TOEICの文法はこれだけおさえて!出題パターン17タイプを徹底解説

「TOEIC 文法はこれだけでいい?」と不安に思う方へ。結論から言えば、Part 5で狙われる文法パターンは決まっており、17タイプを押さえれば十分対応できます。本記事では、TOEIC Part 5の全体像から時間配分の戦略、そして『TOEIC L&Rテスト 文法・語彙・語法 あがる1000問』に基づく17の文法タイプ徹底解説まで一気に整理しました。

Part 5とはどんなセクション?

TOEICリーディングはPart 5〜7に分かれ、その中でPart 5は短文穴埋め30問。形式はシンプルですが、次の理由から意外とスコアを落としやすいパートです。

  • 出題範囲が「文法」と「語彙」に広がりやすい
  • 1問ごとの制限時間が短い(後述:1問20秒が目安)
  • 語彙はストック次第、文法はパターン理解次第で点差がつく

つまり、攻略のカギは「頻出パターンを優先的に押さえる」ことです。Part 5にかけられる時間はおよそ10分(30問×20秒)。Part 5の問題=「瞬時判断」という戦略に基づく必要があります。

TOEIC 文法「これだけ」——17タイプ徹底解説

以下は、17の文法タイプです。定義・出題意図・攻略ポイントを押さえておけば、本番での「瞬時判断」が可能になります。

1. 語彙

全て名詞、全て動詞、全て形容詞のように、同じ品詞で統一されている選択肢の語句から、文脈に合うものを選ぶ問題。選択肢の語句の意味を押さえた上で、前後の文脈を捉えることで答えが定まる。

定義:同じ品詞の単語から、文脈に最もふさわしい語を選ぶ問題。
出題意図:文全体の意味理解力と、類語のニュアンス差を判断できるかを確認。
攻略:品詞では絞れないため、普段から語彙力を積み上げておくことが唯一の対策。

例題

The company’s new ------- policy aims to reduce paper waste in the office.

(A) printing
(B) vacation
(C) salary
(D) promotion

正解:(A) printing

2. 語法

単語の個々の意味だけでなく、語法の観点から空所に入るべき語句を判断する問題。言葉の使い方について正確な知識が必要だが、空所周辺の情報がヒントになることが多い。

定義:単語の意味だけでなく、正しい使い方や組み合わせを問う問題。
出題意図:単語知識だけでなく、実際に使える表現力があるかを確認。
攻略:語+前置詞の組み合わせや慣用表現を暗記し、空所前後のヒントを手掛かりに判断。

例題

The marketing team is ------- of creating innovative campaigns that attract new customers.

(A) responsible
(B) positive
(C) capable
(D) reluctant

正解:(C) capable

3. 品詞

名詞、動詞、形容詞、副詞、動名詞、分詞、不定詞など、同じ単語から派生した、品詞や活用形が異なる選択肢から、構文上適切なものを選ぶ問題。主語・動詞を中心に文構造を確認し、キーワードを探すことで正解が見えてくる。

定義:名詞・動詞・形容詞・副詞など、同じ語源から派生した品詞の中から文構造に合う形を選ぶ問題。
出題意図:単語の意味ではなく、文の中での役割を理解しているかを確認するため。
攻略:主語・動詞を中心に文構造をチェックし、空所前後のキーワードから品詞を特定する。

The manager requested a detailed ------- of the project’s progress.

(A) explain
(B) explanation
(C) explanatory
(D) explainable

正解:(B) explanation

4. 態

選択肢にある動詞の特性や、主語との関係、空所前後の要素などから、能動態と受動態のどちらが適切かを選ぶ問題。正解を絞り込む上で、後述の「主述の一致」や「時制」の観点も必要になることが多い。

定義:主語との関係や文脈に基づき、能動態か受動態かを選ぶ問題。
出題意図:動詞の特性や文構造を理解し、主語が動作をする側か/受ける側かを判断できるかを確認するため。
攻略:空所前後の情報を手掛かりに、主語と動詞の関係を明確にする。あわせて「時制」「主述の一致」も確認すると正解が絞りやすい。

The used furniture ------- to a secondhand shop in Crail next week.

(A) was sent
(B) is sending
(C) will send
(D) will be sent

正解:(D) will be sent

5. 主述の一致

主語に合う適切な動詞の形を選ぶ問題。修飾語句や挿入句はいったん無視し、文の主役である主語と動詞に目を向けることで、素早く解くことができる。特に主語の数(単数・複数)や人称に注目すること。前述の「態」、後述の「時制」の観点が必要になることも多い。

定義:主語に合う正しい動詞の形(単数・複数、人称など)を選ぶ問題。
出題意図:修飾語や挿入句に惑わされず、文の核となる主語と動詞の対応関係を理解しているかを確認するため。
攻略:修飾語は無視して、主語の数・人称に注目。必要に応じて「態」や「時制」と組み合わせて判断すると正答を導きやすい。

The CEO, along with his top executives, ------- currently finalizing plans to announce a new product line next week.

(A) are
(B) was
(C) have
(D) is

正解:(D) is

6. 時制

時やタイミングを示す表現を見つけ、それをヒントに動詞の適切な時制を選ぶ問題。キーワードが示す時点を正確に把握し、文脈と合わせて考えることで解ける。

定義:文中に現れる時間表現(last summer, now, by tomorrow など)に基づいて、動詞の正しい時制を選ぶ設問。
出題意図:動詞の活用だけでなく、時間を示す語と動詞の時制の対応関係を理解しているかを確認する。
攻略:まず時間を表すキーワードに注目し、過去なのか現在なのか未来なのかを見極める。そのうえで文全体の流れを考え、適切な時制を選択する。

This café ------- until 8 P.M. last summer to meet tourist demand.

(A) opened
(B) will open
(C) has opened
(D) opens

正解:(A) opened

7. 前置詞

前置詞だけが並ぶ選択肢から文脈に合うものを選ぶ問題。文脈をつかむだけでなく、句動詞(動詞+副詞/前置詞の組み合わせで1つの動詞として機能する語)や、コロケーション(頻繁に一緒に使われる単語の組み合わせ)など、語法の知識を動員することで正解に近づける。

定義:選択肢がすべて前置詞で構成され、文脈に最も適切な前置詞を選ぶ問題。
出題意図:単語単体の意味だけでなく、句動詞やコロケーションなど実際の使われ方を理解しているかを確認するため。
攻略:空所前後の文脈を読み取りつつ、動詞+前置詞や形容詞+前置詞のパターン暗記を活用。句動詞や定型表現を知っていれば正解にたどり着きやすい。

Employees must comply ------- all safety regulations while on the job site.

(A) to
(B) for
(C) with
(D) on

正解: (C) with

8. 接続詞

接続詞だけが並ぶ選択肢の中から文脈に合うものを選ぶ問題。空所が結び付ける2つの節の関係性(順接、逆接、原因・結果、条件、譲歩など)を把握し、語法も勘案することで、それらを適切につなぐ語句を選べる。

定義:文や節をつなぐ接続詞を問う。
出題意図:節のつながりや論理関係を把握できるかを確認。
攻略:後ろに「主語+動詞」が来るかどうかで接続詞/接続副詞を見分ける。

------- the economy is unstable, our company continues to grow steadily.

(A) Because
(B) So that
(C) Even though
(D) Unless

正解:(C) Even though

9. 修飾

every、each、some、all、few、many、much などの形容詞(数量詞)・副詞が混在する選択肢から、空所にふさわしい語句を選ぶ問題。空所に入る語が修飾する対象(語句・節・文全体)を正確に見極め、数や語順に注意することで正解を導き出せる。

定義:every, each, some, all, few, many, much など、数量詞や副詞の中から文脈に合うものを選ぶ問題。
出題意図:修飾対象(名詞・節・文全体)を正しく見極め、数の一致や語順の理解ができているかを確認するため。
攻略:空所が修飾する対象を確認し、可算/不可算、単数/複数の区別に注意。文全体を修飾する副詞の場合は語順にも着目すると正解を導きやすい。

The employee manual provides ------- detailed instructions on how to handle customer complaints.

(A) little
(B) very
(C) every
(D) much

正解:(B) very

10. 前置詞 vs. 接続詞 vs. 修飾語問題

前置詞、接続詞、修飾語(副詞、形容詞など)が混在する選択肢から、文中の2つの情報(句や節)をつなぐのに適切なものを選ぶ問題。空所が名詞句をつないでいれば前置詞、節をつないでいれば接続詞、何もつないでおらず、語・節・文に飾りを添えているだけならば修飾語が入る。文構造を正確にチェックしよう。

定義:前置詞・接続詞・修飾語(副詞・形容詞など)が混在する選択肢から、文中で2つの情報をつなぐ適切な語を選ぶ問題。
出題意図:空所が名詞句をつなぐのか、節をつなぐのか、それとも飾りを添えるだけなのかを見抜き、正しく機能を判別できるかを確認するため。
攻略:空所の後ろを必ずチェックし、名詞句なら前置詞/節なら接続詞/どちらでもなく修飾なら副詞や形容詞と判断。文構造を丁寧に把握するのが最短ルート。

We will proceed with the project ------- we receive approval from management.

(A) during
(B) for
(C) when
(D) soon

正解:(C) when

11. 慣用表現

文脈に適した慣用的な表現(句動詞、コロケーション、イディオムなど)を成立させる語句を選ぶ問題。keep in touch「連絡を取り合う」やin the long run「長期的に見て」など、個々の単語の意味を組み合わせただけでは意味が把握しづらい定型表現が問われる。空所の直前・直後の語句がヒント。

定義:句動詞・コロケーション・イディオムなど、文脈に適した定型表現を完成させる語を選ぶ問題。
出題意図:単語の意味だけではなく、自然な言い回しや実際によく使われる表現を知っているかを確認するため。
攻略:空所の前後をチェックし、決まり文句として使われる表現を暗記しておく。例:keep in touch, in the long run, take part in。丸暗記+文脈判断が正解への近道。

TechForward aims to take ------- of its AI technology to improve data analysis for its clients.

(A) benefit
(B) advantage
(C) profit
(D) interest

正解:(B) advantage

12. 構文

either A or B「A かB」のような相関接続詞や、Should you ~「~する場合は」のような倒置を見抜いて構文を完成させる問題。文構造を見極め、パートナーとなる語句を探したり、語順に着目したりすることで正解が見えてくる。

定義:either A or B「AかB」などの相関接続詞や、Should you ~ のような倒置構文を見抜き、文を正しく完成させる問題。
出題意図:文全体の構造を正しく把握し、ペアで使われる表現や特殊な語順に気づけるかを確認するため。
攻略:空所の相手となる表現や語順の手掛かりを探す。相関接続詞はセットで覚える/倒置は語順の変化を意識することが正解への近道。

The project deadline is ------- tight to allow for any delays in the production process.

(A) very
(B) too
(C) such
(D) quite

正解:(B) too

13. 関係詞

関係代名詞、関係副詞、複合関係代名詞、複合関係副詞から適切なものを選ぶ問題。先行詞の有無や種類(人・物・時・場所など)と、後続する節の構造(主語の有無など)を確認することで正解を導き出せる。

定義:関係代名詞・関係副詞・複合関係代名詞・複合関係副詞の中から、文を正しくつなぐ適切な語を選ぶ問題。
出題意図:先行詞の有無や種類(人・物・時・場所など)、さらに後続する節の構造(主語の有無など)を理解しているかを確認するため。
攻略:空所の直前直後を丁寧に確認し、先行詞の種類と後続文の主語の有無を照合する。例:人なら who、物なら which、場所なら where。複合関係詞は「先行詞なしで文をつなぐ」ケースを押さえておくと正答率が上がる。

The new office building, ------- the company will do business next year, is still under construction.

(A) when
(B) where
(C) which
(D) what

正解:(B) where

14. 代名詞・指示語

定義:me / you / her / him / it / us / them や both / neither / each / other など、代名詞や指示語の中から文脈に合う語を選ぶ問題。
出題意図:空所が指している対象(人か物か、単数か複数か、性別の区別があるか)を正しく把握できるかを確認するため。
攻略:文全体を読み、代名詞が置き換えている語(先行詞)や数量の一致を必ず確認する。単数・複数の区別や「人/物」の区別を意識することで誤答を防げる。

According to the memo, the company will reward employees who reach ------- individual sales targets.

(A) our
(B) its
(C) their
(D) your

正解:(C) their

15. 格問題

さまざまな格(主格・所有格・目的格)の代名詞や、mine、yours などの所有代名詞、myself、yourself などの再帰代名詞の中から、適切なものを選ぶ問題。文中で不足している要素(主語、目的語、所有表現など)を見極めることで、正しい格を選択できる。

定義:主格・所有格・目的格の代名詞、mine / yours などの所有代名詞、myself / yourself などの再帰代名詞から、文に必要な格を選ぶ問題。
出題意図:文の中で不足している要素(主語・目的語・所有表現など)を見抜き、正しい代名詞の形を選べるかを確認するため。
攻略:文構造を見極め、空所が主語なのか目的語なのか所有を表すのかを判断する。再帰代名詞は「主語と目的語が同じとき」に用いる点を押さえておく。

The HR director has requested [that all employees submit their mid-term goals to ------- by May 21].

(A) he
(B) him
(C) his
(D) himself

正解:(B) him

16. 比較

形容詞または副詞の原級、比較級、最上級の中から、適切な形を選ぶ問題。than、ever、as、among、of など比較の表現で使われる語句を瞬時に見つけ、比較の対象や範囲を見極めることができれば即答できる。修飾する対象が動詞か名詞かにも注意。

定義:形容詞または副詞の原級・比較級・最上級の中から、文脈に合う適切な形を選ぶ問題。
出題意図:than, ever, as, among, of などの比較表現を見抜き、比較の対象や範囲を正しく理解できるかを確認するため。
攻略:空所の前後を確認し、比較対象があるなら比較級(than)/範囲があるなら最上級(of the two, among〜)/同等比較ならas〜as を選ぶ。さらに、修飾対象が名詞なら形容詞、動詞なら副詞を使うといった品詞の使い分けにも注意。

Toyoda’s newest XP300 laser printer is selling ------- than any other model in their catalog.

(A) good
(B) better
(C) best
(D) well

正解: (B) better

17. パラレリズム

and やor などの等位接続詞がつなぐ要素(語、句、節)が、文法上対等に並ぶように語句を選ぶ問題。接続詞前後の要素とキーワードを確認し、対になる形を考えれば、正解を導き出せる。

定義:and, or などの等位接続詞によってつながれる要素(語・句・節)が、文法的に対等に並ぶように適切な語を選ぶ問題。
出題意図:接続詞の前後で構造や品詞の対応が取れているかを確認し、並列関係を正しく理解しているかを試すため。
攻略:接続詞の前後を比較し、同じ品詞・同じ構造になるかを確認する。キーワードを手掛かりに、語・句・節の「対になる形」を意識すると正解が導きやすい。

This program offers comprehensive and ------- training to different skill levels.

(A) practice
(B) practical
(C) practically
(D) practicing

正解:(B) practical

学習の組み立て方——「17タイプ」で効率的に仕上げる

TOEIC Part 5の対策は、まず全17タイプをざっと確認し、出題範囲の全体像を把握することから始めましょう。そのうえで、各タイプにつき数問だけ演習し、解答スピードを意識しながら取り組むのが効果的です。演習の中で苦手だと感じたタイプは必ずリスト化し、試験直前に繰り返し見直すことで弱点を確実に補強できます。特に「品詞・語彙・前置詞・接続詞・関係詞・動詞の形」は高頻度で出題されるため、重点的に復習すれば得点効率が大幅に改善します。

まとめ|TOEIC 文法は「17タイプ」で十分戦える

TOEIC Part 5の文法問題は、この17タイプを押さえるだけで十分対応可能です。必要以上に難解な知識を追いかけるのではなく、頻出パターンを瞬時に判断できる力を養うことが重要です。学習時間が限られる直前期こそ、「TOEIC 文法 これだけ」=17タイプ総ざらいが最も効率的な学習法となります。本記事を直前チェックリストとして活用し、Part 5を安定した得点源に仕上げていきましょう。

5000人超のデータに基づく、信頼の1000問

TOEIC(R) L&Rテスト 文法・語彙・語法 あがる1000問 』は、Part 5対策に特化した決定版の問題集です。5173人のモニターによる解答データを徹底分析し、実際の受験者がつまずきやすいポイントを抽出。その結果から精選された1000問を収録しています。

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