中学レベルのカンタン構文でOK!ほめると英語力がぐんぐん上がる!ほめ方&返し方を動画で紹介【ほめ英語入門】

英語講師の松田佳奈さんが、「英語でほめる」ことで英語力をアップさせる秘訣をお届けする本連載。第2回は、書籍『ほめ英語入門』の中から、英語でほめるときによく使う基本の「ほめ構文」を紹介します。中学レベルのシンプルな構文なので、誰でも読んですぐ実践できますよ!

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「ほめ英語」で人生が変わったという松田佳奈さんのインタビューはこちらからご覧いただけます。

語句を差し替えるだけでオリジナル「ほめ英文」の完成!

皆さん、こんにちは。英語講師の松田佳奈です。前回は「ほめ英語」の魅力についてお話しさせていただきました。今回は、実際に英語でほめたいときの基礎となる構文、つまり「ほめ構文」を3つピックアップしてご紹介します。

英語に自信がない人にとって、単語ではなく文章で話すことはハードルが高いと感じるかもしれません。でも、「ほめ構文」はどれも中学レベルの文法なので、英語初級者でも英語が苦手でも大丈夫です!語句を差し替えるだけで、オリジナルの「ほめ英文」を作ることができます。

書籍『ほめ英語入門』の紙面では、構文とその日本語訳、使い方のポイントを、例文と共に解説しています。

この記事では、例文の発音や実際の会話の様子が分かる動画も用意しました。ぜひご覧いただき、練習に役立ててくださいね。ほめ英文を口にするうちに、英語の基本的な語順や自然な表現が感覚的に身に付きますし、ポジティブな気分になれるので、英語を学ぶことがますます楽しくなること間違いなしです。

それでは、早速始めましょう! Let’s get started!

ほめ構文1

I like your ○○.
I love your ○○.
(あなたの○○、いいですね/とてもすてきですね)

○○の部分にほめたいものを表す語を入れるだけでOKです。「とってもすてき!」と大げさにほめたいときはloveを使いましょう。

ポイントは、likeやloveと、○○に入る名詞を強調すること。英語では文の中で最も伝えたい情報を強調します。声を大きくする、声の高さを変える、ゆっくり言うなどの方法で、文に強弱を付けてくださいね。

それでは、会話例を動画でチェックしてみましょう。4種類の例をご紹介します。

いかがでしたか? それぞれの会を順に振り返っていきます。

【会話例①】
David: I like your new hairstyle.
(新しい髪型、いいですね)
Kana: Thanks. I wanted to try it shorter.
(ありがとう。ちょっと短めにしたかったの)

ほめられた時の返しは、笑顔で Thank you! だけでももちろん十分ですが、I wanted to try it shorter. のようにちょっとした文を足すと、会話が弾むきっかけになります。

Thanks. I tried the new hair salon.(新しい美容院に行ってみたの)など、慣れてきたらいろいろエピソードを付け加えるのもいいですね。

【会話例②】
Kana: I love your smile.
(笑顔がとてもすてきですね)
David: You make it possible.
(君が笑顔にさせてくれるおかげだよ)

likeの代わりにloveを使うことで、「すごく好き!」な感じが出ます。また、言われた後のYou make it possible.という返し方は、とっても英語的だなあと思います。

使役動詞のmakeを使った「あなたがこれを可能にしてくれた」という言い方は、この後の「ほめ構文3」でも出てきます。使いこなせると英語で気持ちが伝わりやすくなりますよ。

【会話例③】
Kana: I love your sense of humor.
(あなたのユーモアのセンスが大好き)
David: Thank you for always laughing at my jokes.
(いつも僕のジョークを笑ってくれてありがとう)

ここでは、大げさなくらいloveを少し長め&大きめに発音することで、「かなり好き!」と楽しい感じで伝えることができます。ほめられたときの返し方として、Thank you forの後に名詞や名詞句を足して、具体的にお礼を述べるのもおすすめです。

【会話例④】
David: I love what you’ve done with the garden.
(お庭のしつらえがとてもすてきですね)
Kana: I’m glad to hear that.
(そう言ってもらえてうれしい)

ちょっと長くて難しめですが、what以下が「あなたが庭にしたこと、つまり庭のしつらえ」という名詞のかたまりになります。返し方は、Thank youから始まる表現以外に、I’m glad to + 動詞のような、うれしい気持ちを表すフレーズを使ってバリエーションを出してみましょう。

ほめ構文2

You're good at ○○.
(○○がお上手ですね)

be動詞 + good atの後ろに得意なこと(名詞・名詞句・動名詞-ing)を入れます。atは前置詞で、前置詞の後には必ず名詞が来るのが文法ルールです。この構文で積極的に人をほめているうちに、自然に体得できるでしょう。

特に○○に動名詞-ing+目的語(名詞)を入れるパターンを使うといろいろな面をほめられるので、ぜひ動画も見ながらトライしてみてください。

ここでも、会話を一つずつ見ていきましょう。

【会話例①】
Kana: Hey, David. you’re good at chess.
(デイビッド、チェスが上手だね)
David: I’ve been practicing.
(練習してるからね)

少しでも「うまいな」と思ったことは即座にほめてみましょう。「練習してるからね」の返答も笑顔で伝えるとうれしさが伝わります。

【会話例②】
David: Your mom is good at tennis.
(君のお母さんは、テニスが得意だね)
Kana: Thank you. I’ll tell her.
(ありがとう。お母さんに伝えておくね)

会話例①と同じで、be good atの後に名詞をそのまま入れて使います。自分以外の誰かをほめられたときは、I’ll tell ○○.(○○〔=その人〕に伝えるね)という返答もよく使います。

【会話例③】
Kana: You’re so good at speaking Japanese.
(日本語を話すのがとてもお上手ですね)
David: Thanks. That gives me motivation to study more.
(ありがとう。ますます勉強をがんばろうと思えるよ)

動名詞speakingをbe good at の後に持ってくるパターンです。「~することが得意ですね」と表現したいときは、動詞にingをつけてほめてみましょう。

【会話例④】
David: You’re very good at dealing with people .
(君は人づきあいがとてもうまいよね)
Kana: It used to be hard for me, but I’ve been trying. Thank you.
(もともと苦手だったんだけど、がんばってきたよ。ありがとう)

この返答の仕方はいろいろな場面で使えます。Thank youは最初でも後でも大丈夫。慣れないうちは「ありがとう」と返すだけでも十分です。とにかく謙遜しすぎず、素直に相手の「ほめ」を受け止めてみてくださいね。

ほめ構文3

You make[名詞] (動詞の原形+)[ポジティブ形容詞] .
(あなたのおかげで、[名詞]が[ポジティブ形容詞]になります)
Your ○○ makes[名詞] (動詞の原形+)[ポジティブ 形容詞] .
(あなたの○○のおかげで、[名詞]が[ポジティブ形容詞]になります)

この構文のmakeは使役動詞で、「~させる」という意味。つまり、「あなた(の○○)が・・・させた」=「あなた(の○○)のおかげで・・・になった」というニュアンスになります。

make/makesの後には主語の影響を受ける対象の名詞が入り、続いて動詞の原形または形容詞、もしくはその両方(動詞の原形+形容詞)が入ります。使役動詞の後の動詞は原形になることも、動画を見て声に出しながらつかんでいってくださいね。

3つ会話例が出てきました。それぞれ振り返っていきましょう。

【会話例①】
Kana: You always make me smile when I feel down.
(私が落ち込んでるとき、いつも笑顔にしてくれるよね)
David: I was gonna say the same thing to you.
(同じ言葉を君に返すよ)

make me smileで「私を笑顔にしてくれる」という意味になります。返し方もこんなふうにすっと言えると、ますます仲良くなれそうですよね!

私とDavidは「ムギ」という甲斐犬と暮らしているのですが、まさにShe always makes us smile even when we feel down. とほめてあげたい大切な家族です。この一文は『ほめ英語入門の』最後の方に収録しているので、ぜひ見つけていただけるとうれしいです。

【会話例②】
David: You’ve made me a better cook.
(君のおかげで料理がうまくなったよ)
Kana: Your sense of cooking is great.
(あなたの料理のセンスがすごいからね)

a better cookは直訳すると「さらに上手な料理人」という意味ですが、made meとつながって「あなたが私を料理上手にしてくれた」というニュアンスのほめ言葉になります。そして、返し方は英語でよくある「ほめ返し」!ほめたらほめられて・・・というやり取りができると会話がもっと楽しくなりますよ。

【会話例③】
Kana: Your parents made our stay comfortable.
(あなたの両親のおかげで快適に過ごせたわ)
David: They were glad to have you over.
(両親も君が来てくれてうれしかったんだよ)

makeの後に人ではなくモノ・コト(ここではour stay)を付けてこんなふうに、「私の滞在を快適にしてくれた」、つまり「おかげで快適に過ごせた」とほめることもできます。

ほめれば、英語も人生もうまくいく!

本日はここまで。お疲れ様でした!『ほめ英語入門』には、ここで紹介した3つを含め、10種類のほめ構文を掲載・解説しています。ぜひいろいろな表現を練習してみてくださいね。

次回は、さらにほめ英語のバリエーションを増やしてくれる、「ほめ単語」をご紹介します。お楽しみに!

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松田 佳奈(まつだ・かな)
松田 佳奈(まつだ・かな)

和歌山市生まれ。東京女子大学卒業後、サセックス大学大学院修士課程修了(専攻は応用言語学)。外資系翻訳会社の社内翻訳者として勤務したのち、和歌山大学大学院修士課程修了(専攻は教育学)。和歌山大学や近畿大学などで教鞭をとる一方、主宰する英語スクール「PINES ENGLISH SCHOOL in Otani」で小学生から大人までを対象に「ほめる英語」を使った英語指導を行う。共著に『Science Frontiers ナショナルジオグラフィックで始める理系英語』(センゲージラーニング)、著書に『ほめる英語であなたは変わる!』(Kindle版)がある。趣味は弓道と映画鑑賞。ブログ PINES ENGLISH SCHOOL in Otani  Twitter @kanahilston

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