
TOEICでは「最後まで解けない」「時間切れで最後は塗り絵になる」(*塗り絵=適当にマークすること)といった悩みをよく耳にします。でも、実はすべての問題を解けなくても、スコアはしっかり伸ばせます。大事なのは各パートの適切な時間配分と、“取るべき問題・解ける問題”を見極める力。
この記事では、500〜600点のスコアから抜け出したい人に向けて、時間配分のコツとパート別の具体的な対策を紹介します。
目次
TOEICの時間配分の重要性

まずは、TOEICにおける時間配分の戦略について解説します。
なぜ時間配分でスコアが変わるのか
TOEICは全200問を2時間で解く必要があり、時間配分がスコアに直結します。特にスコアが700点以下の人は「全問完璧に解く」ことよりも、限られた時間内で正解できる問題を優先的に解くのが効果的です。無理に全問を解こうとすると、焦りやミスが増え、逆にスコアを落とすことも。
解答すべき問題と捨てるべき問題を見極め、パートごとに適切な解答時間を割り当てれば、スコアアップを狙えます。
「全部解けない前提」で戦うべき理由
TOEICは全問解くのが理想ですが、実際は時間が足りず「塗り絵」(適当にマークすること)になることも珍しくありません。しかし、私の指導経験では、Part 7で30問を塗り絵したのに、615点が取れた生徒もいます。
大切なのは、解ける問題に集中して確実に正解を積み上げること。最後まで解答することにこだわり過ぎるより、「時間内に取れる問題を確実に解く」意識を持つ方がスコアは安定します。
時間を味方につけることで得点効率がアップ
時間配分を守り、取る問題・捨てる問題の見極めができれば、時間は味方になります。それによって、焦りが減り、問題の読み飛ばしやミスも減少するでしょう。
逆に時間配分を間違えると、焦りから誤答が増え、結果的にスコアを落とすことも。戦略的に時間を配分することで、苦手パートでも最低限のスコアを確保でき、得意パートではスコアを伸ばすことが可能です。
リスニングセクションの時間配分

リスニングセクションの時間配分について解説します。
Part 1&2はテンポが勝負
Part 1&2は「写真描写問題」と比較的短い会話の「応答問題」です。設問数も少なく1文1文も短いですが、スピード感が求められます。考え込む時間はありません。迷ってもどれかをマークして、次の問題に集中する勇気を持ちましょう。最初から全問完璧に聞き取るのは難しいので、まずはテンポ良く問題を解いていくことを心がけてください。それがリスニング得点アップのポイントです。
Part 3&4は「設問の先読み」がカギ
Part 3と4は、会話やトークを聞いて、設問に答える形式。音声が流れる前に、問題用紙に書かれた設問と選択肢を読んでおく、「先読み」というテクニックがとても重要です。
Part 2が終わり、Part 3に入る時に、約30秒の説明(Directions)があります。この時間に32〜34番の設問と選択肢をざっと読むようにしましょう。音声は、解答のヒントを待つつもりで聞きます。3問の解答が終わったら、設問が読み上げられている間に、次の会話の設問を読むといった具合で続けましょう。
先読みのポイントは「すべて訳そうとしないこと」。疑問詞+キーワード(名詞・動詞)だけを拾えばOKです。選択肢も同様にキーワードだけを拾います。
例)Where are the speakers? → Where / speakers(どこ / 話してる人)
TOEICには「どこにいる?」「職業は?」「次にすることは?」などといった、よく出る設問のパターンがあるので、普段の学習でこれらを把握しておくと、素早く設問が理解できるようになります。
分からなくても引きずらない力を付ける
リスニングの問題では音声を一度聞き逃すと、聞き返すことはできません。だからこそ、聞き取れなかった問題で迷うのはNG。重要なのは、気持ちの切り替えです。聞き逃したら潔く諦めて、適当にマークして次へ進む。これによってリスニング中に集中力をキープでき、結果的にスコアアップにつながります。
リーディングセクションの時間配分

次に、リーディングセクションの時間配分について解説します。
Part 5は緩急つけて
Part 5は文法・語彙に関する問題で、短文形式の30問構成。1問にかける時間は20秒程度が理想ですが、全ての問題を同じペースで解く必要はありません。例えば、「品詞」を問う問題なら、5秒で即答できるものもありますし、「語彙」や「接続詞」の問題は30〜60秒かかることもあります。
最初は順調に進んでいても、「じっくり考えたら分かるかも…」と悩んでしまうと、時間を使い過ぎてしまうかもしれません。体感で60秒以上かかる問題は一度飛ばして、最後に戻って解くのが有効です。問題によって、かける時間を調節する、メリハリのある解き方を意識しましょう!
Part 6は文法優先&文挿入は捨ててもOK
「長文穴埋め問題」のPart 6は、長文4つ×4問の計16問。Part 5同様にサッと解ける文法の問題もありますが、基本的には文脈を把握して解答する必要があります。ただし、意味を考え過ぎると時間がかかるため、まずは文法の問題を優先して、テンポよく解いていくのがおすすめです。
空所に入る文を選ぶ「文挿入問題」は、解答に時間がかかるので、適当にマークしても構いません。
Part 6全体にかける時間は約10〜12分が理想的。このパートが苦手な場合は、無理に粘らず、Part 7の長文読解でスコアを稼ぐ作戦も有効です。
時間切れを防ぐ!TOEICの解答速度をアップするための学習法

TOEICに限らず、英語を早く正確に読むためには、解いた問題&読んだ英文はそのままにせず、精読(単語や文法を理解してじっくり読むこと)や音読(英文を声に出して読むこと)をしっかり行いましょう。
また、初見で問題を解く時も、解き直す時も、パートごとに時間を区切るのが、効果的です。
例えば最初は「Part 5&6は30分、Part 7は45分」、同じ問題をもう一度解く際には「Part 5&6は20分、Part 7は55分」といったように、制限時間を決めておくことで、解答にかけられる時間の感覚をつかむことができます。
まとめ

TOEICでは「知識量」だけでなく「時間配分」が大きな差を生みます。すべての問題を解くのを目指すのではなく、戦略的に「解くべき問題」と「捨てる問題」を見極めることがスコアアップの近道。模試や問題集を使って、今日紹介した時間配分で問題を解いてみましょう。焦らず、取れる問題に集中する練習を繰り返せば、必ずスコアはついてきます。
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