bringを使って「どうして戻ってきたの?」ってなんて言う?【映画で英語】

映画で英語

映画は生きた英語の宝庫。おすすめ映画から、ちょっとおしゃれですぐに使える英語表現を毎回1つ紹介します!

今日のおすすめ表現

What brings you back?

「どうして戻ってきたの?」と言いたいとき、つい日本語からそのまま英語にして “Why did you come back?” と言いたくなってしまうのではないでしょうか。もう少し文脈に合った言い方が、今回のおすすめ表現です。

表現の出どころ

今回の表現は、前回引き続き『ライオン 25年目のただいま』から。この映画の主人公サルー・ブライアリーが書いた書籍『Lion : A Long Way Home』(『25年目の「ただいま」』、静山社)が原作です。

LION /ライオン 25年目のただいま(字幕版)

LION /ライオン 25年目のただいま(字幕版)

  • 発売日: 2017/09/19
  • メディア: Prime Video
Lion: A Long Way Home

Lion: A Long Way Home

  • 作者:Brierley, Saroo
  • 発売日: 2017/01/12
  • メディア: ペーパーバック
 

5歳の時にインドで迷子になり、オーストラリアの夫妻に養子にもらわれた主人公が、わずかな記憶を頼りにグーグル・アースを駆使して実家を見つけ出す・・・という実話を基にしています。物語が進行するインドとオーストラリア・タスマニア島の壮大な映像も楽しめます。

舞台の半分がインドということもあり、2時間弱の映画のうち前半45分くらいまでは、ほとんどの会話がインドの言語であるヒンディー語とベンガル語でなされます。

ヒンディー語圏のカンドワから、誤って回送列車に乗り込んでしまった主人公の5歳児サルー(サニー・パワール)は、言葉がまったく通じないコルカタ(旧カルカッタ)に到着します。同じ国でも地域によって言葉がまったく通じない、インドという国がいかに大きいかを感じさせますね。

サルーは大人になっても(デヴ・パテルが演じています)、記憶の中にあるインドの家族に対する愛を忘れたことはありませんでした。しかしオーストラリアの両親(ニコール・キッドマンとデヴィッド・ウェンハム)とも深い愛情で結ばれているため、サルーはインドの家族を探すことを、今の家族への裏切りだと感じてしまい苦しみます。

サルーが苦悩する姿を演じきったデヴ・パテルは、英国アカデミー賞(BAFTA、バフタ)で助演男優賞を受賞しています。作品自体は、英国アカデミー賞脚色賞も受賞しました。

表現の使い方

サルーの元恋人でアメリカ出身のルーシー(ルーニー・マーラ)は、サルーと別れた後、ニューヨークへ行っていました。ルーシーが再びタスマニアに戻ってきたことを知ったサルーは、ルーシーにこう聞きます。

What brings you back?
どうして戻ってきたの?

直訳すると、「何があなたを連れ戻すの?」と言っているわけですが、つまりは戻ってきた理由を聞いています

「どうして戻ってきたの?」「なぜ戻ってきたの?」という日本語を英語にしようと思うと、つい “Why did you come back? と言ってしまいたくなるのではないでしょうか。

ただ、この言い方 “Why did you come back?” だと、本来は戻ってくるべきではなかったのに、なぜ戻ってきた?と言っているニュアンスになってしまい、戻ってきた相手を責めていると受け取られる可能性があります。

そのため、戻ってきた理由を純粋に知りたいのであれば、“What brings you back?”と聞きましょう。

「戻ってきた」ケースではなく、そもそも「なぜ来たか」を聞きたい場合、今回のおすすめ表現を使い、“back”(戻る)を“here”(ここ)に代えて、“What brings you here?” とすることができます。先ほどと同様に、“Why did you come here?” だと、「本来あなたはここにいるはずではなかったのに」というニュアンスが含まれてしまうため、気を付けましょう。

まとめ

日本語からそのまま直訳で英語にしてしまうと、文法的には合っていても適切なニュアンスにはならないこともあるので注意が必要です。

「どうして来たの?」や「どうして戻ってきたの?」は、頭の中で日本語から英語に訳すのではなく、“What brings you here?” や “What brings you back?” という表現として、まるっと覚えてしまうと良いでしょう。

松丸さとみさん

文:松丸さとみ

フリーランス翻訳者・ライター。学生や日系企業駐在員としてイギリスで計6年強を過ごす。現在は、フリーランスにて時事ネタを中心に翻訳・ライティング(・ときどき通訳)を行っている。
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