不定詞の魅力:クイズで楽しく形容詞用法を理解しよう!

不定詞の「形容詞用法」。学生の頃に難しいと思った方、今も難しい!と思っている方、『子どもに聞かれて困らない英文法のキソ』の著者、大竹保幹が出題するクイズで一緒に学び直してみませんか。楽しく新しい発見があるかもしれません!

まずはクイズに挑戦!

今日のテーマは・・・というお話に入る前に、まずは以下のクイズに取り組みながら、今日は一体何の話がはじまるのか、あわせて想像してみてください。

Q1

美術の時間、あなたの友人が探し物をしています。一体、何を探しているのでしょうか。

I’m looking for a pen to draw.

Q2

外国の方に「お箸(chopsticks)」を説明することになりました。①と②ではどちらが良いでしょうか。

① Chopsticks are something to eat.
② Chopsticks are something to eat with.

今回のテーマは「不定詞」

「不定詞」って何だっけ?

名前だけを見るとなんだか怪しい感じがする「不定詞」ですが、みなさんはこの言葉を聞いてどんな形の文法だったか思い出せますか。もしかしたら、「to不定詞」と言われれば「to+動詞」の形のことだと思い出せる人もいるかもしれません。

「to+動詞」は、to read(本を読むこと)やto swim in the river(川で泳ぐこと)のように、日常の動きを名詞化することができるのでした。「~すること」という意味で覚えている人も多いでしょう。

しかし、不定詞の役割はそれだけではありません。例えば、time(時間)という名詞だけではかなり漠然としていますが、これに不定詞を付け加えることで「何をするための時間」なのかをはっきりと示すことができるのです。time to goなら「行く時間」ですし、time to eatなら「食べる時間(食事の時間)」になるというわけです。

このように、不定詞には名詞がどんなものなのか説明をする使い方があります。形容詞を使ってhappy time(楽しい時間)やlong time(長い時間)と言うのとは違い、なんだか説明に動きが感じられますね。

今回はこの、不定詞の「モノを説明する使い方(形容詞用法)」について考えていきましょう。

名詞を後ろから説明する

boy(男の子)やhomework(宿題)など、人やモノを表す名詞は形容詞を使うことで色や大きさなどの特徴を表すことができました。男の子が大きいのであれば a big boy、難しい宿題ならdifficult homeworkと、名詞の説明は日本語と同じように前からするのが基本です。

ところが、「不定詞」は名詞を後ろから説明します。あるbook(本)について、例えばそれが今月おすすめの「買うべき本」ならば a book to buy、これから「読む予定の本」ならa book to readという具合です。ちなみに、「~すべき」という日本語は少し強い言い方ですが、「不定詞」がいつも硬い意味になるわけではありません。状況に応じて「~した方がいい」や「~するための」くらいの気持ちで感じ取ってかまいません。

「何か書くもの」は something to write?

とても便利なsomething to ~

実は、この「不定詞」はsomething(何か)と一緒に使うことが多いのですが、「something to+動詞(何か~するもの)」という形は、自分が欲しいものを伝えるときや、物を説明するときに非常に役に立ちます。のどが渇いたときは I’d like something to drink.(何か飲むものが欲しいのですが)と言えば、water(水)、tea(お茶)などすぐに用意できる「飲み物」を持ってきてくれるでしょうし、「食べ物」が欲しいならsomething to eat何か食べるもの)と言えば大丈夫です。

他にも、動詞を入れ替えていけば「何か~するもの」という表現を作れるのでとても便利です。ところが、中には少し注意が必要なものもあります。そして子どもはそういった、英語にすると少し難しくなる表現に限って疑問を持ったりするのです。

「何か書くもの」はどうやって表現するのか

「何か飲むもの」が something to drinkで、「何か食べるもの」が something to eatなら、当然、筆記用具など「何か書くもの」は something to writeだと考えてしまいます。一見すると良さそうに感じてしまうのですが、このままでは自分が思っているのとは違う意味に捉えられてしまうことになってしまいます。

似たような意味を持つdraw(描く)を使って考えてみましょう。

美術の時間、あなたの友人が探し物をしています。一体、何を探しているのでしょうか。

I’m looking for a pen to draw.

a pen(ペン)を探しているのは間違いないようですが、何用のペンなのでしょう。

今回のポイントは動詞の対象です。例えばeatは、後ろに名詞をつなげると、eat lunchお昼ご飯を食べる)、eat cookiesクッキーを食べる)のようにそれ自体が食べる対象になります。では、something to eatはどうしょうか。位置こそ違うものの、「何か食べるもの」と言っているわけですからeatの対象はsomethingですね。

同じことがa pen to drawにも当てはまります。a penが drawの対象だと考えると、draw a penペンを描く)という動作が浮かび上がります。なるほど、友人は自分が「描きたいと思うような」素敵なペンを探していたというわけです。

つまり、同じように考えると、something to writeは「書きたい何か」という意味になってしまい、筆記用具にはならなくなってしまうというわけです。そうではなく、ペンや鉛筆などの「何か書くもの」を指したい場合はsomething to write withという言い方をします。write with something(何か書く)という動詞の使い方が基になっていると考えれば、使用する道具を表すwith(~で)が必要なのもわかりますね。

道具として使うものには、最後にwithを使うということを覚えておきましょう。

クイズの答え

不定詞の「モノを説明する使い方(形容詞用法)」は日常のいろいろな場面で活躍します。クイズはすべて、身近にある道具や持ち物について、不定詞でどのように説明しているかを問うものでした。答えを確認してみましょう。

Q1の答え

a pen to drawは「として描かれるペン」のことです。きっと静物画を描く授業で、身近にある文房具を描くことになっているのでしょう。

Q2の答え

②です。chopsticksは道具ですから、最後にwithがないとまるで「食べられるもの」だと勘違いされてしまうかもしれません。身の回りの物が全部お菓子でできているおとぎ話の世界は別として、お箸を知らない人には正確に使い方を教えてあげましょう。

まとめ

不定詞には「名詞用法」だとか「形容詞用法」だとか、なんだか難しい名前の使い方があります。しかし、説明するものが違うだけで、理由や目的などの情報を付け加えていることに変わりはありません。大切なのは「伝えたい内容」ですから、用法の区別にこだわりすぎず、楽しく不定詞を使ってみましょう。

大竹保幹
大竹保幹

明治大学文学部文学科卒業。神奈川県立多摩高等学校教諭。平成23年度神奈川県優秀授業実践教員(第2部門)表彰。文部科学省委託事業英語教育推進リーダー。著書に『子どもに聞かれて困らない英文法のキソ』『まんがでわかる「have」の本』(いずれもアルク)『APPLAUSE LOGIC AND EXPRESSION Ⅰ~Ⅲ』(開隆堂出版)など。

編集:江頭茉里

大竹保幹さんの本

『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』では、「仮定法」をはじめとする、子どもが抱きそうな疑問・質問に対して、ある程度答えられるように英文法の基礎を学ぶことができます。英語を学ぶ面白さに触れられる雑学的な小話も随所にあり、楽しみながら英文法を復習できます。

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