「わらにもすがる」という言い回しは、せっぱつまったときには、頼りにならないものでも頼りにしてしまうことの例えとして、絶望的な状況下で最後の手段を探すときに使われます。この慣用句を英語でどう表現すべきでしょうか。いくつかの表現とその例文を紹介します。
目次
「わらにもすがる」は英語で?
日本語で「わらにもすがる」とは、危急のときには、普段なら取り合わないような頼りないものにでさえ、助けを求めてしまうという意味ですが、実は英語にも「わらにもすがる」のほぼ直訳となるgrasp at strawsという表現があります。
catch at straws
英語にはcatch at strawsという表現を用いた以下の有名なことわざがあります。
A drowning man will catch at straws.
溺れる者はわらをもつかむ。
動詞のcatchは、grasp、clutch、grab、snatchなどにも言い換え可能です。grasping at strawsという表現は例えば、何かを失った後で、最後の手段や希望を追い求める状況で使うことができます。
After failing all his job interviews, he started grasping at straws and applied for any position he could find.
全ての仕事面接に失敗した後、彼はわらにすがりつつ、見つけられるどんな職にも応募し始めた。
desperate times call for desperate measures
desperate times call for desperate measuresは、「絶望的な状況では、苦し紛れの策でも必要だ」という意味を持っています。わらにもすがる状況では、極端な行動や決断が必要であることを示しています。
When he couldn’t find a job for months, he decided to start his own business. Desperate times call for desperate measures?
何カ月も仕事が見つからない状況で、彼は起業する決断を下した。わらにもすがる状況では苦し紛れの策でも必要だ。
「わらにもすがる」に近い状況で使用できるその他の表現
「わらにもすがる」に似たニュアンスを持つ他の英語表現を紹介します。
last-ditch effort
last-ditch effortは、「最後の手段」という意味で、土壇場の絶望的な状況で最後の努力や試みを指します。last-ditchは形容詞で、「瀬戸際の」「土壇場の」といった意味です。
In a last-ditch effort to save the company, they decided to reduce expenses drastically.
会社を救う最後の手段として、彼らは費用を大幅に削減することにした。
Hail Mary pass
最後に変わり種。Hail Mary passという、アメリカンフットボールで使用される言い回しを紹介します。Hail Mary passとは、負けているチームが試合終了間際に、タッチダウンによる最後の逆転を企図して行う、一か八かの神頼み的ロングパスのことを指します。Hail Maryとは直訳すると「聖母マリアが降ってくる」という意味。成功率は3%以下と言われているので、まさに「わらにもすがる」ようなプレーですね。
With only seconds left on the clock and trailing by a touchdown, the team attempted a Hail Mary pass.
1トライ差を追いかける残りわずか秒数の状況で、チームはへイルメリーパスを試みた。
まとめ
この記事で紹介したように、「藁にもすがる」という表現はさまざまな英語で伝えることができます。絶望的な状況や最後の手段を表現する際に、ぜひこれらのフレーズを使ってましょう。
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