映画は生きた英語の宝庫。おすすめ映画から、ちょっとおしゃれですぐに使える英語表現を毎回1つ紹介します!今回は、ジュリア・ロバーツ主演の『食べて、祈って、恋をして』から、I’m off. という表現です。
今日のおすすめ表現
I’m off.
今回はシンプルな表現を取り上げました。この4月から英語を勉強しよう!と思い始めた人にとっても覚えやすく、簡単な単語からなる表現です。
“I’m off.”をそのまま「私はオフです」と解釈して、「仕事が休み」という意味かな?と思ってしまうかもしれませんね。
仕事の話をしていたならそれもあるかもしれませんが、今回ご紹介する映画の場面では少し違います。“I’m off.”を別の言葉で表現すると、“I’m leaving.”つまり、「帰るね」「行くね」という意味です。
表現の出どころ
今回の映画は、2010年に公開されたジュリア・ロバーツ主演の『食べて、祈って、恋をして』です。
ニューヨークでジャーナリストとして活躍するリズ(ジュリア・ロバーツ)は、仕事も家庭も一軒家も手に入れたのに、何か満足できない日々を過ごしています。離婚し、新たな恋人と暮らし始めても、かつてのような「人生への情熱」を感じられません。結局、1年間かけて海外を旅することに決めました。
リズは、イタリアでおいしいものをたくさん食べ、インドで瞑想(めいそう)の日々を送り、バリでは恋に落ちます。映画のタイトル『食べて、祈って、恋をして』は、ここからきています。
何か大きなストーリー展開があるわけではなく、淡々と話が進みます。私が初めて見たときは2時間20分をとても長く感じてしまいました。そして映画のレビューサイトでも、評価はあまりかんばしくありません・・・。(次回詳しく触れますが、原作の本はとても評判がよいです!)
とはいえ、この作品を選んだのには理由があります!1度目はあんなに退屈に感じた本作品でしたが、改めてセリフをじっくり聞きながら見たら、まるで1冊の自己啓発本を読み終わったような感覚に包まれてとても楽しめたからです。
そして映画は同じ作品でも、見る人によって、または見る時期によって、まったく違う感想を抱くものなんだなと改めて実感しました。
4月から新しい生活を始めた人は、自分探しをするリズが口にするせりふや、リズが人から言われる言葉などから、「充実した毎日を生きるヒント」みたいなものが得られるかもしれません。
作品自体やせりふが少し“cliche”(クリシェ、使い古されたもの)という気がしないでもないですが、そういうのもひっくるめて楽しんでみてください。
表現の使い方
今回の表現“I’m off.”は、リズがインドで友人になるテキサス出身のリチャード(リチャード・ジェンキンス)が言うせりふです。
口の悪いリチャードは、さんざんリズを上から目線でアドバイスし続けます。でもすっかり仲良くなった2人は、リチャードがアメリカに帰る日、涙ながらに別れを惜しみます。そしてリチャードがもう行かなきゃ、と決心したかのようにリズに向かって言うせりふが、この“I’m off.”です。
“off”はいろいろな使い方や意味がありますが、ここでは“I’m off.”で、「帰るね」や「行くね」という意味になります。目的地や目的を明確にして「どこかへ行く」という場合 も“off”を使いますが、その場合は次のように、“to”を付けて説明します。
I’m off to work.
仕事に行くね。
I’m off to London tomorrow.
明日、ロンドンに出発するよ。
“to”以下の説明がなくて“I’m off.”なら、説明しなくてもわかる状態──単にその場から去るという意味になります。
まとめ
“I’m off to ~.”なら、「~へ行く(または、~をしに行く)」という意味になりますが、単に“I’m off.”と言えば、「帰るね」「もう行くね」という意味になります。職場や学校を後にするとき、使ってみてください。
ただし、“I’m off.”には「その場から離れる」という意味はありますが、必ずしも「帰宅する」という意味ではありません。家に帰ることを明確に相手に伝えたい場合は、“I’m going home.”などと表現しましょう。
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