人気英語系YouTuberが作った本格派の単語帳!【英単語帳レビュー】

YouTuberのイングリッシュおさるが、数ある英単語帳の中から独自の視点でおすすめを紹介する連載。第4回は、英語系YouTubeチャンネルを運営するATSUさんが作った『Distinction 2000』を紹介します。

「単語帳を眺めるしか使い方が分からない」
「自分で勉強の計画を立てるのが苦手・・・」

こんなふうに悩んで、単語学習が滞っていませんか?

単語帳を買っても、暗記の要領が分からずにいつも途中で投げ出してしまう、なんて挫折を多くの人が経験したと思います。

単語帳の中身を1周見ただけで覚えられればいいですが、特別な才能を持たない限りそうはいかないですよね。計画的に復習して、記憶の抜け漏れを防ぐ勉強が大切なんです。

計画を立てるのが苦手なら、それを助けてくれる単語帳を使うのも1つの手。英語系YouTubeチャンネルを運営するATSUさんが作った『Distinction 2000』なら復習の頻度を明確に教えてくれるので、計画倒れしないスマートな勉強ができますよ!

今回は『Distinction 2000』の特徴などを紹介していきます。ハイレベルな資格取得や、応用的・学術的な単語のインプットを目指している人におすすめです。

そもそもDistinctionシリーズって?

ATSUさんは、今回紹介する『Distinction 2000』以外にも、幾つか単語帳をリリースしています。
目的によって、シリーズの中でもあなたに最適な「Distinction」が変わるかもしれません。

  • Distinction 2000
  • Distinction 1〜5
  • Distinction Structures

『Distinction 2000』は、学術的な英語と実用的な英語をバランスよく掲載。TOEICなら920点程度、英検なら準1級程度のレベルをフォローしています。基礎を固めた上で難関資格にチャレンジする人に、特におすすめです。

「Distinction 1〜5」は、ネイティブな英語力を磨くための単語帳です。一般的な単語帳には数千語が掲載されているところ、「Distinction 1〜5」は1冊あたり400語を厳選して収録。日本語を介することなく暗記できるレイアウトで、ネイティブのような英語脳を身につけるのにピッタリです。

もう1つの『Distinction Structures』は、構文に特化した内容。日本で受ける英語の授業ではなかなか見かけないリアルな構文が収録されています。

試験対策なら『Distinction 2000』、ネイティブの感覚やニュアンスをつかんで生きた英語力を身につけるなら『Distinction 1〜5』、リアルな構文を学びたいなら『Distinction Structures』がおすすめです。

ポイント1:効果的な学習方法を教えてくれる

冒頭で『Distinction 2000』独自の学習方法を理論的に教えてくれます。学習方法というより、もはや暗記戦術といえるほどのしっかりとした解説です。

ネタバレになってしまうので伏字をまじえてお伝えすると

  • 英単語を見て◯◯を確認する
  • ◯◯をイメージしながら◯◯する
  • 英単語を使って◯を作る

それぞれのステップで使うべき具体的な秒数まで説明されています。『Distinction 2000』で暗記戦術を覚えたら、他の単語帳を使う際にも応用が効くでしょう。

具体な戦術は、ぜひ本書を手に取って確かめてみてくださいね!

ポイント2:記憶の忘却パターンに合わせた復習頻度

『Distinction 2000』では、効果的な復習のタイミングまで指定してくれています。例えば「Chapter(章)21に到達したら、1・6・10・14・17・20に戻って復習する」といった具合です。

復習頻度は「エビングハウスの忘却曲線」の理論をモデルにスケジューリングされています。

暗記というのは、時間がたつごとに覚えたことが頭から抜けてしまいますよね。しかし逆にいえば、2回目に暗記するときには1回目の内容が少しでも頭に残っているので、最初よりも覚える時間を節約できるんです!

この忘却パターンをグラフ化した「エビングハウスの忘却曲線」から着想を得た復習スケジュールで、がむしゃらに暗記するよりも効率的に英単語をインプットできますよ。

ポイント3:40に及ぶ多彩なトピック(テーマ)

各Chapter(章)には、それぞれにテーマがあります。Chapterは全部で40個。以下のようなトピックが割り当てられているんです。

  • Ch.01:移民・移住
  • Ch.02:言語学
  • Ch.03:人類学

TOEICや英検の長文問題では、日常の英会話ではなかなか触れない単語も登場するので、『Distinction 2000』での対策が大きな助けとなります。

単なる単語の羅列だけでなく、背景知識まで知れる例文を掲載。ニュースなどで近年目にする時事的な話題で、興味深く学習できるでしょう。

ポイント4:3つのセクションで1章を構成

1つのChapter(章)の中身は、他の単語帳のように「単語と意味がズラッと並んでいる」だけの構成ではありません。

このような3つのセクション(構成パーツ)に分かれています。

  • アカデミックセクション
  • プラクティカルセクション
  • スナップショットセクション

セクションごとの特徴はこんな感じです。

アカデミックセクション

チャプターで扱うトピック(話題)に関する例文と、そのイメージ図が載っています。

例文から日本語を直接的に連想するのではなく、イメージと結びつけることを目指した作りなんです。例文とイメージから意味をつなげて、日本語を挟まないスムーズな英文理解(英語脳)を習得しましょう!

プラクティカルセクション

アカデミックセクションの例文に登場した重要単語を7つピックアップ。実際の会話で単語がどのように使われるのか、意味や例文で示しています。

ネイティブのようなナチュラルな言い回しを習得できるセクションです。

スナップショットセクション

各Chapterの最後にあるコーナーです。日常英会話やブログ記事で、トピックがどのように話されているのか、重要単語とともにチェックできます。

資格をクリアした先でも役立てられる、柔軟な対応力・読み取り力を鍛えられます。

英語上級者の学習におすすめ

『Distinction 2000』は、関連語にまで発音や例文付きで丁寧に解説されています。しかしその分、初心者が本書を手に取ると「覚えることが多すぎる・・・」と驚いてしまうかもしれません。

ある程度の基礎力を身につけた上で、長文読解やアカデミックな会話に向けてさらなる語彙(ごい)を増やすような使い方がおすすめです。

ATSUさんによる「Distinction 1〜5」も、『Distinction 2000』とはまた違うこだわりが詰まった特別な参考書です。目的に合わせてDistinctionシリーズを使い分けてみてくださいね!

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イングリッシュおさるさんの本

イングリッシュおさる
イングリッシュおさる

株式会社LEC代表。英語を教えるオンラインスクールを運営。登録者30万人英語系YouTuber(本格開始11カ月で10万人)。大学から英語学習を開始して、6カ月でTOEIC900取得。3カ月で英会話習得。2カ月で英検1級合格。英検1級語彙セクション満点。25000語暗記。YouTube:英語コーチ - イングリッシュおさる、公式LINE:イングリッシュおさる、ブログ:イングリッシュおさるブログ、Twitter:イングリッシュおさる、Voicy:イングリッシュおさるの英語ラジオ、TicTok:英語コーチ - イングリッシュおさる

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