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英検1級サンプル英作文で押さえておきたいポイントをチェック!

英検1級サンプル英作文で押さえておきたいポイントをチェック!

これまで英検1級に18回合格した経験のあるJunさんが、実際に英検1級の英作文の模範回答を使って注意すべきポイントについて解説してくれました!

こんにちは、英語ジム らいおんとひよこ®代表のJunです。今回は、実際の模範英作文を見ながら、高得点を狙うポイントやありがちなミスを解説していきたいと思います。

英作文のトピックを正確に理解する

英検1級の英作文でこんなお題が与えられたとしましょう。※記事用のオリジナルのトピックです。

TOPIC:Agree or disagree: Japan should legalize physician-assisted suicide.

「日本は医師による自殺ほう助を合法化すべき」について、賛成か、反対か選び英作文することが求められています。

与えられるトピックは文頭から文末までよく読んで、見落としがないように注意をすることが最初の注意点です。

今回のトピックには含まれていませんが、例えば、alwaysとあれば「いつも」なのか、neverとあれば「絶対ない」のか、また、too muchというフレーズがある場合は「過剰」かどうか、enoughの場合は「十分」かどうかを考えて、それに応じて記述内容を調整していく必要があります。単にYes/No, Agree/Disagreeで答えるのではなく、自分の意見の「程度」も考慮するように意識しましょう。

また、トピックが

Should more be done to promote equality and diversity

のように、Should more be done to 〜?で始まっている場合があります。

代名詞moreが主語で、「equality and diversitypromote するためにもっと(何か)されるべきか?」という質問です。主語が代名詞moreであることを見抜き、この質問の内容が理解できなければ、問われたこととズレた回答をする可能性があります。Does more need to be done to promote equality and diversityも同じ意味です。

また、Enough is being done to promote equality and diversity. のようにenoughが「十分なこと」という意味の代名詞で使われることもあります。

トピック一つとっても一語一句しっかり読み、理解して書き出すことを意識してみてください。

模範英作文をチェック

それでは、高得点を狙うためのポイントや、よくあるミスも交えながら、実際の英作文を解説していきます。

前回もお伝えしましたが、英作文の練習をするときは、試験本番同様、文字数は200-240wordsで、3つの論点を挙げ、構成はintroduction, main body, conclusionの3つから成る構成で書きましょう。

【英作文模範解答】

TOPIC:Agree or disagree: Japan should legalize physician-assisted suicide.

With more incidences of chronic diseases and protracted illnesses associated with the aging population in Japan, demand for the legalization of physician-assisted suicide has been growing there. Japan should legalize physician aid in dying for three reasons: greater reliability, a patient’s right to die, and an eased burden on the family.

Firstly, doctor-assisted death is sufficiently reliable. Trying to commit suicide without such aid can fail, resulting in a tragedy. Patients might sustain the aftereffects for the rest of their lives. In contrast, the aid-in-dying medication administered by a doctor ensures death while inflicting as little pain and suffering as possible.

Moreover, everyone should have the right to make their own health care decisions and decide when to die. Knowing when that will be, they will have enough time to say farewell to their intimate friends and relatives and distribute their property to their heirs. Legalized assisted suicide enables patients to spend the time until the last moment of their lives in peace.

Additionally, bereaved family members can be freed from economic and mental burdens. Generally, taking care of an elderly relative requires a tremendous amount of money and time, which gradually wears them down. Some have no choice but to quit their jobs, dedicating themselves to the person. In the worst-case scenario, stress and depression force the caregiver to resort to killing the patient.

From these perspectives, there is no doubt that the Japanese government should legalize physician-assisted suicide.

※あくまで英検1級用の英作文サンプルであって、このトピックへの見解を示すものではありません。

解説

書き始める前のブレインストーミング

書き始める前にAgree/Disagree両方の論点を3つずつ考えてみました。

Agreeの場合
  • 安全に実行できる。
    例:ミスが少ない
  • 本人の意思の尊重。
    例:死ぬタイミングを選べる、準備ができる。
  • 家族の負担が減る。
    例:経済的・精神的負担。
Disagreeの場合
  • 倫理的に問題あり。
    誰も命を奪うことはできない。
  • 担当医への精神的負担。
    命を助けるという医者の使命に反する。
  • 悪用される恐れ。
    例:詐欺や悪徳業者の関与。

このトピックは賛否両論あると思います。特に高齢化の進む日本では考えさせられるトピックでもあります。このような場合は3つの論点を書き出し、agreeかdisagreeどちらか書きやすい方を書きましょう。

必ずしも、ご自身の本心である必要はありません。今回の場合のように、Yes / No, Agree / Disagreeどちらでも書きやすいトピックもありますし、一方の意見を書きづらいものもあります。論点のブレインストーミングをする段階で、3つの論点が重複してないことも必ず確認してください。

押さえておきたい重要ポイント

それでは、ここから重要なポイントをいくつか見ていきましょう。皆さんが英作文練習をするときに参考になるかと思います。

Introduction

① With more incidences of chronic diseases and protracted illnesses associated with the aging population in Japan, demand for the legalization of physician-assisted suicide has been growing there.

1文目は「高齢化に伴う慢性疾患の増加や病気の長期化により」という部分を、withを使った副詞句にしました。

ここは、例えば、Because there has been an increase in the incidences of chronic diseases and protracted illnesses along with the aging population in Japan.などとすることも可能ですが、従属節を導くBecause, When, Ifで文を始めるより、前置詞を使って「節」を「句」にしたほうが語数が少なく簡潔になりすっきりします。

英作文の添削をしていると、連続して、主語がIで始まっていたり、主語+動詞、主語+動詞、主語+動詞・・・と単調な構文を連続して書いたりする方が多くいます。前置詞を使って「節」を「句」にするというテクニックはそれほど難しくないので、英作文の練習をするときにぜひ意識してみてください。

また、文の後半ではトピックで与えられたlegalizeという動詞を名詞legalizationにして少しパラフレーズしています。physician-assisted suicideも後ほどパラフレーズします。

英語では同じ単語や表現の繰り返しを嫌うため、できるだけパラフレーズすることが重要です。また、パラフレーズをすることで、語彙や表現の豊富な点を英検の英作文の採点者に対してアピールすることになり得点につながりやすくなります。

② Japan should legalize physician aid in dying for three reasons: greater reliability, a patient’s right to die, and an eased burden on the family.

Introductionの2文目では、これから書く論点3つを短くまとめておきました。また、physician-assisted suicideのパラフレーズとしてphysician aid in dyingを使っています。

Body

③ Firstlyl, doctor-assisted death is sufficiently reliable.

最初の論点の1文目。論点を語るパラグラフの最初の文は「トピックセンテンス」と呼ばれ、そのパラグラフ全体の要点を簡潔に書きます。つまり、そのパラグラフの「結論」を書くということです。

2文目以降で、「トピックセンテンス」をかみ砕いて読者へ訴えかける内容にするので、1文目は「今からこれについて説明しますね」という宣言と捉えて、ある程度抽象度が高くても問題ありません。

また、トピックにあるphysician-assisted suicideのパラフレーズとして、doctor-assisted deathを使いました。文の補語は、reliableだけでもよかったのですが、副詞を付けて少し修飾したかったので、「SKELL」という英作文にとても便利なサイトを利用し、reliableに合う副詞sufficientlyを使うことにしました。「SKELL」は、いくつか機能がありますが、特に「Word Sketch」とい単語の組み合わせ(コロケーション)を調べる機能が英作文を書くときに活用でき便利です

④ Trying to commit suicide without such aid can fail, resulting in a tragedy. ⑤  Patients might sustain the aftereffects for the rest of their lives. ⑥ In contrast, the aid-in-dying medication administered by a doctor ensures death while inflicting as little pain and suffering as possible.

この④〜⑥の3文では、さきほどの「トピックセンテンス」の主張をサポートする内容を書き、ほかの方法と比較して、physician-assisted suicideの安全性を説明しています。

④では、 resultingの部分で現在分詞を使い「分詞構文」にして得点アップを狙っています。文の冗長さを避け、豊富な文構造を使えることを示すことができれば、「分詞構文」も採点者へのアピールとなります。

⑤で使われている動詞sustainは「維持する」という意味のほかに「(損害などを)受ける、被る」という意味があります。このように、少し難易度の高い意味で単語を使うことで得点しやすくなります

⑥の文では、while inflictingのように、主節と従属説の主語が同じ場合に主語とbe動詞が略せることを利用し、少し文をコンパクトにすることに成功しています。

また、as little pain and suffering as possibleの部分では、「as 形容詞+名詞 as possible」という、少しハイレベルな文法表現を使って得点アップを狙っています。「ほとんどない」の意味でlittleを使えていないという方は意識をして使ってみてください。

⑦ Moreover, everyone should have the right to make their own health care decisions and decide when to die.

2つ目の論点を説明するパラグラフの始まりです。ここは、Secondlyなどで始めてもいいのですが、Moreover, Furthermore などで始めることも可能です。また、「決める」という表現については、make decisions, decideと言い方を変えています。

⑧ Knowing when that will be, they will have enough time to say farewell to their intimate friends and relatives and distribute their property to their heirs. ⑨ Legalized assisted suicide enables patients to spend the time until the last moment of their lives in peace.

⑧⑨で、2つ目の「トピックセンテンス」の説明と具体例を書きました。

⑧Knowing when that will beの部分は、主節の主語と同じ動作主なので分詞構文で書いています。If people know when they will dieのような意味ですが、このように分詞構文を使って書くと「主語+動詞, 主語+動詞」の繰り返しを避けることができ、すっきりまとまります。

⑧⑨でこのパラグラフの論点について、具体例を挙げ(お別れが言える。遺産相続をする時間が取れる。最後の瞬間まで安心して過ごせる)、主張をより説得力のあるものにしています。

また、「主語Legalized assisted suicideが、patientsをto spendすることをenablesにする」という無生物主語の構文も使いました。無生物主語も採点者への上手なアピール方法です。

⑩ Additionally, bereaved family members can be freed from economic and mental burdens.

3つ目の論点です。Finally, Lastly, Last but not least, などで始めるのもありです。ここでは、少し追加の意味も加えたかったので、Additionallyを使いました。

Generally, taking care of an elderly relative requires a tremendous amount of money and time, which gradually wears them down. ⑫ Some have no choice but to quit their jobs, dedicating themselves to the person. ⑬ In the worst-case scenario, stress and depression force the caregiver to resort to killing the patient.

⑪〜⑬で、3つ目の「トピックセンテンス」の説明と具体例を書きました。

⑪の文では、”, which” で始まる「非制限用法のwhich」を使って得点アップを狙っています。非制限用法のwhichを使うと文の流れが読みやすくなるのに加え、前述の部分の補足説明することできます。この場合、先行詞は直前の文全体を指しています。

⑫の文では、”, dedicating themselves”で始まる部分を付け足し、「分詞構文」で高得点を狙っています。

Conclusion

⑮ From these perspectives, there is no doubt that the Japanese government should legalize physician-assisted suicide.

最後は、再度自分の主張を述べて締めくくっています。

文法ミスを極力避けることは当然ですが、その上で、パラフレーズをすること、バラエティに富んだ構文を使うこと、「節」を「句」にすることでコンパクトにすることなどで、高得点を狙っていきましょう。

そのほかよくあるミス

ほかに、よくあるミスとしては、下記のようなケースがあります。

  • 自動詞のoccuerをcauseと同じように使ってしまったり、受動態にしたりするケース。
  • 「〜のために」という目的を表す副詞句を表現するときに、to不定詞ではなく、for+〜ing を使ってしまうケース。
  • everyの後の名詞を複数形にしたり、everyoneを主語にするときに、動詞に三単現のsをつけ忘れたりするケース。
  • あるセンテンスまでは現在形で書いてきたのに、途中から過去形になってしまうケース。
  • do not, does not, is not, are not, have notなどを don’t, doesn’t, isn’t, aren’t, haven’tと 短縮形で書いてしまうケース。
    →アカデミックライティングでは短縮形を使わない方がよいとされています。
  • Becauseが導く従属節だけで文が終わってしまい、主節がないケース。
    →Because S+V. ではなく、Because S+V, S+V. という、「従属節, 主節」という形で文を書きましょう。
  • 文法的なミスではないが、自分または日本人しか知らないであろう事実や具体例を出して、その説明がないケース。
    →「これは外国人が読んでも理解できる内容だろうか」ということを常に確認しながら書いてください。

今回は以上です!次回のテーマは「英検1級二次試験(スピーキング)の基礎知識」です。2021年7月14日(水)公開予定ですのでお楽しみに!

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今回は、この記事をお読みいただいた皆さまから、下記のトピックについての英作文を募集いたします!ご応募いただいた英作文からいくつかを選定し、2021年8月18日(水)公開予定の第6回記事でJunさんが公開添削いたします。

【課題トピック】

Should more be done to increase awareness of cybercrime?

【応募方法】

課題トピックで英語の文章を作成し、以下のGoogleフォームからご応募ください。

【応募締切】

2021年7月14日(水)

※2021年8月18日(水)公開予定の記事で、英作文の一部をJunさんが添削し、講評します。

※ご応募いただいた英作文が必ず添削されるわけではございませんので、ご了承ください。

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Jun

Jun英語ジム らいおんとひよこ® 代表。 SEとして10年以上IT業界で勤務後、オンライン英語スクール「英語ジム らいおんとひよこ®」を立ち上げる。英検1級に18回合格、TOEICでは990点満点を21回取得し、英語発音指導士®︎の資格も保持。運営するYouTubeチャンネル「ヴィダロカTV」では、英語学習者に役立つ情報を発信している。 言語学習好きで英語以外にスペイン語・中国語・韓国語も勉強中。Twitter:@Jun_suerte