
「能力」という言葉を使える対象は、人・動物や機械などさまざま。英語ではabilityやcapabilityが「能力」という意味を持ちますが、どう使い分ければいいのでしょう?「よく似た意味の単語の使い分け」を解説した書籍『技術英語の名詞・動詞 使い分けハンドブック』から、クイズの出題です!
目次
まずは穴埋めクイズに挑戦!
Q.1~4のカッコには、それぞれabilityかcapabilityのどちらかが入ります。文脈に注意しながら、どちらが当てはまるか答えてください。
Q.1
その流体噴射装置は、高い耐久性と高い噴射能力を有しています。
The liquid injection device has high durability and a high-injection ( ability / capability ).
Q.2
その装置は、運転者の判断能力を正確に評価するために用いられます。
The device is used to accurately evaluate the judgement ( ability / capability ) of a driver.
Q.3
その装置は、被験者の歩行能力を測定することができます。
The device is capable of measuring the walking ( ability / capability ) of an examinee.
Q.4
その画像形成装置は、ジョブ処理において、前のモデルよりも高い能力を有しています。
In terms of job processing, the image forming device has a higher ( ability / capability ) than the previous model.
クイズの答えと解説
それでは答えを見ていきます。abilityとcapabilityの使い分けのポイントは、
① ability:「何かを行うのに要する能力」を表す
② capability:「何かを遂行できる能力」を表す
となります。
例えば、ネイティブスピーカーと英語で会話ができる能力はcapability であり、そのために必要なスピーキングとリスニングの能力はability です。
これを踏まえながら、Q.1~Q.4の答えを確認してみてください。
Q.1の答え
その流体噴射装置は、高い耐久性と高い噴射能力を有しています。
The liquid injection device has high durability and a high-injection ( capability ).
装置が「流体を噴射することができる能力」を持っている、と伝えていますので、②のcapabilityが答えです。
Q.2の答え
その装置は、運転者の判断能力を正確に評価するために用いられます。
The device is used to accurately evaluate the judgement ( ability ) of a driver.
運転を行う際には、危険などを判断する能力を要すると言えますね。よって、ここは①のabilityが入ります。
Q.3の答え
その装置は、被験者の歩行能力を測定することができます。
The device is capable of measuring the walking ( ability ) of an examinee.
「歩くという行為を行うのに要する能力」が測定できる装置だと読み取れるので、①のabilityが入ります。
Q.4の答え
その画像形成装置は、ジョブ処理において、前のモデルよりも高い能力を有しています。
In terms of job processing, the image forming device has a higher ( capability ) than the previous model.
ここでは、装置の「画像を形成することができるジョブ処理の能力」について述べています。すなわち、②capabilityが意味する「何かを遂行できる能力」の「何か」に当たりますね。
abilityとcapabilityの違い・使い分け
いかがでしたでしょうか。最後に、「能力:ability/capability」の使い分けをもう一度見ておきましょう。
ただし、文脈によってはどちらの「能力」なのかが判別できないケースも多く、そうした場合にはこの2つの単語は区別なく用いられます。
何かを行うのに要する能力 | ability |
何かを遂行できる能力 | capability |
英文作成の「あるある」「困った」を解決する1冊
仕様書、マニュアル、メール、特許文書などの英文作成に困った経験はありませんか?『日本語から引く 技術英語の名詞・動詞 使い分けハンドブック』は、英語の技術文書に頻繁に登場する、よく似た意味を持つ単語の使い分け方を知ることができる1冊です。
「○○ってなんて言うんだっけ?とつまずいて長時間かかってしまう」
「和英辞典を引くと、訳語がたくさんあって結局どれを使えばいいか分からない」
「翻訳ソフトやAI翻訳ツールを使ったら、なんだかしっくりこない英文になった」
「知っている単語だけど、細かいニュアンスの違いがよく分からない」
こうした「あるある」や「悩み」に一つでも心当たりがある方におすすめです。
●企業の現場で文書作成業務に長年携わってきた著者が、その経験をもとに頻出語句の使い分けを指南。
●機械、電気、化学、IT、医療など幅広い分野に対応。技術文書の作成はもちろん、ビジネスにおけるさまざまな場面で活躍。
●見出し語は日本語の50音順。日本語から引けるので、英語が苦手な人でも安心。
●使い分けの「考え方」が分かるので、どんな文脈にも応用がきく!
●明快な解説と豊富な例文で、語句のニュアンスが分かる!
●「使い分けなくていい」単語についてもしっかり解説。
単語を適切に使い分ければ、情報が正確に伝わる英文を書くことができます。本書をデスクに常備して、日常の「困った」を解決しましょう!


※この記事は、『日本語から引く 技術英語の名詞・動詞 使い分けハンドブック』から一部編集・抜粋してお届けしています。
●画像素材:from canva
【1000時間ヒアリングマラソン】 ネイティブの生音声を聞き取る実践トレーニング!
大人気通信講座が、アプリで復活!
1982年に通信講座が開講されて以来、約120万人が利用したヒアリングマラソン。
「外国人と自由に話せるようになりたい」「仕事で困ることなく英語を使いたい」「資格を取って留学したい」など、これまで受講生のさまざまな夢を支えてきました。
アプリ版「1000時間ヒアリングマラソン」は、アウトプット練習や学習時間の計測などの機能を盛り込み、よりパワーアップして復活しました。
「本物の英語力」を目指す人に贈る、最強のリスニング練習
・学校では習わない生きた英語
実際にネイティブスピーカーと話すときや海外映画を見るとき、教科書の英語と「生の英語」のギャップに驚いた経験はありませんか? 1000時間ヒアリングマラソンには、オリジナルドラマやラジオ番組、各国の英語話者のリアルな会話など、学校では触れる機会の少ない本場の英語を届けるコーナーが多数用意されています。
・こだわりの学習トレーニング
音声を聞いてすぐにスクリプトを確認する、一般的なリスニング教材とは異なり、英文や日本語訳をあえて後半で確認する構成にすることで、英語を文字ではなく音から理解できるようにしています。英文の書き取りやシャドーイングなど、各トレーニングを一つずつこなすことで、最初は聞き取りが難しかった英文も深く理解できるようになります。
・あらゆる角度から耳を鍛える豊富なコンテンツ
なぜ英語が聞き取れないのか? には理由があります。全15種類のシリーズは、文法や音の規則、ニュース英語など、それぞれ異なるテーマでリスニング力強化にアプローチしており、自分の弱点を知るきっかけになります。月に一度、TOEIC 形式のリスニング問題を解いたり、書き取りのコンテストに参加したりすることもできるため、成長を定期的に確認することも可能です。
1000時間ヒアリングマラソンは、現在7日間の無料トライアルを実施中です。さあ、あなたも一緒にランナーになりませんか?