「英語が話せるようになりたい、うまくなりたい」。そんな人たちのために生まれたのが、現在発売中の『ほめ英語入門』(アルク)です。著者は、意外にも昔は人見知りで英語を全く話せなかったという、英語講師の松田佳奈さん。この連載では、英語力を高めるのはもちろん、仕事や人間関係でも良いこと尽くめという「ほめ英語」の魅力についてたっぷりお届けします!
ネガティブだった私を変えたのが「ほめ英語」
――まずお聞きしたいのですが、「ほめ英語」とは、普通の英語とは何が違うのでしょうか?
文字通り、「目の前の相手や周りの人・物・雰囲気などをほめる表現」をたくさん使うのが「ほめ英語」です。英語圏では、ほめることがコミュニケーションの基本と言っても過言ではありません。みんな日常的に、知らない人同士でもサラッとほめ合います。
例えば、すてきなアクセサリーをつけている人を見て、That’s so pretty! / Fantastic! / Marvelous! などのポジティブな形容詞を使って、ここぞとばかりにほめる、といった具合です。相手が子供でも大人でも同じです。
――日本では「謙遜が美徳」みたいな雰囲気もあるので、ほめ合って会話する、それも英語でとなると、かなりハードルが高いと感じてしまうのですが・・・。
『ほめ英語入門』を書いておきながらですが、すごくよく分かります!というのも、私自身も昔は英会話が大の苦手だったんです。
今、私は英語教室を主宰し、小さなお子さんから大人まで幅広い年代の方に教えたり、大学でも英語講師として勤務したりしていますが、もともと超がつくほどの人見知りで、性格もネガティブ。そのせいで、いくら英語を勉強しても全然話せるようになりませんでした。
――英語教室の先生をしている人が、ネガティブで英会話も苦手だったというのは驚きです。何がきっかけで変わられたんでしょうか?
私の場合は、夫(編集部注:本書の監修担当、デイビッド・ヒルストンさん。アメリカ人男性)とその家族との出会いですね。彼らはとにかく、どんなときも私や周りの人の良いところを見つけて言葉にしてくれます。そのおかげでだんだん自信が持てるようになり、英語でのコミュニケーションがグンと楽しくなっていったんです。
「失敗してもいい。できたこと・良かったところに目を向けて次につなげよう」と思えるようになってからは、どんどん上達していきました。今では毎日、夫婦でほめ合い、英語教室や大学でも、生徒みんなでほめ英語を活用して、楽しい毎日を送ることができています。
中学英語レベルでどんどん話せて上達する
――その生徒さんたちの変化についてもぜひ教えてください。
最初は誰もが自信なさげで声も小さくなりがちなのですが、私がほめ英語で彼らをたくさんほめたり、生徒同士でほめ合ってもらったりするうちに、自然と変わっていきます。レッスンの雰囲気が良くなってみんな笑顔になり、間違いを恐れることなく、どんどん発言する回数が増えていきました。
大学生や社会人の生徒さんからは、学校や仕事で出会うネイティブの人たちとスムーズに会話ができるようになった、とうれしい報告をよく受けます。
――笑顔で、しかも英語でお互いにほめ合えるなんて楽しくてテンションが上がりそう!でも、そもそもほめるときに使う単語や、何をほめればいいのかさえも分からない場合はどうしたら・・・?
大丈夫!ほめ英語は中学レベルの英語の構文や単語で十分話せます。それから『ほめ英語入門』では、ほめるポイントについても例文と一緒に説明しています。I like your ring!(指輪すてきだね!)と服装や持ち物をほめたり、The wind feels so nice.(風がとても気持ちいいですね)と天候をほめて会話のきっかけにしたり、といった感じです。
単語も、greatやfantastic、uniqueなど、日本でもよく耳にするものがたくさん。決して難しくありません。
次回は、すぐに使える「ほめ構文」をいくつかご紹介したいと思います。その構文を使った会話の動画付きですので、ぜひ一緒に楽しく練習していただけたらと思います!
英語力アップのカギは「ほめ」にアリ!
英語が苦手な人こそ、「楽しく、簡単に」英会話のチカラが身に付く『ほめ英語入門』。ぜひお手に取ってご覧ください。