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英会話で頻出!英語の「stuff」と「mess」を使いこなそう

日本語に訳しづらい英語

アメリカで生まれ、日本で暮らし、博多弁を操る言語学者のアンちゃんことアン・クレシーニさんが、「日本語に訳しづらい英語」と、その裏にある文化の違いを考察します。第7回では、stuffとmessを取り上げます。

便利な「stuff」と「mess」を使いこなそう!

昔、Facebookの友達に向けて、「英語で『フライ返し』ってなんて言うでしょう?」というクイズを出したことがありました。いろんな答えがきましたが、私がいちばん気に入ったのは、日本人男性からの次のような反応でした。

「あれ?あれって『フライ返し』って言うの?『炒めるやつ』だと思った。」

この答えがツボに入ってしまい、1日中笑っていました。確かに「やつ」という日本語はすごく便利で、私も日常会話でよく使います。

正式な名前がわからない時や思い出せない時に使う「やつ」「あれ」「それ」に当てはまる英単語は、one、thing、thingy、doohickey、whatchamacallit、thingamabobなど、たくさんあります。

Where’s that thingy to open the jar?

この瓶を開けるやつはどこだったっけ?

Put that doohickey in here in this square thingy.

この四角いやつの中にそれを入れてね。

I need that whatchamacallit to unlock my bike.

自転車のロックを解除するためにあれがいる。

That one over there.

そこにあるやつ。

日本語にはほかにも「やつ」のような曖昧な単語がたくさんありますが、英語にもたくさん曖昧で便利な単語があります。

今回は、英語ネイティブスピーカーがよく使う「stuff」と「mess」について話したいと思います。このペアはよく日常会話に出てきますので、ぜひ知っておきましょう!

stuffの意味と使い方

「物」という意味

まずは、stuffについて考えましょう。

一つ目の意味は、簡単に言うと「物」です。特定の物や事柄というよりも、漠然と「物」を示したい時に使うことが多いです。

I have so much stuff in my house! I seriously need to declutter.

私の家は物であふれてる!マジで断捨離(だんしゃり)しないといけない。

I have so much stuff already. I don’t need to buy anything else.

もうすでにたくさん物を持っているので、何も買う必要はありません。

Don’t touch my stuff!

私の物を触らないで!

ちなみに、私の子供もよく「Don’t touch my stuff!」と言います。

たぶん、多くの英語圏の子供が、兄弟やクラスメイトにこんな風に言ったことがあるでしょう。

You have your own stuff, so don’t touch mine!

自分の物があるんだから、私の物には勝手に触らんで!

一方、大人がよく使うのは、最初の「I have too much stuff! I seriously need to declutter.」に違いありません。

ところで、今アメリカでは、断捨離達人の「こんまり」こと近藤麻理恵さんが大人気です。人気過ぎて、彼女の名前が動詞になったほどです。

I konmaried my house last week.

先週、家を「こんまり」しました。

Urban Dictionary」では、「こんまり」は以下のように定義されています。

Verb. To konmari, to follow the process outlined in the book “The Magical Art of Tidying Up”*1 by Marie Kondo.

こんまりする(動詞) 近藤麻理恵さんの著書『人生がときめく片づけの魔法』で紹介されているプロセスを行うこと。

物理的にstuffがありすぎると、精神的にも散らかると思っている人は少なくないと思います。私もずっと自宅を「こんまり」しまくっているけれど、stuffはなかなか減りません。

「こと」という意味

stuffのもう一つの意味は、「こと」です。これだけではピンとこないと思うので、例文を見てみましょう。

I have a lot of stuff to do today, so I’m not going to be able to make the party.

今日は、やらないといけないことが多いから、パーティーには行けない。

She has a lot of stuff going on in her life right now, so she’s having a hard time.

彼女は今、いろいろなことを抱えていて、大変な思いをしている。

1文目のstuffは、「やらないといけないこと」という意味です。例えば、銀行に行ったり、子供の送り迎えをしたり、仕事をしたりすることです。

2文目のstuffは、「悩み」や「心配事」といった、少しネガティブなニュアンスがあります。

「いろいろ」という意味

stuffは、こんな使い方もしますよ!

My friend said a lot of mean stuff to me yesterday. It really hurt my feelings.

昨日、友人にいろいろ意地悪なことを言われた。本当に悲しかった。

A: What are you gonna do today?

今日は何するの?

B: I dunno*2. Stuff.

分からん。いろいろ。

アメリカのお母さんと無口な高校生の子供が、よくこんな会話をしています(笑)。

これらのstuffは、「いろいろ」という意味に近いと思います。

動詞、形容詞も

stuffは動詞(~を詰める)としても使い、形容詞もあります。

I have a stuffy nose.

鼻が詰まっている。

I have too many stuffed animals.

ぬいぐるみが多すぎる。

今回のテーマである名詞のstuffの意味とはあまり関係がないかもしれませんが、面白いので補足しておきます。

ということで、stuffは「物」「こと」「いろいろ」など、さまざまな意味がある便利な英単語です。使いこなせるとめっちゃかっこいいので、たくさん練習してくださいね!

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messの意味と使い方

「散らかっていること」という意味

もう一つの便利な英単語は、messです。これもほぼ毎日に会話に出てくるような単語です。

一つ目の意味は、「散らかっていること」です。私は、子供が生まれてからというもの、1日10回はこの単語を口にしています。

The house is such a mess!

この家はとんでもなく散らかっている!

Your room is a mess! Clean it up!

あなたの部屋は恐ろしく散らかっている!片付けなさい!

Look at this mess!

この散らかりようを見てごらん!

Clean up this mess of a room right now!

この散らかっている部屋を片付けて!

How can you stand this mess?

こんなに散らかっていて、よく我慢できるね。

messはstuff(物)があり過ぎることで起こる現象なので、この2つの単語は強くつながっています。

「断捨離」「掃除する」「片づける」は英語で?

ちなみに、これまでの例文で出てきたように、「断捨離」はよくdeclutterと訳されます。clutterは「散らかす」という意味の動詞で、このclutterにde-をつけると、「断捨離」という意味になります。

日本語では、「『掃除』は汚れを取ること」「『片付け』は散らかったものを整えること」みたいに使い分けられていると思いますが、英語ではどちらもcleanを使う傾向があります。

My kitchen is so dirty. I need to clean it.

私のキッチンはめっちゃ汚い。掃除しないと。

I hate cleaning the toilet.

トイレ掃除が大嫌い。

My son never cleans his room. It is such a mess!

息子は全然部屋を片付けない。めっちゃ散らかっている!

Clean up your toys!

おもちゃを片付けて!

もちろん、厳密に言えば「片付ける」はcleanよりorganize(整頓する)の方が意味的に近いと思いますが、日常会話ではcleanがよく使われます。

例えば、子どもの散らかし癖に困っている両親は、「Hey, can you organize your room?」ではなく、「CLEAN YOUR ROOM NOW!!!!!」と言うのが一般的だと思います(笑)。

日本語でも、「年末の大掃除」などは「掃除」と「片付け」の両方の意味が含まれていますね。

「めちゃくちゃ」という意味

messは、物理的に散らかっているという意味だけじゃなくて、精神や感情、状況がめちゃくちゃであるという意味でも使います。

My life is a total mess.

私の人生はめちゃくちゃだ。

The whole thing turned into a big mess. I don’t know how to fix it.

すべてはめちゃくちゃになった。どう解決したらいいのか、よくわからない。

何かがうまくいかない時、めちゃくちゃになってしまった時によく使う表現です。「とにかくめちゃくちゃで、どうしたらいいか分からない!」というニュアンスで、物理的に散らかっているという意味とも通じています。

この場合、よくmessの前に形容詞のbig、huge、giant、totalなどが付きます。

人の見た目を示すmess

そして、人の見た目を示す時もmessを使います。

Geez, my hair is a mess.

やばい、髪の毛がめちゃくちゃだ。

The baby’s face is a mess! Here, let me wipe his mouth.

赤ちゃんの顔が超汚れてる!口を拭いてあげよう。

messを形容詞にすると、messyになります。「散らかっている、汚い、汚れている、めちゃくちゃな」など、さまざまな意味があります。

I can’t concentrate when my house is messy.

散らかっている家では集中ができない。

Your handwriting is really messy.

あなたの字はめっちゃ汚いね。

It’s a messy situation.

それはすごくめちゃくちゃになっている。

スラングの「hot mess」って何?

hot messというスラングもありますが、聞いたことはありますか?

状況に対しても使うけれど、私の周囲はよく「めちゃくちゃだけど、なんか魅力的!」という、人に対する絶妙な誉め言葉として使っていました。ただ、人によっては「見た目がひどい」などのネガティブな意味で使うこともあるので注意しましょう。

She’s a hot mess!

You are such a hot mess!

ちなみに、私は人生の半分以上は、hot messです!

細かいニュアンスを理解して英語を楽しもう!

今回の「めちゃくちゃ」講座はいかがでしたか?

いろんな例文を書き出したら、ほとんどの場合、messは「めちゃくちゃ」、stuffは「こと」「もの」と訳せることに気付きました。

でも、細かいニュアンスとさまざまな使い方が分かると、言葉の勉強は面白いよね!

最後に、今日勉強した単語を全部まとめてみました。

My house is a total mess because I have way too much stuff. I need to do some serious cleaning and declutter, but I have so much stuff going on at work right now. My friends tell me I’m a hot mess.

物が多すぎて、家の中がめちゃくちゃになっています。本格的な掃除や断捨離をしなければならないのですが、今は仕事でしなければならないことがたくさんあります。友人には、あなたはhot messだと言われました。

こういうアメリカ人が多いからこそ、断捨離達人のこんまりさんはハリウッド俳優と同じくらいの人気があるのでしょう。

もっと書きたいことはあるけど、My house is a mess! 今から片付けないといけません!

次の記事の締め切りまでに片付けられたらいいなぁ。片付けられたかどうか、また報告しますね!

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*1:原文ママ。正しい書名は“The Life-Changing Magic of Tidying Up”

*2:don’t knowの短縮形

アン・クレシーニ

アン・クレシーニアメリカ生まれ。福岡県宗像市に住み、北九州市立大学で和製英語と外来語について研究している。著書に『アンちゃんの日本が好きすぎてたまらんバイ!』(合同会社リボンシップ)。自身で発見した日本の面白いことを、博多弁と英語でつづるブログ「アンちゃんから見るニッポン」が人気。Facebookページも更新中!
写真:リズ・クレシーニ