イディオムは、日常生活の中で鮮やかに感情や状況を表現します。この連載では、そうした表現が「どんな意味で」「どんな場面で」使われるのかを、英語学習者の視点で整理していきます。今回取り上げる表現は「open a can of worms」です。
ミミズの缶を開ける⁉open a can of wormsの本当の意味は?
「open a can of worms」というフレーズは、文字通りには「ミミズの入った缶を開ける」という意味です。しかし、イディオムとしては「厄介な問題を引き起こす」、「複雑な問題に手を付ける」という意味で使われます。一つの話題や問題に触れた結果、次々と別の問題が出てきて、収拾がつきにくくなる状況を表します。
この表現は、釣り餌として使われる「ミミズが入った缶」(can of worms)のイメージに由来するとされています。缶の中で絡み合ったミミズが、ふたを開けるとはい出して扱いにくくなるように、一度手を付けると、さまざまな問題が次々と出てきて、収拾がつきにくくなる状況表す表現です。英英辞書のMerriam-Websterでは、can of wormsのこの意味での初出を1962年としています。
can of wormsは、be a can of worms(厄介な問題になる)の形でも使われます。また、a whole new can of wormsと言えば、「新たな問題や厄介事が出てくること」という意味です。
open a can of wormsが使われる場面
open a can of wormsは、話し合いや調査、制度変更などを始めることで、予想以上に多くの問題が明らかになりそうな場面で使われます。仕事上の判断から家族や友人との会話まで、幅広い状況で用いられる表現です。
しばしば「その話題には触れない方がよい」「始めると面倒になる」という警告や、ためらいを表す文脈で使われます。
例文紹介
では、open a can of wormsの用例を見てみましょう。
Asking about the missing money opened a can of worms.
なくなったお金について尋ねたことで、厄介な問題が次々と明らかになった。
Changing the rule could open a can of worms.
その規則を変えると、厄介な問題が次々に起こりかねない。
wormを使った他の表現
英語には、worm(ミミズ、細長い虫)を使った表現がほかにもあります。小さく細長い生き物のイメージが、さまざまな意味につながっています。
the early bird catches the worm(早起きは三文の徳、早く行動する人が有利になる)
早く起きた鳥がミミズを捕まえられるというイメージから、チャンスをつかむには、人より早く行動することが大切だと伝えることわざです。worm one’s way into ...(巧みに取り入って~に入り込む)
ミミズが狭い所を進むように、時間をかけて巧みにある場所や集団、地位などへ入り込むことを表します。このwormは「はって進む」という意味の動詞です。the worm turns(おとなしい人もついには反抗する)
長く耐えていた弱い立場の人が、ついに反撃に出ることを表す、やや古風な言い回しです。
まとめ
open a can of wormsは、「厄介な問題を引き起こす」「複雑な問題に手を付ける」という意味で使われる表現です。一つのことを始めたために、多くの別の問題が次々と出てくるイメージを持っています。会話では、問題を広げたくないという警戒やためらいを示すときによく使われます。
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