TOEIC Part 5対策を徹底解説!頻出問題・時間配分・解き方のコツを紹介

TOEICのPart5、「たかが短文の穴埋め」と思っていて、撃沈した経験ありませんか? 「サクサク解けるだろう」と余裕で臨んだはずなのに、気づけばタイムアップ、Part 6とPart 7が「流し読みしながらの塗り絵タイム」に突入してしまった、なんて人もいるかもしれません(*「塗り絵」=適当にマークすること)。
でも大丈夫。この記事では、Part 5で「なんとなく」選択肢を選ぶのを卒業するための考え方、時間内にサクサク解くための工夫、そして、「これさえやれば大丈夫!」な超オススメ教材などを、お伝えしていきます。Part 5がちょっとでも「面白いかも」と思ってもらえたらうれしいです。

TOEIC Part 5とは? 概要と基本戦略

まずPart 5の基本的な情報を、以下の3つのポイントから解説します。

  • Part 5とはどんなセクション?
  • 時間配分:1問20秒の真意とは?
  • Part 5が難しいと感じる理由

Part 5とはどんなセクション?

TOEICのリーディングセクションは、Part 5(短文穴埋め30問)、Part 6(長文穴埋め16問)、Part 7(長文読解54問)で構成されています。
Part 5は「短文穴埋め問題」が30問。たかが短文の穴埋めと甘く見ると、痛い目を見てしまいます。主に文法と語彙の問題ですが、意外と奥が深いです。
なんとなく解いてしまうと、「この単語、見たことある気がするし…Bが続いてるから、そろそろAかな…」なんていう、“雰囲気解答”になってしまいます。Part 5攻略には、基本の文法と語彙の知識に加えて、文の構造を読み取る力、素早い判断力が必要です。

時間配分:1問20秒の真意とは?

Part 5の理想の時間配分は「1問20秒」。
「え、早過ぎじゃない!?」って思いますよね。でもTOEIC関連のプロの方たち、皆さん口をそろえて「1問20秒」とおっしゃいます(1問14秒と書かれている記事もあったりします)。

正直、このタイムトライアル、ものすごくハードルが高いと個人的には思ってました。「20秒」と聞くたびに「英語力というよりテクニックの勝負では?」とモヤモヤしてましたが、数年前にとあるTOEIC教授法コースを受講してから、考えが変わりました。

この20秒を超えてしまうと、リーディングの後半が「サバイバルモード」に突入してしまいます。もしPart 5で1問1分使っていたら、Part 7はなすすべもなく時間がただ流れることになるでしょう。
Part 7の長文読解は問題が54問あるので、リーディングセクション全体(100問)の半分以上を占めます。長文はどうしても時間がかかりますが、正解は問題文の中に必ず潜んでいて、時間さえかければ解けるはずです。Part 7に時間をたっぷり残すには……やはりPart 5をダッシュで駆け抜けることが秘訣となるのです。

Part 5が難しいと感じる理由

TOEICの出題者は、引っかけ選択肢を作るのが本当に上手です。選択肢のどれもが「正しそうに見える」のです。意味が似ている単語や、見た目の似た品詞が並んでいると、「どれでもいけそう…」という気分になります。「これだと簡単過ぎるから不正解の気がする…」なんて思うことも。でもここで感覚に頼ってしまうと、正答率が安定しません。必要なのは、英文法の基礎知識と冷静に文構造を把握する力です。

Part 5の問題形式と出題タイプ

Part 5の問題は大きく分けて「語彙問題」「品詞問題」「文法問題」に分かれます。ここからは例題を使って、それぞれの特徴や解き方を紹介します。

  • 語彙問題
  • 品詞問題
  • 文法問題

紹介する例題は、以下の記事から引用しています。

語彙問題:特徴と対策

同じ品詞で、意味は知っている。でも、どの文脈で使うかが分からない。そんな単語が選択肢にズラリ。それが語彙問題です。「意味」だけでなく「使われ方」まで聞いてくることもあり、ちょっと意地悪です。

例えば、
adequate / sufficient / enough

これらはいずれも「十分な」という意味ですが、「資格・能力などが要求を満たせる程度に十分な」(adequate)、「量が必要とされているだけあって、十分な」(sufficient)、「一般的な十分な」(enough)といった違いがあります。
そのため、それぞれの語の「使われ方」、文脈やコロケーション(語の相性)に注目する必要があります。単語は「単体で」覚えるのではなく、「使われる場面ごと」に覚えるのが正解!

また、TOEICの語彙問題では、問題文から連想しやすい単語が選択肢に入っていることがあります。さっそく例題を見てみましょう。

題1. The company’s new computers were all ------- by highly secure, anti-viral software.

(A) installed
(B) produced
(C) programmed
(D) protected

正解: (D) protected

和訳:会社の新しいコンピューターは全て、安全性の高いウイルス対策ソフトによって保護されていた。

この問題、TOEICらしい“引っかけ”が詰まっていて、しくじりやすいといえます。

独断と偏見で選ぶ!しくじりポイント3つ:
① 問題文にcomputersがあるので、つい(A) installed や(C) programmed を選びがち!
→ 文脈を無視して、「それっぽい単語」に飛びついてしまうパターン。これはまさにTOEICらしいワナです。
② be動詞+過去分詞 → 受動態に気づかない!
→コンピューターは、自らウイルスに立ち向かう勇者ではなく、「守られる」側。空欄の前にwereがあり、選択肢は動詞の過去・過去分詞なので、受動態を作ると予想できます。
③ "protectedの意味がピンとこない!
→ 「保護」という場合、会話ではsafe(安全な)やsecure(安全な)を使う方がなじみがあるので、protected by software(ソフトによって保護されている)という受け身の表現に違和感を持つ人も。

ポイント:選択肢は、どれもそれっぽい単語ばかり。本当に文に合うのはどれか?を見極めるには、意味だけでなく、単語の「使われ方」(文脈やコロケーション)を押さえるのがカギです。今後は、「この単語、どんなふうに使われるか」についても学習するクセをつけてみてください。

品詞問題:パターンと見分け方

副詞・形容詞・名詞・動詞は見た目が似ていても、文の中では役割はまったく違います。判断のカギは、空欄の前後を見ること。文の流れを読めば「ここの品詞は、これでしょ!」って見えてくるようになります。

例題2. After choosing Michael as team leader, the manager gave him a ------- overview of the project.
(A) comprehend
(B) comprehending
(C) comprehension
(D) comprehensive

正解: (D) comprehensive

和訳:マイケルをチームリーダーに選んでから、部長は彼にプロジェクトの包括的な概要を説明した。

この問題のように

  • comprehend(動詞)~を理解する
  • comprehending(現在分詞)~を理解して
  • comprehension(名詞)理解
  • comprehensive(形容詞)包括的な

選択肢の見た目が似ていて、品詞が違う問題(品詞問題)は、TOEIC Part 5で数多く出されます。
空欄の前後を見るとヒントがたくさんあります。この文では、

a(冠詞)+ ___ + overview(名詞)

となっているので、空欄に名詞(overview)を修飾する「形容詞」(comprehensive)を入れると、「包括的な概要」という意味になって、文脈に合います。なので、形容詞の(D) comprehensiveが正解です。

ポイント:選択肢を詳しく見る前に、文の構造を見て「空欄の品詞は何か?」と考えるクセをつけると、時間も節約できます!

文法問題:アプローチの仕方

関係詞や時制、仮定法などは、普段の会話ではあまり出番がないのに、TOEICでは登場頻度が高め。基本構文とセットで覚えるのがコツです。
解くときの視点も大切。文全体の構造を見て「どんな情報を加えようとしているのか?」と考えると、正解にたどり着きやすくなります。

解説を読むときは「出題者になったつもり」で読んでみてください。「ここで間違えてほしかったんですね~」「あ~、その選択肢は引っかけですか~」と、ちょっとした心理戦を楽しみながら取り組むと、TOEICがエンタメっぽくなってきます。

例題3. We reserve the right to raise the prices on all of our products ------- the cost of raw materials goes up.

(A) as if
(B) even though
(C) however
(D) whenever

正解: (D) whenever

和訳: 当社は、原料費が上昇したときはいつでも、自社の全商品の価格を引き上げる権利を有している。

この問題では、前半と後半をどうつなぐかがポイント。「どの接続詞・接続詞句を入れれば自然か?」を見極める問題です。

  • 前半:「当社は価格を上げる権利を持っている」
  • 後半:「原料費が上がる」

この二つの意味上の関係を考えると、空欄に入るのはwhenever(~するときはいつでも)一択になります。

その他の選択肢を見てみると:

  • as if:あたかも~であるかのように(仮定法に使われる接続詞) 意味的に×
  • even though:~にもかかわらず(逆接の接続詞) 意味的に×
  • however:しかしながら(文頭で使われる副詞) 文法的に×

ポイント:接続詞問題では、「意味のつながり」と「文法的なつながり」の両方を見ることが重要です。

おまけの一言:
「~にもかかわらず」なんて、日本語でもあんまり言いませんよね。英語でもカジュアルな会話ではButとAndでなんとか乗り切れる場面が多いですが、TOEICでは子どもっぽい語彙ではなく、ちゃんとした大人の接続詞が求められます。なので、今のうちに“カッコイイフレーズの貯金”をしておきましょう!

Part5対策のコツ・おすすめ勉強法

ここからは効果的なPart 5対策をご紹介します。

  • 文構造を見抜く力を鍛える
  • 時間を計って瞬発力をつけるトレーニング
  • 間違いノートで弱点を可視化
  • 音読でリスニングもスピーキングも、一気に伸ばす

文構造を見抜く力を鍛える

SVOCと聞くだけでアレルギー反応が出るかもしれません(私も昔、「Sってなんの略? スーパーのS?」って真顔で言ったことあります)。でも、英語って「語順のルール」をつかめば、文の構造が見えてきます。すると、Part 5の正解が「これしかないやん」と分かります。文法は、最初は地味だけど、後から効いてくる系の知識です。
「よし、やり直し英文法だ」と文法の参考書を1冊購入したことがある人もいるかもしれませんが、なかなか続かないんですよね。それなら、問題を解きながら、しっかり解説を読み倒す。正解したから解説はスルーではなく、なぜ他の選択肢がダメなのかを、しっかり理解することが大事です。

時間を計って瞬発力をつけるトレーニング

ストップウオッチ、アナログでもスマホでもOK。自分にプレッシャーをかけながら「1問20秒チャレンジ」をすると、Part 5がちょっとスポーツっぽくなって、盛り上がります。

間違いノートで弱点を可視化

間違えた問題は、「黒歴史ノート」に集めておきましょう。人は同じところで何度もつまずきます。「また品詞で間違えた」「この前もこの語彙で引っかかった」という傾向が見えてくると、自分の弱点がはっきりします。そしてそれに対して狙い撃ちの対策ができるようになるのです。何回も同じパターンでやられると、さすがに「またか」と学習します。後々「過去の自分よ、なぜここで迷った」とドヤ顔でツッコむためにも、黒歴史は未来の宝です。大切に保管しましょう。

音読でリスニングもスピーキングも、一気に伸ばす

英単語や英文に出会ったら、とりあえず音読(声に出して読むこと)してみましょう。モゴモゴでもOK。読めない単語は、聞いても分かりませんからね。「見て覚える派」も、「書いて覚える派」も、ぜひ「声に出す派」に仲間入りを!
音読を続けると、リズム、イントネーション、発音、リスニング力、とっさのスピーキング力…全部ついてきます。
しかも、声を出すと眠くなりにくいというオマケ付き。深夜の勉強タイムでも眠気撃退&寝落ち回避!

おすすめ教材3選:本気で伸ばすならこれ!

TOEIC対策にお勧めの教材を3つ紹介します。

  • 『TOEIC(R) L&Rテスト 文法・語彙・語法 あがる1000問』
  • 「Santaアルク」
  • 「公式TOEIC Listening & Reading 問題集」シリーズ

『TOEIC(R) L&Rテスト 文法・語彙・語法 あがる1000問』

Part 5に特化した最強筋トレ本。5173人のモニターから得たデータを分析し、厳選した1000問を収録。正答率に基づいて難易度順(易→難)に並べられているので、基礎から応用まで段階的に学習できます。
さらに、「電車通勤なので本を持ち歩くのは重くて無理」という人にも、言い逃れできない、アプリ「Santaアルク」と無料(本の料金に含まれます)で連携。私も実際アプリを使用してみました。最初は、「文字が小さい。老眼だから無理!」という言い訳を使いそうになりましたが、設定で文字の大きさも変えられることが判明しました。言い訳できないですね!
1日10問(最終的に目指したいのは1問20秒なので、10問チャレンジしても、たったの3分半。その後じっくり解説を読んでも、大した時間はかからないかと思います)。まずは3カ月だけでも、通学・通勤電車の中で「Part 5旋風」を巻き起こしましょう。

さらに、1000問全て、TOEIC対策のトップ講師である花田徹也先生とヒロ前田先生による解説動画が付属(本の代金に含まれます)。トータル60時間を超えてます。仰天のボリュームです。
この動画では、「不正解」を掘り下げたり、良い脱線をしたりと(周辺知識から理解が深まり、しっかりと記憶に定着させることができる)、内容が盛りだくさん。個人的にはヒロ前田先生の髪の色がどんどん変わっていくのがツボです。動画はリラックスした感じでお二人が話しているので、1人が一方的に解説しているものよりも、飽きずに見られます。笑いどころもあって、解説動画を観ながらクスっと笑いつつ、気づけば、「自分、意外とできるやん?」と思えるようになります。

「Santaアルク」

TOEIC対策アプリの中でも特におすすめなのが「 Santaアルク 」です。診断テストを受けると、AIが結果を分析し、弱点に合わせた問題をピンポイントで出題してくれる仕組みです。AIは感情がないから優しくも厳しくもない、ただ淡々と「あなた、これ苦手でしょ」と突きつけてくる。でもその正確さ、なぜかクセになります。
スマホ一つで気軽に学習できるので、スキマ時間に使いやすく、パーソナルトレーナー感覚で利用できます。

また、TOEICの予測スコアが出るので、「今の実力」を数値で確認できます。学習状況によって、上がったり下がったり、ドキドキしながら楽しめるので、モチベーション維持につながります。

毎日コツコツ学習を続けられる人は少数派。だからこそ、AIやアプリを味方にして継続しやすくする工夫が大切です。

「公式TOEIC Listening & Reading 問題集」シリーズ

知識を詰め込んだら、あとはアウトプット。TOEIC公式問題集などの模試形式のものを使い、本番と同様に解く練習をしましょう。
Part 5を「1問20秒」で解く感覚を、模試の中でしっかり体に覚え込ませながら、チャレンジしてください。タイマーを使って通しで解くと、集中力も試されます。
おすすめは、本番前に2~3回は通しで模試に挑戦すること。間違えた問題の分析までしっかりやれば、次第に「これはもう間違えないな」という手応えが出てきます。
本番形式に慣れると、模試を解き終わったときに、「あれ、TOEICちょっと慣れてきた?」と錯覚(からの自信)が生まれます。その錯覚、大事ですよ!

まとめ

Part5、最初は難しくて当たり前。でも向き合えば向き合うほど、見えてくる世界があります。問題を解くスピード感に慣れて、語彙・文法の基本を押さえれば、「穴埋めクイズ」から「立派な得点源」のパートに変わります。今日は撃沈しても、明日は勝てるかもしれない。ライバルは、昨日の自分自身です。無理なく継続できる学習法と、自分に合った教材を使って、「Part5は超得意」と言える日を目指しましょう。すでにモチベーションは最高潮に達していると思います。あとは行動するだけ。まずは1問、スマホでも紙でもいいので、今この瞬間からTOEIC筋トレ、始めましょう!この記事をここまで読んでしまったあなたなら、すでに「学習スイッチ」入ってます。あとは、手を動かすだけ!

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