makeを使って「なぜそう思うの?」ってなんて言う?【映画で英語】

映画は生きた英語の宝庫。おすすめ映画から、ちょっとおしゃれで すぐに 使える英語表現を毎回一つ紹介します!映画『ブラック・クランズマン』から、 make を使って「なぜそんなことを言うの?」「なぜそう思うの?」と言うときの表現です。

今日のおすすめ表現

What makes you say that?
「なぜそんなことを言うの?」「なぜそう思うの?」という疑問を抱いたとき、それを頭の中で直訳すると、Why do you say that?とかWhy do you think that?と言いたくなってしまうところですが、もっと英語として自然な言い回しが、今回のフレーズです。

表現の出どころ

前回 同様、スパイク・リー監督が実話を取り上げた作品『ブラック・クランズマン』(原題:BlacKkKlansman)からご紹介する表現です。

イングリッシュ・ジャーナル11月号でも、リー監督のインタビューが掲載されていますので、ぜひ合わせてご覧くださいね。

スパイク・リー監督はこれまで、アメリカにおける人種問題に焦点を当てて映画作り をしてきました。『ブラック・クランズマン』も当然、そんな作品の一つです。

前回 お伝えした通り、黒人であるロン・ストールワース(ジョン・デヴィッド・ワシントン)が白人のふりをして、クー・クラックス・クラン(KKK)に潜入捜査をするという粗筋です。そんな一見不可能なことを可能にしているのが、ロンの 同僚 、白人警官のフリップ・ジマーマン(アダム・ドライバー)。「ジマーマン」はユダヤ系の名前です。

KKKは肌が白ければいいわけではなく、ホワイト・アングロ・サクソン・プロテスタント(WASP)以外すべてが排除の対象になります。つまりはユダヤ人もそこに含まれるのです。この2人がいかにしてKKKの目を欺くのか、ぜひヒヤヒヤしつつ楽しんでください。

ところで、ロン役のジョン・デヴィッド・ワシントンは、リー監督の作品『モ'・ベター・ブルース』や『マルコムX』で主役を務めた俳優デンゼル・ワシントンの息子だそうです。お父さんによく似た端正な顔立ちを見て納得ですね!

表現の使い方

ロンは初めての潜入捜査として、ブラック・パンサー党の元最高幹部クワメ・トゥーレ(コーリー・ホーキンズ)の演説会に潜り込みます。トゥーレは国家の治安に脅威的な存在と考えられているため、情報を収集してくるのがロンの任務でした。

演説会の後、ロンたちはブリッジス署長(ロバート・ジョン・バーク)に、「まるでクリスマスの日曜朝にバプテスト教会で行われる礼拝のように、みんなクワメの一言一言に聞き入っていた」と演説会の報告をしました。しかしロンは、こう加えます。

But I don’t think that means black folks were ready to start the revolution, Chief.

でもだからといって、黒人たちが すぐに でも革命を始めるとは私は思いませんよ、署長。

ここでいうready to ... は、「準備ができている」というより、「 すぐに でも~する」という意味です。

これを聞いた署長は、こう言います。

What makes you say that?

なぜそう思うんだ?

そのまま訳すと、「どういう状況があなたをそのように思わせるのか?」ということです。つまり、「なぜそう思うのか」と聞いています。

ロンはこう理由を答えます。

Nobody in there was talking about that.

誰も革命について話していなかったから。

まとめ

今回は、「なぜそう思うの?」「なぜそんなことを言うの?」という意味のフレーズWhat makes you say that?をご紹介しました。

ここの make は使役の用法です。半年ほど前に、『 ライオン 25年目のただいま 』の中から取り上げた別のフレーズ「what brings back?」と同じ使い方になります。そちらもぜひ読んでみてくださいね。

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松丸さとみ フリーランス翻訳者・ライター。学生や日系企業駐在員としてイギリスで計6年強を過ごす。現在は、フリーランスにて時事ネタを中心に翻訳・ライティング(・ときどき通訳)を行っている。訳書に 『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』 (日経BP)、 『限界を乗り超える最強の心身』 (CCCメディアハウス)、 『FULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略』 (サンマーク出版)などがある。
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