英検1級の二次試験対策、これだけは押さえておこう!

これまで英検1級に18回合格した経験のあるJunさんが、英検1級の二次試験(スピーキング)の基礎知識について解説してくれました!

こんにちは、英語ジム らいおんとひよこR代表のJunです。第4回は、二次試験(スピーキング)の基礎知識について学んでいきたいと思います。 第2回第3回 で解説した英作文同様、どんな試験か 把握 をして、それから必勝戦略を立てることで、確実に得点し合格を手にすることができます。

二次試験の流れ

まずは、二次試験当日の流れを確認してみましょう!

  1. 受付 を済ませたら、ほかの受験者と一緒に控室で待ちます。
  2. 数名ずつ係の人に呼ばれ、面接室前の廊下の椅子へ誘導されます。
  3. 自分の順番が来たら、面接室へ入ります。
  4. 面接官から指定の椅子に座るように促され、氏名を聞かれます。
  5. 面接官二人と簡単な日常会話をします。
  6. 5つのトピックが書かれたカードを受け取ります。
  7. トピックを1つ選び、内容を考えスピーチの準備をします(1分間)。
  8. スピーチを披露します(2分間)。
  9. スピーチに基づく面接官からの質問に回答します(4分間)。
  10. トピックカードを返却し、退室します。

控え室から面接室に誘導されてからは、あっという間です。10分程度で終わる試験ですが、当日は緊張する方も多いと思うので、 脳内で流れをシミュレーションしておきましょう。

控室での待ち時間は会場や集合時間によってさまざまです。すぐに呼ばれる場合もあれば、30分以上待つこともあります。スマートフォンは使えないので、 何か1冊二次試験対策に役立つ書籍や、ご自身でスピーチ原稿を書いたノートなどを持って行くといいでしょう。

どのようなトピックが出題される?

社会・経済・教育・科学技術など幅広い分野から出題されます。与えられたトピックについて答える英作文とは異なり、二次試験のスピーチは 5つのトピックから1つ選んで答える形式 なので、いくつか自分の得意分野を作っておくと対策がしやすくなります。

例えば、私の場合はシステムエンジニアの経験が10年以上あるので、IT系・技術系の話題が得意です。また、現在の仕事と関連がある教育分野や、個人的に興味のあるLGBTなどのジェンダー問題、貧困問題に関連する書籍を日頃からたくさん読むようにしています。一方で、政治・経済はどちらかというと苦手な方です。そのため、英検の二次試験では5つのトピックのうち政治・経済は避けて、 自分が意見しやすい上記の分野を選ぶようにしています。

興味のある分野や仕事に関わる分野からのトピックであれば、アイディアも浮かびやすく、スピーチもその後の質疑応答にも回答しやすくなります。自分得意分野は何か、皆さんも考えてみましょう。

スピーチの準備時間(1分)はどう使うべき?

スピーチの準備時間(1分)は効果的に使いたいところですね。 私の場合は5秒でトピックを選び、残りの55秒は内容を考えることに充てます。 10秒で選んだとしても50秒残ります。

まず、 早く選ぶコツは「すべての選択肢を見ない」 ということです。最初に目に入ってきたトピックで話せると思えば、ほかの4つは見ずに、 すぐに 内容の検討に入ります。迷う時間がもったいないからです。

また、スピーチの内容は日本語で考えても、英語で考えても、どちらでもいいのですが、どちらの方法にもメリット・デメリットがあります。日本語で考えてしまうと、スピーチをしながらその内容を英語にしなければならないため、かなり慣れていないとポーズが多くなりがちです。また、逆に英語で考えると日本語ほど素早くアイディアを 整理 できないというデメリットがあります。 思いついたアイディアを効率よくスムーズに表現できる方法を確認しておきましょう。

私の場合は、さっと日本語で自分の意見を書き出し、実際に指折り数えながら論点を2つ考えます。そして、それぞれの具体例もさっと考えます。時間がまだあれば、それを脳内で復習し、どんな単語や英語表現を使って、どんなスピーチにするかを考えます。

スピーチの構成

英作文の場合は文章構成が指定されていますが、スピーチの場合は特に指定はありません。基本的には、最初に自分の意見はどちら側なのか、YES/ NO ( Agree /Disagree) を述べてから、その理由を2つ言って、最後に短く自分の意見をまとめて終わります。

話す速度にもよりますが、時間で言うと、 最初5?10秒程度で Introduction 、50秒で1つ目の論点+説明(+具体例があれば追加)、次の50秒で2つ目の論点+説明(+具体例があれば追加)、最後の10秒程度で Conclusion を述べます。

論点は1つか3つでもいいですが、1つの場合はよほど上手く 整理 してまとめないと、2分間の中ではだらだらと思いつくまま話しがちになります。3つの場合は、時間内におさめようとすると1つ1つのポイントが薄くなりがちです。

ちょうど2分程度におさめるためには、体感で2分を覚えることも重要ですが、もっと簡単な方法もあります。 センテンス数で考えるのがおすすめ です。

2分でスピーチを終えるためのセンテンス数(目安)

Introduction  2センテンス

Body

  • 論点1  3~5センテンス
理由を端的に1センテンス 理由の補足を2センテンス具体例を0?2センテンス
  • 論点2  3~5センテンス
理由を端的に1センテンス 理由の補足を2センテンス具体例を0?2センテンス

Conclusion  1?2センテンス

スピーチの途中で、「そうだ!あれも言いたい!」と思いついたとしても、上記のセンテンス数を超えるようであれば2分でおさまらない 可能性 が出てきます。 思いつきで何かアイディアを加えてスピーチの流れを変えてしまうよりは、そのアイディアは、スピーチ後の質疑応答セクションにとっておくほうが賢明 です。1分間の準備時間で計画したとおりのスピーチをしやすいからです。

便利に使える定型文や接続詞、フレーズ

Introduction "> Introduction

Introduction では、難しく考えずに、自分の意見はこちらです、と以下の定型文を使って簡潔に言えればOKです。

I believe that …
I don’t believe that …

注意したいのは、 No (Disagree)で回答するときに、I believe that XXX should not YYY.のように that節の中を否定文にせず、that節を導く主節で I don’t believe that ...と否定語を入れた方がいい ということです。that節の中を否定文にしても文法的に間違いではないのですが、主節が否定文になるほうがより自然とされます。

意見を示した後に述べる「次の理由からです」の部分も以下のように簡単でOKです。

My reasons are as follows.
I have two points.
I have two reasons.

I’d like to give you two reasons explaining why I think so .などと言ってももちろん問題ないのですが、次に続く論点をしっかりと伝えたいので、ここでは長く説明する必要はありません。定型文としてスラスラ言えるようにしておけば便利です。

Body

接続詞を上手く使って、話の流れがスムーズに伝わるようにしましょう。以下のようなフレーズを使うように心がけてください。

First of all,
First,
Second,
Also,
In addition,
Moreover,
For example,
For instance ,

Conclusion

Conclusion はだらだら長くする必要はなく、次の定型文を使ってすっきりとまとめましょう。

In conclusion, I believe that ...
For these reasons, I believe that ...

合格するのに必要な語彙レベル

スピーチで使う語彙は、 英検2級程度のレベル であれば大丈夫です。英検準1級レベルの語彙もときどき混ぜて使えればさらにいいですが、文法ミスを極力避けることや、 相手に伝わりやすく説得力のある内容でスピーチできることの方が重要 です。

発音や発声で気を付けること

英語ネイティブのような発音である必要はまったくないので、 はっきりと話す ようにしましょう。特にお互いにマスクをしての面接試験の場合は、通常より声がとおりにくくなります。にこやかにハキハキと話すことで相手にも伝わりやすくなり、その場の雰囲気もよくなります。

そのほか面接で気を付けるべきこと

アイコンタクトが苦手な方もいるかと思いますが、目を見て常に笑顔を絶やさず、「堅苦しい英語の試験」と考えるよりは、 「面接官との英語での会話」というイメージで会話を楽しみましょう。 どうしても目を見るのが苦手という方は、相手のおでこや鼻のあたりを見るといいですよ。

今回は以上です!次回は「英検1級二次試験(スピーキング)の実践」と題して、実際のスピーチを使いながら解説をしていく予定です。お楽しみに!

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