助動詞のキャラ図鑑 ~mustは熱血! mayは優柔不断!~【1回読んだら忘れない中学英語】

英語を教えて早30年、癒やし系でいながら熱い指導が人気の久保聖一先生による英文法講義です。学校の授業とは全く違うアプローチで話題を呼んでいる 『1回読んだら忘れない中学英語』 (KADOKAWA)のエッセンスをぎゅっと詰め込んだ連載。今回は、文に一言加えるだけで表現力が一気に広がる助動詞のお話です。

mustは熱血!

mustは、とにかく熱くて情熱的。元テニスプレーヤーで、今でもスポーツ界を盛り上げているあの方のイメージです。 熱血キャラmustの口癖は「なんとしたって!」 です。

mustの2大用法

①「気持ち」(なんとしたって)~しなければならない。
②「可能性」(なんとしたって)~に違いない。(95パーセントの確信度)

① We must win the game.
私たちはなんとしたってその試合に勝たなければならない。

② He must be sick in bed.
彼は病気で寝ているに違いない。

例えば、下の文を「熱血のmustのイメージ」で掘り下げていきましょう。親友があなたにパンケーキをおすすめするシーンを想像してください。

You must eat the pancake at the cafe!
△ あなたは、そのカフェのパンケーキを食べなくてはなりません!
◎ ぜひともそのカフェのパンケーキを食べてごらんよ!

学校で暗記する、〈must=「?しなければならない」=義務〉に従って訳すと、△の訳のようになるでしょう。これだと重圧感があって何だか怖いです。

本当は、親友は強制的に食べさせたいのではなく「パンケーキがおいしかったから、なんとしたって君に食べてもらいたい!」という思いから発言しているのです。

mayは上から目線で優柔不断!

お次のmayは、なかなか「キャラが立った」助動詞。mayは何でももったいぶる、つまり仰々しく、ちょっと上から目線です。加えて、優柔不断でどっちつかずな面も・・・。

そんな mayの口癖は「まぁ・・・」 。この中には、100パーセント許容するわけでも、拒絶するわけでもない…そんな気持ちが込められています。

mayの2大用法

①「気持ち」(まあ)~してもよろしい。~してもよかろう。
②「可能性」(まあ)~かもしれない。(50パーセントほどの確信度)

① You may go skiing next week.
来週スキーに行ってもよかろう。

② He may be sick in bed.
彼は病気で寝ているかもしれない。

①の「よかろう」という訳から、少し上から目線の要素が感じられます。この場合のmayは、年長者が年下の人に許可を出すシーンなどで使われます。

shouldは、みんなの規範、優等生!

shouldは、クラスに1人はいる、お利口な優等生のイメージでとらえてください。 優等生shouldの口癖は「当然!」 です。

注意したいのは、優等生といってもガミガミ威圧ではない点。あくまでのみんなの鏡となるタイプです。

shouldの2大用法

①「気持ち」(当然)~すべきだ。~したらいい。
②「可能性」(当然)~のはずだ。

① You should wash your hands before every meal.
食事前には手を洗ったほうがいいよ。

② He should be sick in bed.
彼は病気で寝ているはずだ。

上の①は、「手を洗ってよ!」と上から目線で威圧しているのではなく、「(当然のことなので)?したほうがいいよ」とうながしているのです。

willは意志が強い偉人

willは「確信があって強い志を持つ人」です。 「きっと! 必ず!」 と力強い言葉が似合います。

学校の授業では教えてもらわなかったかもしれませんが、本来、「willは願望を表す動詞」だったのです。それが助動詞になっても根底の意味が生き続けているのですね。

willの2大用法

①「気持ち」(きっと/必ず)~します。
②「可能性」(きっと/必ず)~だ(ろう)。

※ ①の意味で使われるのは、主に主語がIやweで「意志」で行う動詞が続くときや、Will you ~?のときなどです。それ以外は基本的に②を考えてください。

① I’ll do it.
私が必ずします。※ I willの短縮形がI’ll

② He will be sick in bed.
彼は病気できっと寝ているだろう。

ただし、willには上のように個人の意志が関係ない用法である「単純未来」というものも存在します。「?になる」と意志に関係なく単純に未来になるので、こう呼ばれています。単純未来は、誕生日に年をとるイメージで理解しましょう。

I’ll be five next month.
私は来月5才になる。

canは勇気をくれるサポーター

最後に紹介するcanは、励まし上手なサポーターです。寄り添うコーチのようなイメージで、例えば英語ができない人に 「やろうと思えばできるよ!」 とポジティブに語りかけます。

canの2大用法

①「気持ち」~しえる。~しようと思えば~できる。
②「可能性」ありえる。~のこともある。

① You can do it!
君にはできるよ!

② He can be sick in bed.
彼は病気で寝ることもありえる。


オススメの本

『1回読んだら忘れない中学英語』

1回読んだら忘れない中学英語
久保 聖一 (著) / KADOKAWA刊

【中学英語はこの1冊から始める!】
おかげさまで重版出来!!英語の新しい「見方」、ここにあり!
「150点以上のイラスト&その道30年個性派講師による易しい解説」で老若男女、誰でも理解できる1冊です。

★I’llとI’m going to、canとbe able toなど、学校で「同じ」と習ったものは、実は全然意味が違う!?
★mustは「熱血キャラ」で、mayは「上から目線で優柔不断!」
学校では教わらなかった、ネットでも英会話学校でも教えてくれない久保先生だけの情報が満載です!

久保聖一(くぼ せいいち)
久保聖一(くぼ せいいち)

筑波大学人文学類言語学科卒業。塾経営を通じて、また予備校や塾の講師として、30年以上にわたり英語教育に携わる。「ABC…のアルファベットは読めるけれど、makeなど英単語は発音できない」レベルの生徒を1年後には偏差値60の大学に合格させるなど、これまで多くの英語嫌いを英語好きに変えてきた。著書に『1回読んだら忘れない中学英語』(KADOKAWA)、『英語感覚が理屈でわかる英文法』(ベレ出版)、『中学3年間の英単語がイラストで覚えられる本』(KADOKAWA)などがある。

・記事構成:余田志保(つばめパブリッシング)
・イラスト:田島ミノリ
・作成:2019年10月12日、更新:2025年9月26日


boocoで読める!アルクの新刊、続々登場

語学アプリ「booco」なら、アルクのベストセラー書籍150タイトル以上が、学習し放題!

「キクタン」など、アルクの人気書籍600冊以上に対応!購入した書籍の本文と音声コンテンツをスマホで手軽に使用できるだけでなく、学習定着度を高めるクイズ機能が、日々の力試しや復習をサポートします。さらに、Plusプランを購入すれば、150冊以上の書籍が学習し放題に!

また、boocoの「読む」では次のような使い方ができます。

① 学習したいページを見ながら音声が聞ける!
② 文字のサイズや画面の明るさが変えられる!
③ 書籍内検索ができる!
※ これらの機能には本書を含め一部の書籍が対応しています。

語学アプリboocoのダウンロードはこちら!

SERIES連載

2025 10
NEW BOOK
おすすめ新刊
職場問題ハラスメントのトリセツ
詳しく見る

3分でTOEICスコアを診断しませんか?

Part別の実力も精度95%で分析します