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人生の応援歌、英文法が印象的に覚えられる曲・・・50~90年代の忘れられない名曲

人生の応援歌、英文法が印象的に覚えられる曲・・・50~90年代の忘れられない名曲

皆さんの思い出の1曲はなんですか?そんなテーマで、前・中・後編に分けて10名の方に「この1曲」を語っていただきます。後編にご登場いただくのは、通訳者の川合亮平さん、The Japan Times Alpha 編集長の高橋敏之さん、「1000時間ヒアリングマラソン」主任コーチの松岡 昇さん、そして通訳者のパンサー戸川さんです。

If It Makes You Happy (1996) by Sheryl Crow

選者:川合亮平(通訳者)

19歳のときです。日本の工場でバイトをして貯めたお金の分だけ、オーストラリアに10 週間語学留学をしました。そのときに現地で親しくなった韓国人の仲間たちと、洋楽スタディーグループを作ったんです。休みの日や放課後に誰かの部屋に集まって、一つの楽曲の歌詞を勉強する、という至極軽いタッチのものです。僕がそのグループに参加した動機はほかでもなく、気になっていたある女の子に少しでも接近するため、だったんですが。

その最初の課題曲が確かこの曲でした。アメリカのフォークロックシンガー、シェリル・クロウが1996年に発表した2枚目のアルバム『Shery l Crow』から最初にシングルカットされた「If It Makes You Happy」。当時、歌詞を辞書で引きながら解読していったことは覚えていますが、それが頭に残っているか、英語力アップに役立ったか、というと正直よくわかりません。僕の気持ちはほかの部分に注がれていましたので・・・。

とはいえ、この曲のタイトルでサビの部分の歌詞でもある「make+人+形容詞」という日常の頻出構文を僕が今、普通に使えるのは(学校や文法書で頭に入れた覚えはないので)、シェリル・クロウさんのおかげかもしれません。

Profile かわい・りょうへい:俳優やミュージシャンの通訳、インタビューを多数手掛ける。累計1万部を突破した『「なんでやねん」を英語で言えますか?(KADOKAWA)』をはじめ、著書、翻訳書、監修書多数。

We Can (2003)  by LeAnn Rimes

選者:高橋敏之(The Japan Times Alpha 編集長)

誰しも「人生の応援歌」と呼べるような曲がいくつかあるはずだ。僕自身も、悪いことが続いたときはシャナイア・トゥエインの「Up!」、自信を失いそうなときはマライア・キャリーの「Hero」など、さまざまな歌に元気をもらってきた。中でも特に励まされた一曲を挙げるとしたら、リアン・ライムスの「We Can」を選ぶだろう。「どんなに困難があっても、できるんだ」という力強いメッセージが込められた歌だ。

この曲に出合ったのは2003年。オーストラリアでの約1年間の生活を終えて日本に帰国した頃だった。「自分を変えたい」という思いで渡豪したものの、その後のことを一切考えていなかった僕は帰国後、仕事を探す際に悩んだ。「結局自分には何ができるのだろうか?」と。そんなとき、この曲の

With one voice

One heart

Two hands

We can

一つの声、一つの心、二つの手があれば私たちは変えられる

という一節に勇気をもらい、以前から興味のあった英語教材の編集に挑戦することを決意。そして今に至る。

以来、何度聞いてもこの歌は元気をくれるし、僕のように管理職に就いている者は、

So let them say we can’t do it

無理だと言わせておけばいい

Put up a road block

道がふさがれたっていい

We’ll just run right through it

私たちは切り抜けて進んでいくだけ

という歌詞を引用して、部下を鼓舞することもできる。曲のメッセージに負けないくらい、彼女の歌声もパワフルだ。ぜひ聞いてみてほしい。

Profile たかはし・としゆき:英語学習用の英字新聞「The Japan Times Alpha」編集長。英語講師、英語教材編集者を経て2012 年より現職。本職の傍ら、英語学習法や英字新聞に関するセミナーも多数実施。著書に『英語最後の学習法』(ジャパンタイムズ出版)。

Can’t Take My Eyes Off You (1967) by Frankie Valli

選者:松岡 昇(「1000時間ヒアリングマラソン」主任コーチ)

私が大学に入学し、ジャズオーケストラに入部し、初めて演奏したのがこの曲でした。3年生の女性ボーカルがまぶしかったものの、私はCouldn’t take my eyes off the score(譜面から目が離せなかった)。繰り返し練習するうちに、彼女の歌う歌詞が耳に入ってきました。まずはサビの部分で、I love you, baby / And if it’s quite all right / I need な求愛メッセージ。次に耳が覚えたのは、曲の最初、

You’re just too good to be true

君は信じられないほどすてきだ

Can’t take my eyes off of you

君から目が離せない

辞書を引き、「なるほど、こんなセリフを覚えておけば、いざというときに・・・」などと思いつつ。

後に、教員になってから歌詞を振り返ると、「使える表現」がいくつもあることに気付きます。

take one’s eyes off ~

~から目をそらす

too ~ to be true

信じられないほど~

And if it’s all right

そしてもしよかったら

と前置きのフレーズ。また、曲のタイトルは ~ off you となっているが、歌詞では ~ off of you とof が入っている。前置詞of は「分離(~から)」を表すので、off of とダブルで言っても問題はない、などなど。皆さんも青春の洋楽を振り返ってみてください。今だからできる発見がたくさんありますよ。

Profile まつおか・のぼる:獨協大学、東洋大学講師。アルク 「1000 時間ヒアリングマラソン」主任コーチ、グローバル人材育成コンサルタント。専門は国際コミュニケーション、社会言語学。

Danger Zone (1986) by Kenny Loggins

選者:パンサー戸川(通訳者)

僕の青春を代表する洋楽はこの曲です。トム・クルーズ主演の映画『トップガン』に使われていた曲で、もう何百回と聞いています。20代前半、オーストラリア留学中に何度も聞き、日々の英語学習の心の支えになっていました。この曲で好きな歌詞パートは、Highway to the danger zone / Ride into the danger zone というところです。

歌詞を訳すと(意訳が入りますが)、「スリル満点の舞台へのハイウェイ/スリル満点の舞台へ乗り込むんだ」という意味になります。直訳では「危険地帯」となり、もちろん危険は危険なのですが、それと同時にスリルもありますよね。気持ちもわくわくする。そう考えると、当時オーストラリアという場所はDanger Zoneだったのかもしれません。オーストラリアは私にとって「わくわくする場所」でもあり、その環境に身を置くことで大きく成長できました。

Danger Zoneを単なる「危険地帯」ではなく、「スリル満点の場所、わくわくする場所」として捉え、自分はそういう場所に身を置くことができているだろうか、わくわくしているだろうか?と、ぜひ問い掛けてみてください。自分が成長できる場所、環境が見つかるきっかけとなるかもしれません。

Profile ぱんさー・とがわ:2005~08年の約3年半、オーストラリア留学後、日本に帰国。2012年にインターネットを活用した英会話講師として独立。ツイッターフォロワー数約16万人、アメブロランキング1位獲得(英語・英会話部門、アラサー男性部門)。

5月号特集で紹介している名曲をすべて紹介!

ENGLISH JOURNAL 2021年5月号の特集は「名曲で学ぶ洋楽英語」。特集内で紹介されている洋楽曲をSpotifyのプレイリストにまとめています。ぜひお楽しみください。

特集「わが青春の洋楽英語」をEJ5月号でチェック!

※本記事は『ENGLISH JOURNAL』2021年5月号特集の内容を再構成したものです。

ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部

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