アメリカでキャラ化、映画にまでなった日本のガラケー生まれの日本文化って何?!

古くは「スシ」「ゲイシャ」「ニンジャ」。最近では「スードク」。海を渡って世界で使われていると言われる日本語がありますが、最近ではどの国でどんな単語が用いられているのでしょうか。世界80カ国以上の現地在住日本人ライターやカメラマンの集団「海外書き人クラブ」がリレー形式で担当する本連載。第5回はアメリカ在住のハントシンガー典子がレポートします。

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LINE スタンプ全盛の日本。アーティストやタレントから、一般人まで、ありとあらゆるスタンプを販売するようになり、スタンプ探しの楽しみが増えましたよね。最近はボイス付きのものまで登場しているとか。

一方のアメリカでは、日本がガラケー時代だったころに一世を風靡した「絵文字」が、スマートホンやSNSの時代になって、ようやく人気となっています。アップルやグーグル、フェイスブックが絵文字を提供するようになったからです。

その呼び方も、そのまま「Emoji」 。世界で通じる英単語です。

英語の辞書を引いてもちゃんと載っています。意味は「 アイデアや感情を表現する小さいデジタル画像またはアイコン 」だそう。2015年には、あのオックスフォード辞典のサイト(Oxford Dictionaries)が「今年の言葉」として泣き笑いの顔をしたEmojiを選びました

en.oxforddictionaries.com

2016年には「アート作品」として、NTTドコモが開発した初期の 絵文字がニューヨーク近代美術館のコレクションに 加わったのも記憶に新しいところです。

ダサカワEmojiキャラが街中を席巻

最近は、そのEmojiをスマホ画面の中だけでなく、街中でも見かけるようになりました。と言っても、ポケモンGOのごとく、ヴァーチャル空間にEmojiが浮いて見えるわけではありません。Emojiをキャラクター化し、デザインしたグッズがあちらこちらで販売されているのです。

露店に並ぶグッズにも、Emojiをモチーフにしたものがまざるようになった。

たとえばショッピングモールでは、小中学生やティーンが買うような雑貨を扱うギフトショップに、 Emojiキャラのクッションやボール、シール、文房具、バッグ などがそろっています。イベントや旅行に出かければ、露店や土産屋にも、Emojiキャラがずらり。お祭りのゲームの景品として、Emojiキャラのぬいぐるみが並んでいることもありました。

このEmojiキャラを見て、 80年代に流行ったピースマークやパックマンをどことなく思い出してしまう のは年齢のせいでしょうか……。

ダサカワイイEmojiキャラたちに、個人的にはイマイチなじめなかったのですが、80年代を知らないアメリカの小中学生やティーンには、斬新だったようです。すっかり人気キャラクターとして定着しました。

80年代風アメリカンなテイストを好む若者にも受け入れられており、ファッション・ブランドにもEmojiモチーフがあふれています。Tシャツや水着、靴、アクセサリーなど、ラインナップも多彩。流行したロゴTシャツや白スニーカー 同様にきれいめファッションの中の「はずし」アイテム として活躍しています。

映画館でうんこキャラが大活躍する時代

この夏、映画館にまで登場したEmojiたち。

そんなEmoji人気を象徴するかのように、今年7月にはEmojiが主役のCGアニメ映画まで製作されました。その名も「The Emoji Movie」。トニー・レオンディス監督による、 スマホ空間で暮らすEmojiたちの大冒険 を描いた作品です。

興行開始後最初の週末は第2位と大健闘でしたが、結果的には酷評の嵐で、大ヒットとはいきませんでした。名優、パトリック・スチュワートもEmojiキャラ声優陣に名を連ねていたのですが……

…… まさかの「うんこ」役 。かなり攻めてます(笑)。

ちなみに 、このうんこキャラ、アメリカの子どもに絶大な人気を誇っており、単独でさまざまなアイテムにデザインされています。

ランドセル代わりにアメリカの子どもたちが学校に背負っていく、バックパックもそのひとつ。 うんこがでかでかと背中にプリントされているバックパック姿 は、なかなかの光景。

次のように、アメリカでは幼稚園児も注目しているようです。

I know Emoji because I see a lot on Roblox (a PC gaming platform). They are so cute, and I love all the different emoji faces, especially poop guy!

ぼくEmoji知ってるよ、ロブロックス(パソコンの人気ゲーム)でいっぱい見たの。いっぱいお顔があって、かわいいから全部好き、特にうんちのやつが好き。

まとめ

日本でブームは去っても、海外で新たな価値が見出されて復活するというのは、文化だけでなく、そのままビジネスにも通じそうな話。チャンスはいろいろなところに転がっているのかもしれません。それにしても、 うんこブームは日本だけでなく、アメリカでも共通 のようですね。

文・写真:海外書き人クラブ・ハントシンガー典子

https://www.kaigaikakibito.com/blog/

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