映画は生きた英語の宝庫。おすすめ映画から、ちょっとおしゃれで すぐに 使える英語表現を毎回一つ紹介します!映画『ブラック・クランズマン』から、 make を使って「なぜそんなことを言うの?」「なぜそう思うの?」と言うときの表現です。
今日のおすすめ表現
What makes you say that?「なぜそんなことを言うの?」「なぜそう思うの?」という疑問を抱いたとき、それを頭の中で直訳すると、Why do you say that?とかWhy do you think that?と言いたくなってしまうところですが、もっと英語として自然な言い回しが、今回のフレーズです。
表現の出どころ
前回 同様、スパイク・リー監督が実話を取り上げた作品『ブラック・クランズマン』(原題:BlacKkKlansman)からご紹介する表現です。
イングリッシュ・ジャーナル11月号でも、リー監督のインタビューが掲載されていますので、ぜひ合わせてご覧くださいね。
- 作者: アルク ENGLISH JOURNAL 編集部
- 発売日: 2020/10/06
- メディア: Kindle版
前回 お伝えした通り、黒人であるロン・ストールワース(ジョン・デヴィッド・ワシントン)が白人のふりをして、クー・クラックス・クラン(KKK)に潜入捜査をするという粗筋です。そんな一見不可能なことを可能にしているのが、ロンの 同僚 、白人警官のフリップ・ジマーマン(アダム・ドライバー)。「ジマーマン」はユダヤ系の名前です。
KKKは肌が白ければいいわけではなく、ホワイト・アングロ・サクソン・プロテスタント(WASP)以外すべてが排除の対象になります。つまりはユダヤ人もそこに含まれるのです。この2人がいかにしてKKKの目を欺くのか、ぜひヒヤヒヤしつつ楽しんでください。
ところで、ロン役のジョン・デヴィッド・ワシントンは、リー監督の作品『モ'・ベター・ブルース』や『マルコムX』で主役を務めた俳優デンゼル・ワシントンの息子だそうです。お父さんによく似た端正な顔立ちを見て納得ですね!
表現の使い方
ロンは初めての潜入捜査として、ブラック・パンサー党の元最高幹部クワメ・トゥーレ(コーリー・ホーキンズ)の演説会に潜り込みます。トゥーレは国家の治安に脅威的な存在と考えられているため、情報を収集してくるのがロンの任務でした。
演説会の後、ロンたちはブリッジス署長(ロバート・ジョン・バーク)に、「まるでクリスマスの日曜朝にバプテスト教会で行われる礼拝のように、みんなクワメの一言一言に聞き入っていた」と演説会の報告をしました。しかしロンは、こう加えます。
But I don’t think that means black folks were ready to start the revolution, Chief.ここでいうready to ... は、「準備ができている」というより、「 すぐに でも~する」という意味です。でもだからといって、黒人たちが すぐに でも革命を始めるとは私は思いませんよ、署長。
これを聞いた署長は、こう言います。
What makes you say that?そのまま訳すと、「どういう状況があなたをそのように思わせるのか?」ということです。つまり、「なぜそう思うのか」と聞いています。なぜそう思うんだ?
ロンはこう理由を答えます。
Nobody in there was talking about that.誰も革命について話していなかったから。
まとめ
今回は、「なぜそう思うの?」「なぜそんなことを言うの?」という意味のフレーズWhat makes you say that?をご紹介しました。
ここの make は使役の用法です。半年ほど前に、『 ライオン 25年目のただいま 』の中から取り上げた別のフレーズ「what brings back?」と同じ使い方になります。そちらもぜひ読んでみてくださいね。
- 発売日: 2019/07/19
- メディア: Prime Video
本連載がEJ新書になりました!
本連載「映画で英語」がEJ新書(電子新書)になりました!たっぷり14作品から使える英語表現をご紹介するお得な1冊。「映画で英語を学びたいけれど、何から始めたらいいの?」という方にぴったりです。追加原稿も加わり、さらにパワーアップ!
▼ご購入はこちらから
- 作者: 松丸 さとみ
- 発売日: 2021/02/08
- メディア: Kindle版
松丸さとみ フリーランス翻訳者・ライター。学生や日系企業駐在員としてイギリスで計6年強を過ごす。現在は、フリーランスにて時事ネタを中心に翻訳・ライティング(・ときどき通訳)を行っている。訳書に 『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』 (日経BP)、 『限界を乗り超える最強の心身』 (CCCメディアハウス)、 『FULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略』 (サンマーク出版)などがある。
Blog: https://sat-mat.blogspot.jp/
Twitter: https://twitter.com/sugarbeat_jp
【トーキングマラソン】話したいなら、話すトレーニング。
語学一筋55年 アルクのキクタン英会話をベースに開発
- スマホ相手に恥ずかしさゼロの英会話
- 制限時間は6秒!瞬間発話力が鍛えられる!
- 英会話教室の【20倍】の発話量で学べる!
SERIES連載
思わず笑っちゃうような英会話フレーズを、気取らず、ぬるく楽しくお届けする連載。講師は藤代あゆみさん。国際唎酒師として日本酒の魅力を広めたり、日本の漫画の海外への翻訳出版に携わったり。シンガポールでの勤務経験もある国際派の藤代さんと学びましょう!
現役の高校英語教師で、書籍『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』の著者、大竹保幹さんが、「英文法が苦手!」という方を、英語が楽しくてしょうがなくなるパラダイスに案内します。
英語学習を1000時間も続けるのは大変!でも工夫をすれば無理だと思っていたことも楽しみに変わります。そのための秘訣を、「1000時間ヒアリングマラソン」の主任コーチ、松岡昇さんに教えていただきます。