英語を学ぶ理由は人それぞれですが、やっぱりネイティブみたいにペラペラ話す姿には憧れますよね。英語やり直しにゼロから挑戦する方も、「TOEICのスコアは伸びたけど会話が苦手」という方も、読んで損なしの1冊を紹介します!
人気YouTuberが英会話習得のコツを語る!
今回紹介する本は、『バカでも英語がペラペラ!超★勉強法 「偏差値38」からの英会話上達メソッド』。なかなかパンチが効いたタイトルです。著者は、人気英語YouTuberのタロサックさん。チャンネル登録者数はなんと69万人超え。英語が苦手な人でも楽しめ、見るだけで異文化体験ができる動画を配信しています。
今でこそ、帰国子女かと思われるほど、ネイティブとペラペラ話しているタロサックさんですが、もともと英語は大の苦手。大学受験時の英語の偏差値は38で、be動詞さえよく分かっていなかったといいます。
一念発起して始まった浪人生活では、朝9時から夜10時までひたすら勉強。中学レベルから英語をやり直し、翌年は見事、外国語大学に合格しました。その後も実践的な英語トレーニングを続け、すっかり流ちょうに。
現在は、幼い頃からの夢であった海外生活を実現し、オーストラリアのシドニーで生活しています。
本書は、大学受験の時点で英語力がゼロに近かったタロサックさんが、独自のマインドセットとトレーニング法で英会話力を習得した集大成ともいえる本。どんなに英語が苦手な人でも、すぐに始められ、効率よく英語をマスターする秘訣(ひけつ)が詰まっています。
成功のコツは「インプット3割:アウトプット7割」
本書では、とにかくアウトプットの大切さを強調しています。中学レベルの単語や文法を身に付けたら、あとは徹底的にアウトプット。なんと、インプット3割に対し、アウトプットは7割だそうです。初級レベルの人にも「とにかく今日からすぐにできること、相手がいなくても一方通行でもできることから始めてみましょう」と、アウトプットを勧めています。
言われてみれば、できることはたくさんあります。まずは、「1人同時通訳」。目にしたもの、思ったことをとにかく英語で口に出して言ってみます。英文にできないときは単語だけでもいいとか。英語で日記を書くのもおすすめです。
続いては、SNSの活用。SNSを使って英語で発信するのです。海外のスターやインフルエンサーなど、自分が気になる人をフォローするのもいいそう。海外の人とやりとりするようになれば、自然と発信する機会も増えますね。何より楽しそう!
歌詞を見ながら洋楽を歌うという方法も。これなら、英語の歌を楽しみながら、発音やイントネーション、単語のつなぎ方(リエゾン)も学べます。ものまねするつもりで、シンガーになりきって歌うのがコツ。
そして、やっぱりおすすめなのが、オンライン英会話。初級レベルでは、「英会話に慣れる場」として、スモールトークや会話のテンプレを使いこなしたり、英語日記やSNSでの発信を添削してもらったりするといいそうです。漠然とオンライン英会話を始めるより、しっかり目的を決めておいた方が効果が出そうですね。
こうしてみると、初級レベルでも挑戦できるアウトプットはずいぶんあるものです。
読むだけでも英語トレーニングになる
本書のもう一つの特徴は、「読むだけでも英語トレーニングになる」ということ。基本的に日本語で書かれているのですが、見出しやポイントとなるマインドセットには英語が添えられているのです。例えば、先ほど紹介した、初心者向けのアウトプット練習法を解説したコーナーではこんな感じです。
初級編
for elementary level「1人同時通訳」でアウトプット
easy output through "self interpretation"英語で日記を書く
write a diary in EnglishSNSで発信する
use social media洋楽を歌詞を見ながら歌う
sing Western music while looking at the lyrics
また、コミュニケーション力を養うための章では、次のような文が太字になっています。
相手に楽しんでもらおう(Let them have fun!)
相手の話を聞くこと(Listen to them.)
I would like to know more about you.(あなたのことをもっと知りたい)
いかがでしょう?
これなら、本を読み進めるうちに自然に英語に触れることができますね。大事なことほど、日本語だけでなく英語でも覚えておけば、あとあとアウトプットに使えます。こんなところにも、タロサックさんの経験が生かされている感じがします。
何事も準備と練習が大切
タロサックさんの動画を見ていると「英語が苦手だったとしても、この人はもともとコミュニケーション能力が高かったんだろうな」と思ってしまいますが、それは長年のトレーニングの結果。本書を読むと、綿密な準備と練習を繰り返すことによって培われたものであることが分かります。
使える会話のテンプレを準備し、すらすら口から出てくるまで練習する。初対面の人とも盛り上がるためのマインドセットを準備し、実践する。この繰り返しが、今のタロサックさんをつくりあげたのでしょう。
言い換えれば、私たちは誰でも、今からタロサックさんのように英語ペラペラになれる可能性があるということ。まずは本書を手に取り、とにかくアウトプットすることから始めてみませんか?
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