「ニュース英語を読みこなせるようになりたい!」と思いつつ何度も挫折している・・・。英語学習者の中にはそんな方も多いのでは?ニュース英語を読み解く秘訣はあるのでしょうか?話題の新刊『今度こそすらすら読めるようになる「ニュース英語」の読み方』をチェック!
著者は40年以上のキャリアを持つ実務家
今回紹介する本『今度こそすらすら読めるようになる「ニュース英語」の読み方』の著者は、三輪裕範(みわ やすのり)さん。国際政治経済の専門家として、総合商社に40年以上勤務した実務家です。海外の大学院でMBAを取得したほか、ニューヨーク勤務の経験もあります。
そんな三輪さんがずっと続けてきたのが、ニュース英語を読むこと。ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポスト、ウォール・ストリート・ジャーナル、タイム、ニューズウィークなど、主要な英字新聞や雑誌を読み続けてきたのです。
本書は、三輪さんによるニュース英語読書歴の集大成。ニュース英語を読む上での大事なポイントが詰まっています。
押さえておきたい6つのポイント
本書によれば、ニュース英語を読み解くポイントは、次の6つ。
① ニュース英語は情報追加型
② 無生物主語を偏愛する
③ 言い換え表現が大好き
④ 生きた表現の宝庫である引用文が多い
⑤ 感情表現が豊かである
⑥ 比喩表現が頻出する
どれも、TOEIC対策などで英語の長文を読む練習をしている方なら、思い当たる節があるのでは?「英語長文あるある」という感じですね。
本書では、この6つのポイントを、豊富な例文とともに詳しく解説。たくさん掲載されている例文は全て、ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズなど、著名な英語メディアに実際に掲載されていたもの。つまり本書は、ニュース英語を読み解く秘訣を習得しつつ、本物のニュース英語を素材に読解トレーニングができる本なのです。
こんなにあった!言い換え表現
ここでは、先述したニュース英語を読み解くポイントの、③「言い換え表現が大好き」をチェックしてみましょう。本書にあげられている例を見ると、ニュース英語ではさまざまな言い換えがなされていて驚きます。例をあげてみましょう。次の単語や表現は全て同じ意味を表しています。なんだか分かりますか?
shot
homer
drive
round-tripper
これらは全て、野球のホームランのこと。大谷翔平選手の活躍を伝える記事で使われた言葉です。
さらに、英語でホームランを表す言葉はこれだけではありません。
dinger
tater
big fly
long ball
Jack
moon shot
kiss it goodbye
・・・などなど、他にもたくさんの言い方があります。
なぜ、英語ではこのように言い換え表現を多用することが好まれるのでしょう?本書では次のように説明しています。
英語国民の感覚では、文章の中で同じ単語や語句を繰り返し使うことは、ある意味非常に格好の悪いことであり、その人の教養や知性を疑わせることにもなりかねません。特に、言葉を扱うことを本業とするジャーナリストが書く文章であるニュース英語では、一般人以上に単語や語句を他の表現に言い換えることが当然のこととされています。
なるほど、という感じがしませんか?
TOEICなどでも、問題文ではcoworkerという単語だったのが、解答の選択肢ではcolleagueと言い換えられていることがよくあります。「同じ単語を使ってくれれば楽なのに・・・」と思ってしまいますが、実際にネイティブスピーカーはこれらを使いこなし、自分が信頼できる人物であることをアピールしているのですね。
まとめ
今は、ネット上にたくさんの英語のニュースがあふれています。自分が好きな分野の話題や、相性の良いメディアが見つかれば、興味を持ってリーディングに取り組めるはず。最新の情報を得られ、日々英語力を鍛えることもでき、TOEICや英検などの試験にも効果があるので、一石三鳥。始めない手はありません。
その第一歩として、まずは本書を手に取ってみてはいかがでしょうか?
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