9月の第3月曜日は敬老の日。今年は18日(月)が敬老の日に当たります。さまざまな面で経験豊富なシニアの「日常」を英語で覗いてみませんか?
「敬老の日」の発祥・由来は?
敬老の日は国民の祝日の一つ。「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、その長寿を祝う」趣旨で1966年に定められました。以前は9月15日でしたが、法改正により2003年からは9月の第3月曜日に変更されました。
「敬老の日」は英語でなんて言う?
敬老の日は英語でRespect-for-the-Aged Dayと言います。
the agedは「お年寄りの人たち、高齢者たち」という意味。直訳すると「高齢者たちを敬う日」となります。senior citizen(高齢者)という表現を使って、Respect-for-Senior-Citizens Dayという言い方にもできます。
シニアの日常を英語で覗いてみる
アルクから好評発売中の『シニアの「日常」英語学習帳』では、「お金」「健康」「住居」「旅行」「家族」「終活」など、身近なテーマ12個を取り扱っています。例文は、シニア向けの膨大なアンケートの回答を基にしているので「本音」の英文ばかり。気楽に学べてすぐに使うことができます。
この記事では、その中からシニアの日常が感じられる表現をテーマごとにご紹介します。ちょっとうらやましくなったり切なくなったり・・・悲喜こもごものリアルなシニア英語を見てみましょう!
お金
I have enough savings.
十分な貯金があります。
savings(貯金、預金、蓄え)は動詞のsave([金など]を蓄える)から派生した語で、必ず複数形で使うことに注意。単数形のsavingは「節約、倹約」という意味になります。
My pension is not enough.
年金が十分ではありません。
pensionは「年金」。日本語の「ペンション」はフランス語のpensionに由来する言葉で、もともとは「(賄いつきの)下宿」を表します。
I want to leave money to my family.
家族にお金を残したいです。
leave A to Bで「A(財産など)をB(人など)に残す、遺贈する」を表します。leave money to a charityなら、「お金を慈善団体に遺贈する」。
仕事
I work to stay healthy.
健康でいるために働いています。
to以下は「to不定詞の副詞的用法」と呼ばれるもので、「~するために」を表します。「生活費を稼ぐために」なら、to earn a livingとなります。健康や生活費のために、定年後も働く人は多いようです。
I started my own business at the age of 55.
55歳で起業しました。
at the age of ~は「~歳で」。start one’s own businessは「自分のビジネスを始める」の原意から転じて、「起業する」という意味になります。定年前に、それまでの経験を生かして独立する人もいるようです。
I was a workaholic.
仕事中毒でした。
workaholic(仕事中毒の人)は、alcoholic(アルコール中毒者)からもじられた言葉。現役中に仕事に忙殺されて、定年後に何をしたらいいか困る人もいるようです。
健康
I should have exercised more.
もっと運動をするべきでした。
exerciseは「運動をする」。バランスのとれた食事(balanced diet)と適度な運動(moderate exercise)が病気の予防には大切ですね。
I eat moderately.
腹八分目にしています。
moderatelyは「適度に、節度を守って」という意味。直訳の「適度に食べる」から転じて、「腹八分目にしている」となります。
I am worried about dementia.
認知症が心配です。
be worried about ~は「~を心配している」という状態を表します。dementia は「認知症」を指す医学用語で、「ディメンシャ(発音記号は/diménʃə/)」のように発音します。「物忘れ」はmemory lossなどを使います。
住居
My house needs renovation.
自宅はリフォームが必要です。
主語がmy houseと3人称単数なので、動詞にはsをつけます。日本語で「改装、修復」を指す「リフォーム(reform)」は、英語では「(制度などの)改革、改善」を指すので使えません。正しくはrenovationです。
I want to move to the countryside.
田舎に引っ越したいです。
「田舎」はcountryで表すこともできますが、countrysideとすると美しさや穏やかさが含意されます。老後は静かな環境で暮らしたいという人も多いようです。
趣味
I am trying new things.
新しいことに挑戦しています。
I try new things.のように現在形にすると「(習慣的に)新しいことに挑戦する」ことを表しますが、現在進行形では「(退職などで時間ができて)今まさに挑戦しているところだ」といったニュアンスになります。
I want to start farming.
農業を始めたいです。
agricultureも「農業」を表しますが、farmingは「農作業」を連想させる語です。自給自足までとはいかないものの、自宅菜園や市民菜園などで季節の野菜の収穫を楽しんでいる人も多いようですね。
旅行
I want to ride a luxury train.
豪華列車に乗りたいです。
「ななつ星」(JR九州)、「四季島」(JR東日本)、「瑞風(みずかぜ)」(JR西日本)などの豪華列車(luxury train)は予約が取りにくいようですね。
I want to study abroad for a short time.
短期留学したいです。
study abroadは「外国で学ぶ」の直訳から「留学する」を表します。語学学習と旅行を兼ねた短期留学はシニア層に人気で、各旅行会社もいろいろなプランを用意しています。
介護
My mother cares for my father.
母が父の介護をしています。
care for ~は「~の世話をする、面倒を見る」という意味で、take care of ~も同じように用いられます。
My wife is recovering from illness.
妻は病気から回復しつつあります。
recover from ~は「(病気など)から回復する」。sicknessもillnessと同じく「病気」を表しますが、通例illnessよりも軽い病気について用いられます。
I will attend a seminar on dementia.
認知症に関するセミナーに参加するつもりです。
seminar on ~で「~に関するセミナー」を表します。介護については、数多くのセミナーが開催されています。有益な情報がきっと得られるはずです。
終活
I want my ashes scattered in the ocean.
海に散骨してほしいです。
want ~ done(過去分詞)で「~が…されることを望む」を表します。ここでは「~」がmy ashes(遺骨、遺灰)、過去分詞がscattered(まき散らされる)で、「遺骨がまき散らされることを望む」→「散骨してほしい」となります。
I have started making an end-of-life plan.
終活を始めています。
end-of-life(人生の終わりの)+plan(計画)=「終活」となります。この言葉が「新語・流行語大賞」のトップ10に入ったのは2012年ですが、今ではすっかり定着しましたね。start doingは「~し始める」、make a planは「計画を立てる」。
I want to enjoy the rest of my life.
残りの人生を楽しみたいです。
the rest of ~で「残りの~」を表します。the rest of one’s lifeなら「残りの人生、余生」となります。1度だけの人生。後悔のないよう、楽しみましょう!
大人・シニアの「やり直し英語」にピッタリ!
『シニアの「日常」英語学習帳』では、1日5つの英文を、Step 1(例文を「読む」「聞く」)⇒Step 2(例文の空所部を「書く」)⇒Step 3(例文を「音読する」)の3つのステップを踏んで学びます。ステップを踏んで学ぶことで、例文を「覚える」だけでなく、「話せる」ようになっていきます。
文法事項は本当に必要なものに限定。180の例文で、5つの時制と2つの表現のみ使用。本当に必要な英語を身に付けることができます!
※この記事は、『シニアの「日常」英語学習帳』から一部編集部・抜粋してお届けしています。
トップ画像: Christian Bowen from Unsplash
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