誰でもやり直せる、40代、50代のための英語学習ガイド

英語学習をやり直したいと思ったことはありませんか?その中でも特に、40代や50代になってから英語を学び直すことには、様々な課題が伴います。しかし、決して無理なことではありません。自分に合った学習法を見つけ、適切な戦略を立てることで、英語力は確実に上達します。

40代、50代、英語をやり直すのは難しくない?

生涯学習が叫ばれる現代、英語を学び直すことは、新たな人生の可能性を広げる一歩となり得ます。

そうは言っても、40代、50代になると、若い頃とは異なる状況や課題が立ちはだかります。それは忙しい日々の中で学習時間を確保することだったり、長いブランクによる自信の喪失だったりとさまざまです。

しかし、そんな中でも再学習に成功するためのコツやポイントがあります。そのポイントを踏まえながら、まずは自分が目指すべき英語力について考えてみましょう。

年齢を理解し、脳の力を最大限に活用

既知の情報と経験を関連付けて覚える

年齢と共に脳の働きは変化しますが、これは決してネガティブなことだけではありません。40代、50代になると、若い頃に比べて新しい情報を記憶するスピードは遅くなるかもしれません。しかし、経験と知識を活用する能力は向上します。これを学習に生かすことが重要です

新しい語彙を覚える際には、既に知っている情報や経験と関連付けることが有効です。例えば、新しい単語を覚えるときには、その単語が使われる具体的なシチュエーションを想像したり、それを自分の経験と関連付けたりするとよいでしょう。

また、後述しますが、繰り返し学習は脳に新しい情報を記憶させるのに非常に有効です。特に「スペースドリピティション(spaced repetition)」という学習法は、情報を長期記憶に定着させるのに役立ちます。これは、学習した内容を一定の間隔で復習する方法で、40代、50代の学習者にとって非常に有益です。

40代、50代で英語学習を再開することは、自身の脳の特性を理解し、それに合わせた学習法を探す絶好の機会です。年齢を理解し、それを生かした学習方法を選択することで、効果的に英語力を向上させることができます。

理想の目標を設定しよう

英語学習の目的を明確にし効率を上げる

40代、50代で英語学習に再挑戦する際、具体的な目標を設定することが重要です。しかし、「流暢に話すこと」だけを目指すのではなく、あなた自身のニーズに合った英語力を目指すべきです。

例えば、旅行で基本的なコミュニケーションを取りたい、ビジネスでプレゼンテーションを行いたい、海外のニュースや映画を理解したいなど、目的は人それぞれです。

これらの目的に合わせて、リスニング、スピーキング、リーディング、ライティングの各スキルのどの部分を重点的に強化すべきかを見極めます。例えば、映画を理解したい場合はリスニングとリーディングの強化が必要になるでしょう。具体的な目標を設定することで、学習がより実践的なものになり、モチベーションも維持しやすくなります

自分に合った方法を発見しよう

昔の勉強と同じでなくていい

年齢とともに変化する注意力や記憶力に適した、効果的な学習方法を選ぶことが重要です。例えば次のように多様な選択肢があります。

  • インタラクティブなアプリを使ってゲーム感覚で学ぶ
  • 映画やドラマ、ポッドキャストなど映像や音声メディアを活用する
  • 専門のチューターやクラスを通じて直接学ぶ

また、日常生活の中で英語を使う機会を作ることで、楽しく実用的に学ぶことも可能です。

英語学習を楽しみに変える

他者との比較をやめよう

学習は楽しみながら進めることが最良です。進歩を他人と比較するのではなく、自分自身との競争を楽しむことが大切です。

学習目標を設定し、それを達成したときに満足を感じることが、長期的な学習を継続するモチベーションにつながります。また、興味が持てる学習内容を見つけることも、学習を楽しむ重要な要素です。

学習を生活の一部にしよう

手軽にできる活動から取り入れよう

学習の習慣化は、40代、50代で英語学習を再開する際の重要な要素です。始めは小さな目標を設定し、それを達成することで自信を付けていきましょう。例えば、1日10分の英語リスニング、週に1回の英会話レッスンなど、手軽に始められる活動からスタートすることがおすすめです。

また、学習の習慣化を助けるためには、固定の学習時間を設けることも有効です。朝食を取る前の15分や、寝る前の30分など、日常生活の中で定められた時間を学習に割くことが推奨されます。

さらに、学習の進捗を記録することも習慣化に役立ちます。毎日の学習内容や達成した目標を記録することで、自分自身の進捗が視覚化され、モチベーションの維持につながります。

学習は、自分自身のペースで進めることが重要です。習慣は一晩で形成されるものではなく、一歩一歩、地道に続けることにより定着します。その過程で自分自身を追い込みすぎず、学習を楽しむ心持ちを忘れないようにしましょう。

一日の隙間時間で英語学習を進めよう

デジタルデバイスなども活用する

忙しい日々の中でも、学習時間を見つける方法はあります。いわゆる「隙間時間」を活用することで、1日の中に学習の機会を見つけ出すことが可能です。例えば通勤途中、休憩時間、料理をしながらなど、意外と使える時間が、あちこちにあるはずです。自分に合った、学習を取り入れやすい時間帯を見つけましょう

それが毎日15分でも、1週間に数時間でも構いません。定められた時間を英語学習に充てることで、習慣として定着させることができます。

また、スマートフォンやタブレットなどデジタルデバイスを活用すれば、今の時代はどこでも簡単に英語に触れることができます。手軽に使えるものを、毎日の隙間時間学習に取り入れることで、学習が日常生活の一部となり、継続が容易になります。

リスニングとスピーキングを強化

会話に触れる自分なりの方法を見つける

英語学習の目的がコミュニケーション能力の向上であるならば、リスニングとスピーキングのスキルは不可欠です。

これらの能力を強化するには、日常的に英語の音声に触れることが有効です。例えば、英語のポッドキャストを聴く、映画やドラマを視聴する、英語を話す友人との会話を楽しむなどがあります。

また、オンライン英会話を受講するなどの方法も、実際の会話を通じてスキルを磨く素晴らしい機会です。

継続と繰り返しで記憶を鍛える

「少しずつ確実に」がカギ

新たな情報を覚え続け、それを維持するためには、定期的な復習と継続的な学習が重要です。

新しい語彙や文法規則を習得したら、それを定期的に見直し、復習を行うことで、情報が長期記憶に定着します。また、英語学習は一度に大量の情報を詰め込むのではなく、少しずつ継続的に学ぶことで、最も効果的な結果を得られます。

まとめ

40代、50代での英語学習の再挑戦は、新たな経験と知識を得るだけでなく、人生を豊かにする絶好の機会です

適切な学習方法を選び、コミュニケーションスキルを強化し、学習を継続することで、英語力は必ず向上します。これらのポイントを念頭に置き、新たな学習の旅を始めてください。

ENGLISH JOURNAL編集部
構成:山本高裕

東京都立高等学校の英語教師を9年務めた後、2000年にアルク入社。子供から大人までを対象とした英語教材や雑誌・書籍などの制作に携わる。通信講座の編集担当を10年、月刊『ENGLISH JOURNAL』最後の編集長。

トップ写真:Anna Demianenko, Becca Tapert from Unsplash 本文写真:Eutah Mizushima from Unsplash

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