOEFLは留学を前提として作られているため、大学での講義や会話、学術的な話に関するテーマの問題が出題されます。

試験内容・試験時間の違い

TOEICは990点満点でリスニングとリーディングに分かれており、各495点満点で構成されています。リスニングはパート1〜4、リーディングはパート5〜7で、試験時間は約2時間です。

パート出題内容問題数
リスニングセクション(約45分/100問)
1写真描写問題6問
2応答問題25問
3会話問題39問
4説明文問題30問
リーディングセクション(約75分/100問)
5短文穴埋め問題30問
6長文穴埋め問題16問
7長文読解問題1つの文書:29問、複数の文書:25問

参考:TOEIC公式サイト

一方のTOEFLは、リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングの4パートが各30点の120点満点で構成された試験です。もともと3時間だった試験時間は、2023年7月から形が変更されて2時間に短縮されています。

パート出題内容問題数時間
リーディング長文読解問題20問35分
リスニング大学の講義とキャンパス内での対話の2種類で構成された問題28問36分
スピーキング授業やキャンパス内で起こり得る場面を想定した問題4問16分
ライティング自分の考えを明確に構成立てて、制限時間内にまとめる問題2問29分

参考:TOEFL公式サイト

試験方法の違い

TOEICはマークシート方式で、問題は紙で配られ、解答用紙に解答をマークしていくスタイルです。決められた時間にすべての受験生が一斉に試験を開始します。

一方のTOEFLはパソコンで解答するテストで、画面の指示にしたがって試験を行なっていきます。TOEICのように試験は一斉に開始せず、予約会場に到着した順番に受験していくスタイルです。

難易度の違い

TOEICとTOEFLでは、TOEFLの方が難易度が高いといえるでしょう。その理由は2つあります。

1つ目の理由としては、測られる技能数の違いによるものです。TOEIC(L&Rテスト)のテスト内容は、リスニングとリーディングの2つだけです。

対してTOEFLでは、さらにスピーキングとライティングのスキルも必要になります。学習範囲が増えるうえに、スピーキングは独学での対策が難しいため、難易度が上がるのです。

2つ目の理由としては、問題傾向の違いによるものです。TOEICはビジネスシーンや日常生活に関するテーマが多く、比較的なじみ深い語彙が使われるため、問題も解きやすいでしょう。

一方のTOEFLは学術的な話に関するテーマが出題されます。さらに1パッセージ約700語あり、読解すべき英文量も多いため、TOEICより難しいといえます。

実施回数の違い

TOEICは月1回ペースで実施され、年間にすると10回以上行なわれている試験です。基本的には日曜日に実施していますが、2024年9月に初めて土曜日に実施されます。TOEIC公式サイトによると、2024年度は13回の実施日が決まっています。

TOEFLは年間で50日以上実施されている試験です。土曜日は午後も実施しているため、テスト自体は年間80回以上実施されており、受験する機会はTOEICよりもかなり多いです。TOEFL公式サイトによると、2024年6月までの実施日が決まっています。

受験料の違い

TOEICの受験料は7,810円(税込)で、TOEFLの受験料は245ドルです。

245ドルは2024年1月時点のレートだと、日本円で約36,300円です。円安が続くと、日本円としてさらに料金が上がる可能性もあり、TOEICと比較すると高額であることがわかります。

TOEICスコアをTOEFLスコアに換算すると何点?

TOEICスコアをTOEFLスコアに換算すると、以下のようになります。

TOEICTOEFL
945〜95〜120
785〜72〜94
550〜42〜71

参考:文部科学省「各試験団体のデータによるCEFRとの対照表」

たとえば、TOEIC550点はTOEFLに換算すると42〜71点が目安です。ただし、TOEICとTOEFLは問われている技能の数や問題傾向も違うため、あくまでも目安として参考にしてみてください。

TOEICと英検のスコア換算表は以下の記事で紹介しているので、よければあわせてご覧ください。

TOEICとTOEFL受けるならどっち?

何を目的に英語資格を取得したいのかを考え、TOEICとTOEFLどっちを受けるべきか決めましょう。

「TOEICがおすすめな人」「TOEFLがおすすめな人」の特徴を解説します。

TOEICがおすすめな人

TOEICがおすすめな人は以下の通りです。

  • 就職を目的にしている人
  • 昇進を目的にしている人
  • 転職を目的にしている人

将来的に就職や転職・昇進で英語力が必要になる、もしくは英語を活かした仕事に就きたいと思っている場合は、TOEICに挑戦するといいでしょう。IIBCの英語活用実態調査によると、新卒採用では約50%、英語を使用する部署の中途採用では53.8%の企業がTOEICスコアを参考にしています。

引用:英語活用実態調査「企業・団体/ビジネスパーソン2019」

就活や転職でTOEICを活かしたい人は、以下の記事も参考にしてみてください。TOEICが活かせる職種や求められるスコアを解説しています。

TOEFLがおすすめな人

TOEFLがおすすめな人は以下の通りです。

  • 海外大学への留学を目的にしている人
  • 海外大学への進学を目的にしている人

日本の大学からの留学や英語圏の大学への進学を考えている人であれば、TOEFLを受験しましょう。TOEFLは入学審査の基準として重視されていることが多く、TOEICよりも有効活用できる可能性が高いです。

TOEICとTOEFLの勉強法の違い

TOEICとTOEFLでは勉強法が異なります。以下ではそれぞれの試験にあわせた勉強法を解説していきます。

TOEICの勉強法については、以下の記事も参考にしてみてください。

TOEICの勉強法

TOEICでは、単語学習とリーディング・リスニング対策をしましょう。単語は、学校ではあまり習わないビジネス単語も覚える必要があるため、TOEICに特化した教材がおすすめです。

リーディングは75分で100問を解く非常にスピーディな解答力が求められます。1文1文を丁寧に和訳できる能力よりも、素早く読み内容を把握する能力が大切になるので、時間を意識して対策しましょう。

また、TOEICの半分の点数を占めるのがリスニングです。教材の音声にあわせて音読することで、発音やイントネーションを学習していきましょう。

TOEIC対策アプリの「Santaアルク」では、TOEICに特化した単語、リーディング対策、リスニング対策に対応しています。TOEIC学習に必要な要素をまとめて学習できるので、ぜひ利用を検討してみてくださいね。

TOEFLの勉強法

TOEFLの場合、TOEFL特有の単語や文章の読解、TOEICにはないスピーキングとライティングの対策も必要になります。

問題がアカデミックな内容であるため、単語や文章も以下のような学術的な単語を覚える必要があります。

学術な単語の例

  • Meteorology(気象学)
  • Sediment(堆積物)
  • Occasionally(時々)
  • Artificial(人工の)
  • Compulsory(強制された)

スピーキングでは、「テーマが与えられて解答を数十秒で考えて答える」形式であるため、瞬間的に英文を組み立て話す能力が必要となります。

ライティングは、英語でのタイピングをしなければなりません。慣れていないと時間がかかるため、タイピングの練習もしておきましょう。

仕事に活かすならTOEIC、学業に活かすならTOEFLを受けよう

TOEICとTOEFLには7つの違いがあり、一覧表にすると以下の通りです。

TOEICTOEFL
利用目的国内での就職や昇進海外への留学や進学
問題傾向ビジネスアカデミック
試験内容リスニング、リーディングリスニング、リーディング、スピーキング、ライティング
試験時間2時間2時間
試験方法マークシート方式パソコンで解答
難易度比較的低い比較的高い
実施回数年10回以上年80回以上
受験料7,810円(税込)245ドル(約36,300円)※2024年1月時点のレート換算

就職や転職など、仕事に活かすのであれば TOEIC、留学や進学

といった学業に活かすのであればTOEFLを受けましょう。問題傾向や試験内容も違うため、どっちを受けるか決まったら、それぞれに合った対策を進めていきましょう。

もし英語力を測りたいという受験理由であれば、受験料が比較的安く、TOEFLより難易度がやさしいTOEICがおすすめです。TOEIC対策をする際には、「Santaアルク」をご利用ください。AIによる精度95%のスコア診断であなたにぴったりのTOEIC学習を実践できます。

TOEIC予想スコアも算出してくれるので、まずは現状の英語力がどれくらいか知りたい人もぜひ試してみてくださいね。

ENGLISH JOURNAL編集部
ENGLISH JOURNAL編集部

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