【ちょっと気になる英単語】gigilって?

ちょっと気になる英単語を毎回ピックアップしてお届けします。今回取り上げるのは「gigil」。それって英語なんでしょうか?

辞書にどんどん追加される英単語

英語のニュースを見ていると、日々知らない言葉が増えていくように感じませんか? いくら勉強して語彙を増やしても、次の日にはまた見たことのない単語に出くわす。英語学習者が乗り越えなければならない壁ですね。

さて、この連載では、どこかで目にして「なんだか気になるなあ」と感じた単語を毎回紹介していきます。今回が第1回目です。ニュースで話題のトランプ関税などに触れるかと思いきや、意表を突いてまったく別の単語を取り上げたいと思います。

gigil

最初に見たとき、英語には見えませんでした。実際、それもそのはず。これはフィリピンのタガログ語なんだそうです。「おいおい、なんで英語以外を取り上げるのさ?」とツッコミたくなるかもしれませんが、ちょっと待ってください。実はこの単語、この春晴れてOxford English Dictionaryに掲載されたのです。というわけで、れっきとした英語(!)です。

意味はというと、

It’s “a feeling so intense that it gives us the irresistible urge to tightly clench our hands, grit our teeth, and pinch or squeeze whomever or whatever it is we find so adorable, whether it be a chubby-cheeked baby or a fluffy little kitten.”

それは、手をぎゅっと握り締めたり、歯を食いしばったり、かわいくてたまらない相手――ぷくぷくほっぺの赤ちゃんでも、ふわふわの子猫でも――を思わずつねったり抱き締めたりしたくなるほどの、強烈な感情です。

出典:Overwhelmed to see something unbearably cute? There’s a word for that, New York Post

だそうです。かわい過ぎてモシャモシャしたい!そんな気持ちですね。

「言葉にならない気持ち」を表現できた時点で、それはもう“言葉にならない”とは言えないかもしれません。「うわーっ」だけでは伝えきれない感情を、ちゃんと伝えられる。こういう言葉、いいですよね。

ちなみにこの「gigil」、発音は「ギーギル」のような感じだそうです。名詞としても、形容詞的にも使えるのだとか。

It can be deployed as a noun denoting the feeling or as an adjective for experiencing the feeling, such as: “That puppy is making me gigil.”

それは名詞として「その感情自体」を表すときにも、形容詞として「その感情を感じている状態」を表すときにも使われます。例えば:“That puppy is making me gigil.”(あの子犬、かわいすぎてギギルが止まらない)

出典:Gigil: word for ‘cute aggression’ among new Oxford English Dictionary entries, The Guardian

最後に、いくつか例文を紹介しておきます。

I felt a sudden gigil when I saw my niece's chubby cheeks.
(めいっ子のぷっくりしたほっぺを見た瞬間、思わずギギルを感じた)

That puppy is making me gigil—I just want to squeeze it!
(あの子犬、かわい過ぎてギギルが止まらない!もう抱き締めたくてたまらない)

さて、日本語に訳すとしたらどんな言葉がぴったりくるのでしょうか? そこはぜひ、読者の皆さんにお任せしたいと思います。

ENGLISH JOURNAL編集部
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