「要求する」を表す request/demand/require、どう選ぶ?【技術英語&ビジネス英語の単語使い分けクイズ⑤】

「よく似た意味の単語の使い分け」を解説した書籍『技術英語の名詞・動詞 使い分けハンドブック』から、クイズをお届けする連載。今回は「要求する」を表す英単語、request / demand / require についてです。いずれもよく目にする単語ですが、どのように使い分ければいいのか分かりますか?

まずは穴埋めクイズに挑戦!

Q.1~3のカッコには、request / demand / require のどれかが入ります。文脈を意識しながら、当てはまるものを答えてください。

Q.1

頻繁に生じるシステムエラーのために、システムを改善するよう顧客から要求されています
Remediation of the system has been (      ) by the client due to the frequent occurrence of system errors.

Q.2

そのニューモデルをヨーロッパ市場で販売するには、いくつかの仕様の変更が求められます
On the new model, a change in several of its specifications is (      ) for it to be sold in the European market.

Q.3

ユーザー認証画面は、システムをハッカーから守るために、パスワードを定期的に変更するよう要求します
The user authentication screen (      ) the user to change the password regularly to protect the system from hackers.

クイズの答えと解説

それでは答えを見ていきましょう。request / demand / require は、次のように使い分けることができます。

  • 「応じるかどうかの判断を相手(要求された側)にゆだねる形で要求する」場合:request
  • 「社会的な要因などにより応じざるを得ない強い要求をする」場合:demand
  • 「物事の達成や実行のために条件を満たすことを求める」場合:require

Q.1の答え

頻繁に生じるシステムエラーのために、システムを改善するよう顧客から要求されています
Remediation of the system has been ( demanded ) by the client due to the frequent occurrence of system errors.

エラーが頻繁に起きるのは困りますね・・・。顧客は早く改善するよう強く要求しているでしょうし、このままというわけにはいかないので、その要求に応じざるを得ません。ふさわしいのはdemandです。

Q.2の答え

そのニューモデルをヨーロッパ市場で販売するには、いくつかの仕様の変更が求められます
On the new model, a change in several of its specifications is ( required ) for it to be sold in the European market.

この場合、「ヨーロッパ市場でのニューモデルの販売」を実行(達成)するために、「仕様の変更」が満たすべき条件として求められています。requireが当てはまります。

Q.3の答え

ユーザー認証画面は、システムをハッカーから守るために、パスワードを定期的に変更するよう要求します
The user authentication screen ( requests ) the user to change the password regularly to protect the system from hackers.

「パスワードの定期的な変更」という要求に実際に応じるかどうかは、「相手(要求された側):ユーザー」にゆだねられており、requestが適切です。パスワードの変更は、つい「また今度でいいや」「何度も変えたら覚えられない」と思ってしまうかもしれませんが、セキュリティーのためにもなるべく応じるようにしましょう!

request / demand / require の違い・使い分け

いかがでしたでしょうか。最後にもう一度、「要求する:request / demand / require 」の使い分けを振り返って、場面や用途に応じて使い分けられるように復習しておきましょう。

応じるかどうかの判断を相手にゆだねる形で要求する request
応じざるを得ない強い要求をする demand
物事の達成や実行のために条件を満たすことを求める require

英文作成の「あるある」「困った」を解決する1冊

仕様書、マニュアル、メール、特許文書などの英文作成に困った経験はありませんか?『日本語から引く 技術英語の名詞・動詞 使い分けハンドブック』は、英語の技術文書に頻繁に登場する、よく似た意味を持つ単語の使い分け方を知ることができる1冊です。

「○○ってなんて言うんだっけ?とつまずいて長時間かかってしまう」
「和英辞典を引くと、訳語がたくさんあって結局どれを使えばいいか分からない」
「翻訳ソフトやAI翻訳ツールを使ったら、なんだかしっくりこない英文になった」
「知っている単語だけど、細かいニュアンスの違いがよく分からない」

こうした「あるある」や「悩み」に一つでも心当たりがある方におすすめです。

●企業の現場で文書作成業務に長年携わってきた著者が、その経験をもとに頻出語句の使い分けを指南。
●機械、電気、化学、IT、医療など幅広い分野に対応。技術文書の作成はもちろん、ビジネスにおけるさまざまな場面で活躍。
●見出し語は日本語の50音順。日本語から引けるので、英語が苦手な人でも安心。
●使い分けの「考え方」が分かるので、どんな文脈にも応用がきく!
●明快な解説と豊富な例文で、語句のニュアンスが分かる!
●「使い分けなくていい」単語についてもしっかり解説。

単語を適切に使い分ければ、情報が正確に伝わる英文を書くことができます。本書をデスクに常備して、日常の「困った」を解決しましょう!

※この記事は、『日本語から引く 技術英語の名詞・動詞 使い分けハンドブック』から一部編集・抜粋してお届けしています。

上田 秀樹(かみた ひでき)
著者:上田 秀樹(かみた ひでき)

延べ15年にわたって精密機器メーカー2社に在籍し、英語でのテクニカルコミュニケーション業務に携わる。(株)ケンウッド通信事業部にてチーフエンジニアを務めた後、英語でのテクニカルコミュニケーションの指導方法を研鑽すべく留学。アメリカとオーストラリアの大学院にてテクニカルコミュニケーションの教授法並びに英語教授法の研究に従事する。カーネギーメロン大学修士課程修了(プロフェッショナルライティング修士)、シドニー工科大学修士課程修了(英語教育学修士)、サザンクイーンズランド大学博士課程修了(教育学博士)。現在、法政大学情報科学部・非常勤講師。主な著書に『エンジニアのための英文メールライティング入門』(朝日出版社)、『ネイティブの心をつかむ英文マニュアル作成メソッド』(電気書院)、『ネイティブに通じる英文技術文書の書き方』(工業調査会)、『50の構文でわかる技術英語の書き方』(工業調査会)『英語で考える力をつけるトレーニングブック』(ベレ出版)がある。


トップ画素材:from canva

語彙力&フレーズ力を磨く、おすすめの本

ネイティブと渡り合える、知的で洗練された英単語力。

本書は、アルクの『月刊ENGLISH JOURNAL』(1971年創刊~2023年休刊)に掲載されたネイティブスピーカーの生のインタビューやスピーチ、約300万語のビッグデータから、使用頻度の高い英単語300個を厳選し、一冊に編んだものです。

すべての英単語は日本語訳、英英定義、例文と共に掲載、無料ダウンロード音声付きで、読んでも聞いても学べる英単語帳です。また、難易度の高い単語をしっかり定着させるため、穴埋め問題やマッチング問題、さらに構文や使用の際に気を付けるべきポイント解説も充実しています。伝えたいことが明確に伝えられる、上級者の英単語力をこの一冊で身に付けましょう!

英語中級者と上級者の違いは、的確で、気の利いたフレーズ力!

50余年の歴史を持つ、アルクの『月刊ENGLISH JOURNAL』(1971年創刊~2023年休刊)に掲載されたインタビューやスピーチ約300万語というビッグデータの中から、頻出する英語フレーズ300個を厳選。日常会話やemail、SNSではよく使われているのに、日本人が言えそうで言えない、こなれたフレーズを例文と英英定義と共に収載しました(全音声付き)。

厳選した300種類の穴埋め問題&マッチング問題を通して、「見てわかる」のレベルから「自分でも使える」ようになるまで、しっかり定着させます。上級者への壁をこの一冊で打ち破りましょう!

難関大を目指す受験生が英単語を「極限まで覚える」ための単語集

大学入試などの語彙の問題は、「知っていれば解ける、知らなければ解けない」ものがほとんど。昨今の大学入試に登場する単語は難化していると言われており、文脈からの推測や消去法では太刀打ちできない「難単語の意味を問う問題」が多数出題されています。こうした問題をモノにして、周囲に差をつけるには、「難単語を知っていること」が何よりのアドバンテージです。

SERIES連載

2024 05
NEW BOOK
おすすめ新刊
観光客を助ける英会話
詳しく見る
メルマガ登録