読書の秋。日本語の本を読むうちに、いつの間にか英語の勉強もできたらいいのに・・・。そんな願いを叶える本が出ました。著者は小説家として有名なあの人。これは期待できそうです!
- 作者: 清涼院流水
- 出版社: 明日香出版社
- 発売日: 2019/08/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
著者はどんな人?
推理作家で、多くの著作がベストセラーとなっている清涼院流水さん。小説執筆のかたわら英語学習に励み、TOEIC (R) L&Rテストでこれまでに5回満点を 取得 しています。
また、社会人の英語学習サークル「社会人英語部」を創設。多くのメンバーを高得点に導き、英語学習書も執筆してきました。TOEIC講師の ヒロ前田さんとの共著 もあります。
さらに、日本の作家が英語圏に進出するためのプロジェクト The BBB を運営。語学力を生かし、活動の幅をどんどん広げているんですね。
「日本語のストーリーを楽しみつつ、英単語をマスターする」という一風変わった構成の本書は、ベストセラー作家にして高い英語力を持つ、清涼院流水さんならではの本と言えそうです。
出てくる単語はどんなレベル?
本書に登場する英単語は、初級者向けのものが中心です。しかし、著者によれば「試験に出る英単語より実生活での英語アウトプットに必要な単語を優先的に選んでいますので、 上級者にとっても、知らないものや忘れているものが多くあるはず です」とのこと。
確かにページをめくっていると、TOEICテストによく出るような単語もちらほら出てきます。 anticipate (想定する)や ingredients(食材)はおなじみの単語ですし、 surgeon (外科医)などの職業名も頻出ですよね。
ストーリーを味わいながら、これらの単語に自然に触れられるのが本書の魅力。 「さあ、英語を勉強するぞ!」というよりも、まずは普通に読書するつもりで手に取ってみると、上級者にとっても思わぬ発見がありそう です。
一話完結で読みやすい!
本書は、 見開き2ページで1話が完結する、ショートショート方式 。いくつものエピソードがジグゾーパズルのように組み合わさり、全体で大きなひとつの物語を構成しています。全体像が掴めたときは「なるほど!」という爽快感を味わえるはず。
どこからでも読み始めることができますが、まずは順番に読んでいくのがおすすめです。
登場人物(犬や猫もいます)は20人近く。最初は名前が分からない人物もいるのですが、読み進めるうちにお互いの関係が見えてきます。
「この人、前に出てきた〇〇さんの元カノだったのか!」「この猫ちゃんの飼い主は××さんかな?」などなど、謎解きも楽しめるのが本書の魅力。最後まで読み終わると、温かい気持ちに包まれるはずです。
自然に英語に触れられる
1つのストーリーには、英単語やフレーズが10ずつ収録されています。
日本語のストーリーのなかに英語の単語やフレーズがちりばめられている様子は、ルー大柴さんの「ルー語」っぽい感じも。懐かしい~。
「ルー語ってなに?」という方は、お父さんかお母さんに聞いてみてください。
分からない単語やフレーズがあっても、これなら文脈から推測することができます。
各ページの下段に日本語の意味が載っているので、 すぐに 答え合わせができるのもうれいしところ。
まとめページが役立ちそう
ストーリーを5編読み終わると、まとめページが登場。関連する英単語やフレーズが、1話につき20ずつまとめて紹介されています。このページがかなり役に立ちそう!
イメージが近い単語やフレーズは、まとめて覚えたほうが定着しやすいですし、微妙な違いもよく分かります。
こんな人におすすめ
「英語を始めたいけれど何からやれば?」という方や、「最近ちょっと英語疲れ」という方には、気軽に始められる本書は英語学習のよい きっかけ になりそう。
「読書も楽しみたいけれど、英語力にプラスになることがしたい」という貪欲な方にも打ってつけ。読書の楽しさと単語力アップを、ともに実現してくれる本です。
- 作者: 清涼院流水
- 出版社: 明日香出版社
- 発売日: 2019/08/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
こちらもおすすめ!
- 作者: ヒロ前田、清涼院流水
- 出版社: アルク
- 発売日: 2013/04/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
文:尾野七青子
都内某所で働く初老のOL兼ライター。ここ数年、「読書の秋」はもっぱら「積読の秋」に・・・。
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