日々の生活の中でしばしば使われるイディオムは、私たちの日常や感情を色鮮やかに描き出します。この連載では、そうした表現が「どんな意味で」「どんな場面で」使われるのかを、英語学習者の視点で整理していきます。今回は「the last straw」という表現を取り上げます。
the last strawの本当の意味は?
日本語には「わらにもすがる」という表現があるので、「最後の望み」のような意味だと考えた人も多いかもしれません。ところが英語の「the last straw」というイディオムはちょっと違います。直訳は「最後の(1本の)わら」ですが、比喩的には「我慢の限界に達する出来事」や、「我慢が限界を超える、小さいが決定的な出来事」を指します。
このイディオムは、「最後の1本のわらがラクダの背を折る(the last straw that broke the camel’s back)」という表現に由来しています。ラクダが重荷を背負っている状況で、小さな1本のわらが荷物に加わったら、背負える重さが限界となり、ついに背中が折れてしまう様子を表しています。
the last strawが使われる場面
the last strawはそれまで不満や負担を我慢してきた人が、ある出来事をきっかけに「もう限界だ」と感じた場合に使われます。その出来事自体は小さくても、それまでの積み重ねによって決定打となり、関係を断つ、やめるなどの行動を起こすきっかけになるというわけです。
例文紹介
では、the last strawの用例を見てみましょう。
The constant delays were frustrating, but the last straw was when they lost my order.
度重なる遅れにいらいらしていたが、彼らが私の注文をなくした(彼らに私の注文が伝わっていなかった)ことで、我慢の限界に達した。For her, the last straw came when she received yet another unreasonable demand from her boss.
上司からまたもや理不尽な要求をされた時、彼女はもう我慢できなかった。
「わら」が象徴するもの
英語で「straw(わら)」は、軽くて弱く、どこにでもある、取るに足りないものの象徴として使われます。1本のわらは簡単に折れ、風にも流されてしまうほど頼りない存在だからです。ここからは、そんなstrawを比喩として使った表現を紹介します。not worth a straw(1本のわらほどの価値もない、まったく価値がない)
英語ではわらが取るに足りないものと見なされるので、ここでも価値のなさを強調する例えとして使われています。straw in the wind(風向きを示すもの)
風に舞うわらの動きから風向きを知ることができるように、このフレーズは今後の変化が読み取れる、小さな手がかりを表します。わらの軽さと、わずかな力で動く性質がもとになった表現です。straw vote(非公式の投票)
正式な決定ではなく、意見の傾向を知るために行う非公式な投票を指します。重みのある決定ではなく、あくまで参考程度の軽いものという意味合いが、わらの持つ軽さのイメージに重なっています。
まとめ
1本のわらはごく軽くて弱々しいものに過ぎませんが、「the last straw」は耐え難い状況が積み重なって、ついに限界を超えた、という強い表現です。怒りや不満が積み重なった末の「決定打」を表す表現として、日常会話でもよく使われます。
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