アジアへの海外出張や旅行で気になるのが、「現地で英語はどのくらい通じるの?」ということ。同じアジアでも、英語の位置付けや使われ方は国によってかなり異なります。タイ、インド、ベトナム、シンガポールの4カ国について、主に都市部やビジネス、旅行の場面を想定して、現在の英語事情を見ていきましょう。
目次
タイ:バンコクや主要観光地では英語が通じやすい
タイの公用語はタイ語です。ただし、首都バンコクではビジネスや商業の場で英語が広く使われています。また、外国人観光客の多い地域では、ホテルやレストラン、ショップなどで英語が通じることも珍しくありません。
一方で、「タイならどこでも英語だけで困らない」というわけではありません。地方や、外国人があまり訪れない場所では、英語が通じにくいこともあります。
タイで英語を使うときに意識したいこと
英語は世界中で、それぞれの母語の影響を受けながら話されています。タイで話される英語も例外ではなく、慣れないうちは発音やリズムを聞き取りにくく感じることがあります。
大切なのは、アクセントの違いを「正しい・間違い」で考えるのではなく、分からなければ確認することです。数字や人名、地名などは、口頭だけでなくスマートフォンの画面などで文字を見せてもらうと、行き違いを防ぎやすくなります。
タイの英語まとめ
- バンコクのビジネスの場や主要観光地では、英語を使える場面が多い
- 地域や相手によって英語の通じやすさには差がある
- 聞き取れないときは、数字や固有名詞を文字でも確認すると安心
その他、タイ社会については以下の記事で紹介しています。
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インド:ビジネスでは英語が広く使われる
インドは多くの言語が使われている多言語国家です。連邦の公用語はヒンディー語ですが、英語も政府の公的な業務などで広く使用されています。
ビジネスや高等教育などでも英語を使う機会が多く、日本から仕事で接する相手とは英語でコミュニケーションを取るケースが多いでしょう。
ただし、人口の多いインドでは地域差も大きく、誰もが同じレベルで英語を話すわけではありません。また、インド国内だけでも英語のアクセントにはさまざまな違いがあります。
インド英語で知っておくと便利な数字の表現
ビジネスで特に知っておきたいのが、数字の単位です。インドでは、英語の会話でもlakh(10万)やcrore(1000万)という単位がよく使われます。
例えば、5 lakhなら50万、2 croreなら2000万です。金額や売上、人口などの話では登場する可能性があるので、覚えておくと便利です。
アクセントや表現が聞き取れなければ、遠慮せず確認しましょう。
- Could you say that again?
もう一度言っていただけますか? - Could you speak more slowly?
もう少しゆっくり話していただけますか?
インドの英語まとめ
- ビジネスや高等教育では英語が広く使われている
- 英語の習熟度やアクセントには地域差・個人差がある
- lakh(10万)、crore(1000万)など独自の数字の単位に注意
その他、インド英語やインド社会については以下の記事で紹介しています。
インドの英語をもっと知りたい人におすすめの本
ベトナム:都市部や外国人の多い場所では英語を使える場面も
ベトナムの国語はベトナム語です。英語は公用語ではありませんが、外国人観光客や海外企業と接する機会の多いハノイ、ホーチミンなどの都市部では、ホテルや観光施設、国際的な企業などを中心に英語で対応してもらえる場面があります。
一方、小規模な店舗や都市部以外では、英語が必ず通じるとは限りません。旅行でも出張でも、住所や目的地などをベトナム語の文字でも提示できるようにしておくと安心です。
英語教育をさらに強化するベトナム
ベトナム政府は2025年、2035年までに学校で英語を「第二言語」として広く使える環境を整える計画を承認しました。2030年までには、全国の学校で小学1年生から英語を必修科目とすることなどが目標に掲げられています。
ただし、これは学校教育についての中長期的な政策です。「現在、ベトナム社会全体で英語が第二言語として通用する」という意味ではありません。
実際の英語の通じやすさは、地域や場所、相手によって大きく異なると考えておくのがよいでしょう。
ベトナムの英語まとめ
- ハノイやホーチミンなどでは、英語を使える場面が比較的多い
- 地域や施設によって英語の通じやすさには差がある
- ベトナムでは現在、学校での英語教育をさらに強化する政策が進められている
その他、ベトナム社会については以下の記事で紹介しています。
ベトナムの英語をもっと知りたい人におすすめの本
ベトナム語を学びたい人におすすめの本
シンガポール:英語は4つの公用語の1つ
シンガポールでは、英語、マレー語、中国語(マンダリン)、タミル語の4つが公用語です。その中でも英語は、学校、ビジネス、行政などで広く使われる共通の言語です。
そのため、今回紹介した4カ国の中では、旅行やビジネスで英語を使う際に最も困る場面が少ない国と言えるでしょう。
シンガポールならではの「シングリッシュ」
シンガポールの日常会話では、「シングリッシュ(Singlish)」と呼ばれる独特の英語を耳にすることがあります。英語をベースに、中国語やマレー語などさまざまな言語の影響を受けて発達したものです。
文末にlahやlehなどが付いたり、標準英語とは異なる語順や表現が使われたりすることがあります。
一方、シンガポールでは2000年から、標準英語の使用を促す「Speak Good English Movement」が続いています。同運動も、Singlishが多くのシンガポール人にとって文化的な指標となっていることを認めています。
ビジネスなどでは標準英語が基本ですが、街中でシングリッシュに触れるのも、多言語社会であるシンガポールならではの体験です。
シンガポールの英語まとめ
- 英語は4つある公用語の1つ
- ビジネス、行政、学校などで英語が広く使われている
- 日常会話ではシングリッシュを耳にすることもある
その他、シンガポール社会については以下の記事で紹介しています。
シンガポールの英語をもっと知りたい人におすすめの本
「英語が通じるか」は国だけでは決まらない
ここまで4カ国を見てきましたが、「この国なら英語が通じる」「この国では通じない」と単純に分けることはできません。
同じ国でも、大都市と地方、国際的な企業と地域密着型の店舗では事情が違います。また、相手の年齢や教育、仕事などによっても英語を使う機会は異なります。
そして、英語を母語としない人同士のコミュニケーションでは、お互いのアクセントや表現に慣れていないことも珍しくありません。分からないことを分からないままにせず、聞き返したり、数字や固有名詞を文字で確認したりすることが大切です。
「きれいな英語を話さなければ」と構え過ぎず、相手と確認し合いながら伝える。海外出張でも旅行でも、その姿勢の方が役に立つ場面は多いはずです。
構成・編集:Natsue Tanaka
オリジナル公開日:2017年7月10日
更新日:2026年9月16日
更新:ENGLISH JOURNAL編集部






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