「今聴いてほしいアーティスト」と関連する楽曲を音楽が伝えるメッセージや社会的・音楽的文脈などと合わせて高橋芳朗さんが解説します。
今月の一曲
Olivia Rodrigoの「drivers license」を紹介します。
爆発的ヒット中の女子高生シンガー・ソングライターが紡ぐ失恋ソング
写真:WENN
2013年のロード「Royals」、2019年のビリー・アイリッシュ「bad guy」に続き、またしてもティーンの女性シンガー・ソングライターから記録的なヒット曲が誕生した。1月8日にリリースされたオリヴィア・ロドリゴのデビューシングル「drivers license」が初週から5週連続でアメリカ・イギリスの両チャートを制する快挙を成し遂げたのだ。
ポップミュージックの新ヒロイン、オリヴィア・ロドリゴはカリフォルニア州テメキュラ出身の18歳。Disney+のドラマ「ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル」(2019- )で主役のニニを演じ一躍ブレークを果たした。同作の劇中歌「All I Want」を書き下ろしてソングライターとしても非凡なところを見せつけた彼女は、昨年に音楽レーベルのインタースコープ、ゲフィンと 契約 。コナン・グレイを手掛けたダン・ニグロの指揮のもと「drivers license」を完成させた。
I got my drivers license last week / Just like we always talked about / ’ Cause you were so excited for me / To finally drive up to your house / But today I drove through the suburbs / Crying ’ cause you weren’t around自身の実際の失恋体験を見事に曲に落とし込み、ハートをえぐるような悲痛なラブソングを書き上げたオリヴィア。テイラー・スウィフト、ロード、ホールジー、フィービー・ブリジャーズといった女性シンガー・ソングライターからの 影響 を公言する彼女のポテンシャルは、間違いなく2021年のポップミュージック界最大の焦点になるだろう。まずは「drivers license」がどれだけの記録を塗り替えていくのか、「歴史」が生まれる瞬間をしっかりと見届けていきたい。先週運転免許を取った/いつも2人で話していたように/あなたはとても楽しみにしていた/やっとあなたの家まで車で行けるようになるって/でも今日私は郊外を運転した/泣きながら、隣にあなたがいなかったから
ポップミュージック史を彩ったティーンスターの曲4選
今回の記事で紹介している音楽のプレイリストをご紹介します。ティーンの圧倒的支持を集めるスターの曲は、世界の音楽シーンを変えた名曲ぞろい!
- Tim McGraw by Taylor Swift
- Baby by Justin Bieber
- bad guy by Billie Eilish
- . . . Baby One More Time by Britney Spears
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「EJ’s Playlist」では、これまで『ENGLISH JOURNAL』の連載「EJ Culture Music」で取り上げてきた楽曲を音楽配信サービスで公開中です。こちらのプレイリストは、Apple Musicでもお楽しみいただけます。次のURLからご利用ください。 https://umj.lnk.to/EJplaylist
※本記事は『ENGLISH JOURNAL』2021年5月号に掲載した記事を再編集したものです。