
映画やドラマは生きた英語の宝庫。おすすめの作品から、ちょっとおしゃれですぐに使える英語表現を毎回一つ紹介します!今回は映画『ブラック・クランズマン』から、「ついでに」と言うときの表現です。
今日のおすすめ表現
While you are at it, ...
ついでに
何かをやっている人に対して、ついでにそれに関連した別のことを頼みたいときに使えるフレーズをご紹介します。
表現の出どころ
今回のフレーズは、スパイク・リー監督の作品『ブラック・クランズマン』(原題:BlacKkKlansman)から。
この映画は、人種問題を取り上げ続けてきたスパイク・リー監督が、その長いキャリアで初めてアカデミー賞(脚本賞)を受賞した作品です。
「黒人が、白人至上主義団体のクー・クラックス・クラン(KKK)に潜入捜査を行う」というビックリな粗筋なのですが、なんと実話を基にしています。1970年代のアメリカで、アフリカ系アメリカ人として初めて警察官になったロン・ストールワースの同タイトルの回顧録が原作です。
KKKへの潜入捜査をやりたいと申し出たロン(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は、白人のしゃべり方をまねしてKKKに電話をかけ、相手に自分が白人だとすっかり思い込ませることに成功します。
同じ国・地域でも、黒人に特有の話し方や語彙と白人のそれとはまったく違うことがあるというのが興味深いところです。
映画の中でロンは両者を、King’s English(白人英語)とJive(アフリカ系アメリカ人の方言の一つ。黒人英語)という言葉で表現しています。
表現の使い方
警察で資料室に配属されたロンは、同僚の警官から「モーリス・スモール」という人物(容疑者か受刑者だと思われます)の資料を持ってくるように言われます。目的の資料を探して持ってきたロンに対し警官はこう言います。
While you’re at it, grab another toad ...
ついでだから、もう一人見つけてきてくれ・・・
toadはそのままだと「ヒキガエル」という意味ですが、「嫌なやつ」という意味もあります。ここでは、容疑者または受刑者を指しています。
While you’re at it,は直訳すれば、「それをしている間に」という意味です。つまりここでは、モーリス・スモールの資料を探してきたロンに対し、「資料を探したついでにもう一人の資料を取ってくれ」と言っていることになります。
例えば会社で、コンビニエンスストアにランチを買いに行くという同僚に向かって、「While you’re at it, can you get me some coffee?」と言えば、「行ったついでにコーヒーを買ってきてくれない?」となります。
まとめ
While you are at it, ... は何かのついでに誰かにお願い事をするときに便利なフレーズです。
『ブラック・クランズマン』は2018年の作品ですが、舞台は1970年代です。しかし作品の最後には、2017年にバージニア州シャーロッツビルで発生した白人至上主義団体と反対派の衝突の映像が収録されています。
それを見ていると、2020年5月にミネソタ州ミネアポリスで発生したジョージ・フロイドさんの死をきっかけに展開されたBlack Lives Matter (BLM)運動も、当然ながら思い出します。
こうしたことを考えると、アメリカの人種問題がいかに根強いのかを思い知らされますね。
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- 作成:2020年10月7日、更新:2025年6月1日