10歳までの英語学習がもたらす効果とは?オンライン英会話の驚きの可能性

世界のオンライン言語学習の市場規模は、2025年には124億5263万ドルへと成長すると見込まれており、日本でも利用者はこれから大きく増加すると 予想 されています。2017年に米国で創業し、2020年12月からは日本でのサービスも本格的に開始した子ども向けオンライン学習企業のNovakidに取材した内容を、前編・後編に分けてご紹介します。

4歳から12歳までの第二言語としての英語学習を目的としたオンライン学習プラットフォームで、世界30カ国4万人以上の個人レッスンを提供しているNovakidは、今注目されているEdTech企業の一つです。幼少期から英語教育に力を入れることは、子どもにどのような 影響 を与えるのでしょうか? 前編 に続いて、NovakidのCEOマックス・アザロウ氏らに話を聞きました。

新たな言語を習得することは、子どもよりも大人の方のほうがより困難であると言われています。マサチューセッツ工科大学で行われた新しい研究によると *1 、新たに文法を習得する能力は、大抵の場合17?18歳までは高く保たれるものの、もし10歳までに学習を始めていなければ、ネイティブスピーカーと同等の能力を得ることは、ほぼ不可能だといわれています。研究に参加したボストンカレッジの心理学助教授、Joshua Hartshorne氏は次のように述べています。

「英語の文法をネイティブ並みに習得したいなら、10歳くらいまでに学習を始めるべきです。生まれて すぐに 英語の学習を始めた人と10歳で始めた人の間にはあまり能力の差がありませんが、それ以降は低下していくことがわかっています」

社会のグローバル化が進み、英語を使うことがさまざまな場面で増えつつある今、「自分は英語が苦手で苦労したので、子どもには英語をなるべく身に付けさせたい」という要望を持つ保護者も少なくありません。また文部科学省の報告によれば *2 、児童の76%が「英語の学習が好き」、また91.5%が「英語が使えるようになりたい」と回答しており、児童の英語に対する意識も高いことがわかります。

幼少期の英語学習こそ子どもの未来を開く

アザロウ氏は、Novakidを支えているヴィジョンは「子どもたちに世界に羽ばたく 可能性 に気が付いてほしい」という気持ちだと述べます。

子どもの頃からネイティブの英語に触れて、英語に対するコンプレックスを持たない環境に育っていれば、将来の選択肢も自ずと広がってきます。逆に言えば、子どものうちに「英語が難しい」と感じてしまうことによって、「NASAで宇宙飛行士になりたい」「Googleでエンジニアとして働きたい」などの夢があっても、諦めたり、自分の 可能性 を狭めたりしてしまっている部分があるのかもしれません。。マックス氏は次のように 指摘 しています。

「シリコンバレーの先端的なIT企業のエンジニアが年収1000万円以上の高給を貰っていることを、すごいと感じる日本人は少なくないかもしれませんが、日本のような技術力の高い国のエンジニアであれば、その差は単に英語力の問題なのです。今では、テレワークが進みどこに住んでいても仕事ができる状況にあるのに、英語力のせいで、そのようなチャンスに恵まれないという例は、実はたくさんあると思います。英語に対するコンプレックスを子どものうちに解消しておくことは、将来の 可能性 を大きく広げると思います」

「間違えてはいけない」という意識がネックに?

「多くの日本人の場合、最初に英語に出合うのは学校の授業であることが多いと思います。なので自ずと、子どもは『間違えてはいけない』と感じて、英語を使うことに臆病になったりシャイになったりしてしまう部分があるのではないでしょうか?しかし実際は、英語は間違っていてもなんでも、とにかくたくさん使ってみることが上達への近道です。積極的になるには、英語学習の初期段階で、『間違えても伝わらなくても当たり前』だと感じておくことが、実は大切なのです」

Novakidの授業では、教科書を使用したドリル式の授業ではなく、ジェスチャーや表情、動きを大きく使って楽しみながら学ぶ「TPR法(Total physical   Response )」という教授法が実践されているので、生徒たちは「正解」という概念に捕らわれずに、単語やフレーズを動きや歌、踊りを通じて覚えていきます。

この方法は「新しい単語やフレーズは、行動に裏付けられたものが最もよく記憶される」という知見に基づいており、知識の詰め込みをすることなく、新しい単語や概念を大量に学ぶことができます。「TPR法」の動きのある遊びの中では、学習能力が200%増加すると言われているのです。

従来は「TPR法」はオフラインの教室でしか使えないと考えられてきましたが、アザロウ氏は「それはまったくの誤りだ」と述べています。テクノロジーの進歩によって、オンライン教室は今や、ゲームをしたり、歌ったり、ダンスをしたりして学ぶのに最適な場所になっています。

「Novakidはこれまで30カ国以上でサービスを提供してきましたが、2021年からは本格的に日本をそのリストに加えることができてうれしく思っています。子どもの英語を獲得する力は、実は8歳までであれば母語がなんであるかに関わらず、等しく成長することがわかっています。これから21世紀に向けて、世界中の子どもたちが国境を越えて意見交換ができる世界は、多くの人にとってより豊かなものになると信じています」

パソコンさえあれば、幼少期からネイティブによる英会話授業を受けられるようになり、子どもたちの英語学習環境もこれから大きく変わっていきそうです。Novakidのようなサービスがより広まっていけば、そう遠くない未来に、英語にコンプレックスをあまり感じない世代が、日本からも出てくるかもしれませんね。

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