TOEIC700点は、受験者の中でも上位に入る点数です。700点は高い点数である印象がある一方、必要とされる英語力や就職・転職市場での価値など、具体的に知っている方は少ないでしょう。
そこで本記事では、TOEIC700点のレベル感や就職・転職市場での評価、必要な勉強時間などについて解説しています。また、700点を取得するための勉強法やおすすめの教材も紹介しているため、参考にしてみてください。
本記事を読めば700点に対するイメージが具体的になり、英語学習のモチベーション維持や、効率的に学習を進められるようになるでしょう。
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TOEIC700点のレベルはどのくらい?
TOEIC700点のレベル感を、以下の3項目から解説します。
- 全体の上位30%
- 英検に換算すると2級〜準1級
- 業務でも使用できるレベルの英語力
700点の具体的な英語力をイメージしてみてください。
全体の上位30%
TOEIC公式によると、2022年度の700点以上の割合は、TOEIC L&R※1における受験者全体の上位約30%と発表されています。
※1:リスニングとリーディングの問題が出題される、もっとも一般的なTOEICの形式。
また、TOEICの平均点は毎回600点前後で推移しています。700点は平均点から100点程度高い点数です。
就活や転職で700点が活かせる理由は、平均以上の英語力をもっていると証明できるためです。
英検に換算すると2級〜準1級
文部科学省が公表しているデータによると、TOEIC700点は英検2級〜準1級に相当します。
英検公式によると、英検2級は高校卒業レベル、準1級は大学中級程度の英語力と定義されています。
参考:各級の目安 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会
データでは英検以外の換算データも公表されており、一般的に受験や就職活動で用いられるテストを比較した結果は以下のとおりです。
試験名 | TOEIC700点から換算 |
---|---|
TOEFL iBT | 42〜71 |
IELTS | 4.0〜5.0 |
TEAP | 226〜333 |
換算した結果を見ると、TOEIC700点は、他試験でも高い英語力が求められている点数帯だとわかります。
業務でも使用できるレベルの英語力
TOEIC公式によると、730点取得者は「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている」と位置付けられています。
さらに、文法や構文に誤りがあるものの、業務に大きな支障がないレベルであるとも定義されています。
つまり、700点台のスコア取得者であれば、業務で英語を活かせるレベルであると言えます。
将来英語を用いて仕事をしたい方は、まず700点を目標にしてみるとよいでしょう。
TOEICで700点を取るメリット・デメリット
TOEICで700点を取るメリットとデメリットを解説します。
【メリット】
- 就職・転職活動で有利になりやすい
- 昇給・昇格しやすくなる
- 海外勤務の希望が通りやすくなる
【デメリット】
- 企業によってはより高いスコアが必要になる
700点を目標にしている方は、参考にしてみてください。
メリット:就職・転職活動で有利になりやすい
TOEIC700点は多くの企業で求められているスコアより高水準であるため、就職・転職活動で有利になりやすいです。
TOEIC公式が発行している「英語活用実態調査2019」によると、社員・職員に期待するTOEIC平均スコアは以下のとおりです。
社員のカテゴリ | 求める点数 |
---|---|
新入社員 | 535点 |
中途社員 | 560点 |
技術部門 | 560点 |
営業部門 | 575点 |
海外部門 | 690点 |
※TOEIC L&Rのデータのみ記載
※調査企業数:528社
参考:英語活用実態調査2019
700点は、海外部門に求められるスコアよりも高水準です。
700点は受験者の平均よりも100点高いスコアであるため、さまざまな企業で評価されるスコアなのです。
メリット:昇給・昇格しやすくなる
会社によってはTOEIC700点が昇給や昇格につながります。
TOEIC公式の調査によると、TOEICスコアを昇進・昇格要件としている企業の多くで、700点以上は要件を満たしているとわかります。
参考:英語活用実態調査2019
調査では、約30%〜40%超の企業が、TOEICスコアを昇進・昇格要件にしていました。
TOEIC700点には、入社後も活かせるメリットがあります。TOEICスコアに関する制度は企業によって異なるため、就職・転職活動時に調査するとよいでしょう。
メリット:海外勤務の希望が通りやすくなる
英語活用実態調査2019によると、TOEIC700点以上は、海外出張や海外赴任に求められるスコアよりも高水準です。
企業が海外出張者・赴任者に求めるスコアは、以下のとおりです。
働き方の種類 | 求められるスコア |
---|---|
海外出張者※1 | 620点 |
海外赴任者※2 | 635点 |
※1:回答数81社
※2:回答数122社
参考:英語活用実態調査2019
将来海外で働いてみたいと考えている方は、700点を目標にするとよいでしょう。
ただし上記のスコアは平均値であるため、企業によってはさらに高い点数が求められる場合があります。
具体的な点数を知りたい方は、就職や転職活動時に担当者の方へ質問しましょう。
デメリット:企業によっては700点以上が必要になる
外資系企業や海外のクライアントと頻繁にやりとりする企業の場合、700点以上のスコアが必要になります。
たとえば、大手通販サイト「楽天」では、新入社員にTOEIC800点を求めています。
700点は上位30%の英語力をもちますが、少しのコミュニケーションミスが大きな損失につながる業界では、さらに高い英語力が求められるのです。
志望企業が求めるTOEICスコアを事前に確認して、700点以上が必要なら目標設定を変更しましょう。
TOEICで700点を取るまでに必要な勉強時間
TOEICで700点を取得するまでの勉強時間は、現在の英語力によって大きく変わります。
オックスフォード大学出版の資料によると、現在のスコアから目標スコア取得までにかかる勉強時間の平均は以下のとおりです。
※表内数字の単位は時間(h)
参考:A Teacher’s Guide to TOEIC® Listening and Reading Test Preparing Your Students for Success
たとえば、現在550点の人が700点を目指す場合、225時間から450時間程度の勉強時間が必要です。
仮に試験日まで150日あるとして、225時間の勉強時間を確保する場合、225時間÷150日で1日あたり1時間半の勉強時間が必要になります。
目標スコア到達までに必要な勉強時間を目安に、適切な学習計画を立てましょう。
TOEICで700点を突破するための効率的な対策5つ
TOEICで700点を取得するための効率的な学習方法を、以下に示します。
- 単語や文法などの基礎を固める
- リスニング力を強化する
- TOEICのコツを理解する
- 時間配分を意識した学習を行う
- スキマ時間を活用する
本章では、上記5つの勉強法について詳しく解説します。
1.単語や文法などの基礎を固める
TOEIC700点を取得するために、まずは単語力と文法力を鍛えましょう。TOEICにおいて、単語と文法の理解は必要不可欠です。
単語と文法を学ぶ方法として、単語帳やアプリの活用がおすすめです。
TOEIC対策に特化した単語帳・アプリでは、頻出単語・表現を集中して学習できます。
まずは単語と文法を重点的に学習して、基礎を固めましょう。
2.リスニング力を強化する
TOEICでスコアを伸ばすためには、単語と文法以外に、リスニング力も鍛える必要があります。
TOEICを学習している方の中には、リスニングが苦手な方も多いでしょう。
しかしTOEICでは、リーディングよりリスニングの方が正答率は高い傾向にあります。
パート5からパート7のリーディングの問題は、単語の意味や文法が理解できていないと、正解できない問題が多くあります。
一方、リスニングは重要な単語が聞こえれば、すべて聞き取れなくても回答できる問題が多いため、正答率が高くなっていると考えられます。
苦手でも諦めず、700点取得のためにリスニング力を強化させましょう。
3.TOEICのコツを理解する
TOEICには解答のコツがあり、覚えることで効率的にスコアアップが期待できます。
たとえば、パートごとに以下のコツが知られています。
パート | コツ |
---|---|
パート1 | ディレクション※放送中に写真を確認しておく |
パート2 | 文頭の疑問詞に注目する |
パート3,4 | ディレクション放送中に設問を確認しておく |
パート5,6 | 選択肢から問題の解き方を判断する |
パート7 | 最初に設問を確認する |
※パート開始前に流れる問題の解説音声
上記のコツを理解するだけでも正答率が上がります。
ただしコツを覚えるのは、単語力や文法力がある程度身についてからにしましょう。基礎が備わっていてはじめて、コツを活用したスコアアップが期待できるためです。
4.時間配分を意識した学習を行う
TOEICは、時間配分を間違えたり、読むスピードが遅かったりすると、時間が足りなくなります。そのため、時間配分を身につけるための学習も必要です。
時間配分が必要なのは、パート5・6・7のリーディングセクションです。リーディングセクションでは、パート5とパート6を素早く解いて、問題数の多いパート7に時間をかける必要があります。
日々の学習では、以下の時間配分を意識して問題を解いてみましょう。
パート | 1問あたりの時間の目安(合計時間) |
---|---|
パート5 | 20秒(10分) |
パート6 | 30秒(8分) |
パート7 | 60秒(57分) |
リーディングセクションの学習は、パート5・6・7に特化した参考書やアプリがおすすめです。
時間配分を意識した学習を行って、時間不足で後悔しないようにしておきましょう。
5.スキマ時間を活用する
TOEICスコアをアップさせるためには、スキマ時間の活用が効果的です。
TOEIC公式によると、TOEICで800点以上を獲得している人々は、通勤や通学中などのスキマ時間を積極的に利用していると公表されています。
出典:英語活用実態調査2019
学習場所としては、バスや電車の中などで学習しているケースが多いです。忙しい方でも、通勤・通学中が勉強時間確保のチャンスです。
TOEICで700点を目標にしている方は、800点以上の取得者の行動を参考にして、スキマ時間を活用しましょう。
TOEIC700点を目指すためのおすすめ参考書・アプリ
TOEICで700点を目指すためのおすすめ教材は、以下の3点です。
- Santa アルク
- TOEIC(R) L&Rテスト 究極の模試600問+
- TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ
700点を狙っている方は、参考にしてみてください。
Santa アルク
AIの力で効率的に学習できるアプリ「Santa アルク」を紹介します。
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TOEIC700点は受験者全体の上位30%にあたるため、就職・転職活動で高い英語力をアピールする材料になります。企業が求めるスコアの平均点を上回っているため、履歴書に書いても問題ないスコアです。
さらに700点を取得していると、入社後のキャリアアップも期待できます。就活や転職、将来のキャリアでTOEICスコアを活かしたい方は、700点を目標にするとよいでしょう。
ただし、現在の英語力によっては、700点取得までに多くの勉強時間が必要です。忙しい日々の中で学習して目標を達成するためには、効率的な学習ツールを活用するとよいでしょう。
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