YouTuberのイングリッシュおさるが、数ある英単語帳の中から独自の視点でおすすめを紹介する連載。第2回は、英検1級合格に必要な単語力を付けられる英単語帳を紹介します。
英検対策には、「でる順パス単」シリーズがおすすめ!
英検対策で重要となるのが、文法力と単語力。文法だけを知っていても単語力なしに問題は解けません。しかし、どのように単語のレパートリーを増やすべきか分からず、適当な参考書を手に取っている方が多いのではないでしょうか?
「”英検 単語帳 おすすめ”で検索しても、情報が出てき過ぎて決められない・・・」「どの単語帳も、正直載っている内容は同じなんでは?」と感じ、立ち止まってしまうこともあるはず。
僕が使っていた単語帳の一つが『英検1級 でる順パス単』です。他の参考書の力も借りましたが、本書の助けもあり、僕は学習開始から2カ月で英検1級に合格できました。
今回は「でる順パス単」シリーズの特徴や、「英検1級 でる順パス単」で1級合格を目指して僕が実践した学習のコツなどを皆さんにシェアしていきます!
1級でなくても、英検を視野に入れて学習している方はぜひ単語帳選びの参考にしてみてください。
本の概要をサクッと解説
「でる順パス単」(1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級)は、1998年から販売されているロングセラーシリーズ。
それぞれの級で1冊ずつ、そのレベルに対応した単語帳がリリースされています。
掲載内容は過去問のデータ分析により選定されており、受験する級に応じた1冊を学んでおけば正答率が上がること間違いなし。本書で学習を重ねた結果、僕は単語パートで25問中全問正解できるまでになりました。
単語問題だけではなく、2次試験を含む出題全体を分析対象としています。そのため英検のそれぞれの級で必要となる基礎的な単語は、本シリーズで網羅できるでしょう。
2021年に「5訂版」としてコンテンツをアップデート
本シリーズは、過去問を新たに分析し、2021年に全ての級で掲載内容が見直されました。2023年現在で最新版として販売されているのは、販売から5度目の改訂を経て完成した「5訂版」です。
1つ前の「4訂版」との大きな違いは、分析対象となる期間です。「4訂版」では編集時点での過去5年分のデータに基づいて掲載内容が決定していました。しかし「5訂版」では、編集時の最新にあたる2010年度第2回〜2020年度第1回の約10年分の出題傾向を分析しているんです。
改訂により掲載内容が見直され、追加された単語もあればカットされた単語もあります。それにより、ほんの少しではありますが、掲載内容は全体的に易しめとなっているようです。
ただ、僕がコーチングしている受講生から話を聞いたところ、「4訂版」の方が出題率が高いと感じる人が多い傾向にありました。
僕の体感としては、開催時期によりばらつきはあるものの、試験に登場した単語の6、7割程度は本書に掲載されている印象です。
ポイント1:データ分析に基づいた収録内容
名前の通り試験本番の「出る順」を予想してA〜Cにランク付けし、単語の掲載順序を整理しています。Aに分類された単語ほど試験で出題されやすい傾向にあり、暗記の重要度が高いのです。
ただ、僕は毎日大量の単語を暗記して1冊を何周もやり込むスタイルだったので、「Aだけを優先して覚えておこう」というやり方はしていません。
英検に出題される可能性が低い単語をひたすら覚えるより、掲載内容が厳選された1冊を手に取った方が効率的ということです。
そして「英検1級 でる順パス単」では、単語だけでなく例文に至るまで「過去問ではどのような文脈・どのような役割でその単語が登場したのか」という分析に基づいて掲載されています(2級・準2級・3級版は例文ではなくキーフレーズ[重要表現]として掲載)。
英検では面接による2次試験があったり、2017年からライティングテストが導入されたりと、4技能を意識した実力判定を重視しています。例文やキーフレーズまで「本番で実際に使える英語」を意識してインプットするのは、英検合格のカギとなるでしょう。
ポイント2:音声で発音を学習できる
本シリーズでは購入特典として、掲載単語の発音を音声でチェックすることができます。
公式アプリはこのような機能に対応しています。
- シャッフル再生
- リピート再生
- 再生速度の変更
- バッググラウンド再生
- チェックした単語のみの絞り込み再生
皆さんは、音声学習をないがしろにして単語のつづりばかりを覚えていませんか?しかし、実は英検対策では発音を意識した学習も非常に重要なんです。発音の理解度は、リスニングはもちろん、2次試験のスピーキングにも響くからです。
本シリーズの全ての級で音声特典に対応しているので、ぜひ発音しながら単語力を鍛えてくださいね。
音声の入手方法は、公式サイトからmp3をダウンロードするか、公式アプリ『英語の友』で再生するかの2通り。公式アプリは、再生機能が充実していておすすめです。
僕が使った英検1級版での勉強方法
改訂により難易度に変化が見られたとは言っても、1級の収録語彙はかなりハイレベル。特に中高の英語をようやく理解したレベルの方は「イングリッシュおさるが勧めていたから」と同じ1級版を買っても、あまりの難しさに戦意を喪失するでしょう。
TOEIC900や準1級をクリアして自信をつけてから、段階的にチャレンジするのがおすすめです。
1つずつじっくりと暗記するのではなく、できるだけ多くの単語と出合うために目を通すような感覚で僕は使っていました。
「覚える」よりも自然に体が「覚えている」状態を目指しましょう。最初はなんとも思っていなかった俳優さんでも、テレビコマーシャルで繰り返し見かけるうちに顔を覚えてしまう現象と同じです。毎日100単語、200単語など大量に目を通し、短いスパンで何度も復習するようにしてみてください。
英検1級ともなると難易度の高い文法が多く登場しますが、実は準1級までの出題内容とかなり重複しています。そのため新たな単語との出会いを増やし語彙力を強化することが重要なんです。
単語学習を助ける関連アイテム
本シリーズではそれぞれの級に対応した専用の「書き覚えノート 」があります。単語帳に収録された単語がそのまま掲載されており、音声を聴いたり意味を考えたりしながら自分でもつづりや訳を書き込める作りです。
ただ書き覚えノートをコピーして暗記ドリルにするような、書き取りに命をかけ過ぎた覚え方はおすすめしません。書き取りすることがゴールに置き換わり、覚えるよりも書く作業に集中してしまうからです。
英検の合格を目指している方は、ぜひ目標としている級の「でる順パス単」を活用してみてくださいね。
内容の新しさをとるなら最新の「5訂版」、出題率の傾向を取るなら改訂前の「4訂版」がおすすめです!
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