参加者3万人!常夏の国で楽しまれる日本の夏の風物詩とは?

古くは「スシ」「ゲイシャ」「ニンジャ」。最近では「スードク」。海を渡って世界で使われていると言われる日本語がありますが、最近ではどの国でどんな単語が用いられているのでしょうか。世界80カ国以上の現地在住日本人ライターやカメラマンの集団「海外書き人クラブ」がリレー形式で担当する連載「世界のニホンゴ調査団」。第8回は前回に引き続き、マレーシア在住の森純がレポートします。

マレーシアで知られている、意外なニホンゴ

日本の音楽やコミックが好きな若者も多いマレーシアですが、ちょっと変わった日本語が知られています。

それは Bon Odori (盆踊り)

熱帯で、一年中夏のマレーシアですが、首都クアラルンプールの盆踊り大会は、 日本のお盆の時期に合わせて毎年7~8月ごろに 行われています。

地元の英字紙も、Bon Odori dance(盆踊り)として、今年の盆踊り大会の様子を伝えています。

Among the highlights last night were the drum performance by Japanese school students, a dance performance by the Japanese Hogaku Association, a fireworks display, a Bon Odori dance, a “WaDaiko” performance, and a Selangor Cultural Dance show.

昨夜の催しのハイライトは、日本人学校児童による太鼓の演奏、日本邦楽協会による踊り、打ち上げ花火、盆踊り、和太鼓の演奏、スランゴール州の伝統舞踊のショーでした。

参加者、なんと3万人超!

開催地シャー・アラームのあるスランゴール州観光局は、こんな風に盆踊り大会を紹介しています。

Every year this Japanese-Malaysian Cultural Exchange event is held at the National Sports Complex in Shah Alam, with an expected attendance of over 30,000 participants.

毎年、シャー・アラームの国立スタジアムで行われる、この日本・マレーシアの文化交流イベントには、3万人を超える参加者が見込まれます。

日本国外の盆踊り大会は、日系の移民の多いアメリカや中南米ほかでも行われているそうですが、マレーシアのものは世界最大級ともいわれています。

地元の英字紙The Starが2016年の大会の映像を公開しています。

ノリのいいマレーシアの人びとらしく、壇上の人の動きを見ながら、太鼓の音に合わせて踊っている様子がわかります。

2017年は41回目の開催

盆踊り大会はクアラルンプール日本人会の主催で、1976年から毎年開催されていて、2017年には41回を迎えました

当初は、日本人駐在員の子どもたちなどが通う日本人学校で、「外国生活を送る子どもたちにも、日本の伝統文化である季節の行事を体験させたい」という願いから始まった、ごくごく小規模な催しだったそうです。

今では、日本・マレーシアの文化交流イベントといった位置付けで、地元の人も大勢参加しています。

盆踊り大会の会場には、頭髪を覆うベールをつけたムスリムの女性の姿も。

Copyright (c) 2017 Arisa Chow
Copyright (c) 2017 Citizen Journalists Malaysia

和太鼓や盆踊りで日本の文化を満喫

盆踊り大会に参加したことのある、マレーシアの英語ネイティブに感想を聞いてみました。

It was a fun and memorable event. There are few people performing on the stage, food stalls on the other side of the field, then some families doing picnic. I think the event was a good exploration on Japanese culture. Just that we might not clear or understand why we are doing the movement.

面白くて、記念になる催しだった。ステージに上がっている人たちはそんなに多くなかったけれど、会場には食べものの屋台が出ていて、ピクニックをしている家族連れもいたの。盆踊り大会は、日本の文化を知るいい手掛かりになると思う。どうしてそういう動きをするのか、わたしたちはよくわかっていないかもしれないけれど。

まとめ

マレーシアの首都クアラルンプールの夕景

盆踊り大会は、最初は日本人学校が中心の催しでしたが、今では地元の人も大勢参加する恒例の行事になっています。日本での「お盆」の意味を知らなくても、「盆踊り」に参加したり、日本の食べものを気軽に楽しんだりする催しとして定着しつつあるようです。

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