英語でハンバーガーの注文もできなかった会社員が、独学でTOEIC 900点超を取得!

さまざまな企業の英語教育や、英語への取り組みを紹介するインタビュー「あの会社の英語人」。 第3回では、国際業務に従事する会社員として働きながら、さまざまな英語学習法を発信するブログ「えいさら」を運営するえいさらさんにお話を聞きました。英語とは無縁の社会人生活を送っていた中、突然の人事異動で英語が必要になったというえいさらさん。そこから独学でTOEIC 930点を取得されるまでの英語力を身に付けるまで、どのように英語学習と向き合ってきたのでしょうか。

社会人になってから英語を使う機会はほぼなかった

まず最初に、えいさらさんの英語学習遍歴について教えてください。学生時代から英語は得意だったのですか?
学生時代、科目としての英語はまあ得意なほうではありましたので、授業や試験で苦労したなって記憶はほとんどないですかね・・・。中学の頃から洋楽が好きでよく聴いていたんですが、そのせいであまり苦手意識のようなものがなかったのかもしれません。歌詞の意味は全然わかりませんでしたが(笑)。

とにかく留学や海外に住んだ経験どころか英語の資格試験を受けたことすらなく、特に 社会人になってから英語を使う機会はまったくと言っていいほどありませんでした ので、洋楽を聴く以外では 英語と縁がない人生だった と思います。若い頃アメリカに視察出張する機会があったんですが、バーガーキングでハンバーガーを注文することもままなりませんでした(笑)。

突然の人事異動で英語が必要な部署へ異動されたそうですが、当時はどのような心境でしたか?
英語ができない私は、当時は驚きのあまり、異動の辞令書を2度、いや少なくとも3度は見直しました(笑)。実際のところその部署は、英語が得意なアシスタントさんに英語の部分を任せれば業務が回る 体制 ではあったんですが、日常的に英語が飛び交う環境だったので肩身は狭かったですね。何となく「英語ができないヤツはモノを言えぬ」といった雰囲気もありましたし。多少の被害妄想が入っていますが(笑)。

で、 みんなと対等に仕事をするには英語ができなくてはダメだな と感じ、「英語を勉強して、モノを言える立場になってやろう!」とひとり勝手に奮起しました。当時は社内公用語の英語化といったグローバル化がある意味はやりでしたので、英語の勉強を始めるいい機会だと思ったのもありますが、私はたぶん負けず嫌いなんでしょうね(笑)。

モチベーションを維持するには、モチベーションどうこうと言えない状況を作ること!?

社会人生活と並行して、どのように勉強を進めていったのですか?
英語学習を始めた頃の話をしますと、会社だと社員それぞれに今期の目標を設定させるところが多いと思うんですが、私はその際に 自己研鑽(けんさん)の目標としてTOEICで600点以上を取ると宣言しました。 600点というスコアに特に大きな意味はなかったんですが、確か当時の京都大学の学生の平均スコアが600点ぐらいだったかな・・・。上司との面談の際に「じゃ、600点で」みたいなノリで決まりました(笑)。

そこから英語の勉強を始めたわけなんですが、当時はまだ子供が小さく、さらに夜は寝かしつけの際に子供と一緒に寝落ちしてしまうことが多かったので、「夜は子供と一緒に寝て早起きして勉強する」という生活スタイルにしました。毎朝2時間ぐらい勉強してましたね。あとは昼休みに30分程度、スマホにリスニング素材を入れておいてそれを聞きながら家事をするとか、 できるだけ英語に触れる時間を増やすようにしました。 休日は、子供がいたこともあって、朝以外にはまとまった勉強時間が取れなかったと記憶しています。

そんな生活を5カ月くらい続けて、人生初のTOEICで745点を 取得 、無事に目標を達成することができました。これが最も集中して英語を勉強した期間ですね。その後は気分次第でダラダラとやっています(笑)。

具体的な 勉強法についても教えてください。
詳しい勉強方法は私のブログで紹介していますが、初TOEIC受験まで行った勉強は
  • 中学~高校レベルの文法をさらっと復習
  • 例文で覚えるタイプの単語帳(『DUO3.0』)を何度も繰り返し読む&聞く
  • TOEIC公式問題集を1冊
こんな感じです。特に『DUO3.0』は本当に何度も繰り返しましたし、それが力になったと思っています。アルクさんの教材じゃなくてすいません(笑)。
英語学習へのモチベーションを保つのが難しいとき、どんな工夫をされましたか?
英語学習を始めた頃について言えば、先ほどお話したように、私は会社の目標設定でTOEIC600点以上 取得 を宣言してしまったため、モチベーションがどうこう言っていられる状況ではなかったですかね。目標を達成しないと評価を下げられるので(笑)。ですので勉強を続けられる自信がない人は、このように 誰かに目標を宣言して自分を追い込んでしまうのもアリ かと思います。

また、「なんで英語の勉強を始めたんだっけ?」と動機を思い出してみることでしょうか。あとは、勉強したくない時は無理にやらないこと(笑)。

さまざまな国の人と接する中で感じた「英語はひとつじゃない」

ブログ「えいさら」を開設された きっかけ はなんですか?
特に崇高な志があって始めたわけではないんですが、世の中には英語勉強法や教材がたくさんあって、自分に合ったものを見つけるのってすごく難しいですよね。 英語力や勉強目的は人それぞれなので、誰かが「最強!」と言っている勉強法がほかの人にとっても最強とは限らない と思うんです。私も色々な教材に手を出しては挫折の繰り返しでした。

また、みんな間違った選択をしたくないので、気になる教材などがあれば、それを実践した人の話を聞きたいと思うんです。それが自分の属性に近い人のものなら、自分にとって一層確度の高い情報になる。なので、 私のちょっとした経験が、似たようなほかの誰かの役に立つ かもしれない と思いコツコツとブログを書いてきました。

気付けば月に数万人が訪れるブログになりまして、記事が役に立ったといった反応をいただいています。ただ、多くの方が読んでくださっていると思うと、私も発信者としての責任感を勝手に強めておりまして(笑)、アルクさんの英語学習アドバイザー資格を取ったりTESOLコースを受けたりして、できるだけ信頼性の高い情報を発信できるよう努めています。

仕事で英語を使う中で、ご自身のマインドや英語に対する意識が変化した部分はありますか?
色々とマインドや意識の変化はあったと思うんですけど、英語学習を始める前の自分のことを忘れてしまいまして(笑)。なんでしょうね・・・例えば、 TOEIC 900点レベルはネイティブ並みの英語力だと思っていたけど、自分がなってみたら全然だった とか。ご質問の趣旨と違いますかね(笑)。

そうですね、仕事を通じてさまざまな国の人と接する中で感じたのは、 「英語はひとつじゃない」 ということでしょうか。皆それぞれ母語の 影響 を受けた癖のあるアクセントで堂々と英語を話していますし。私たちは学校の英語のテストで、例えば三単現のsを忘れるとバツを付けられたりしましたけど、世界には三単現のsを使わない地域もあるようですし、「いったい正しい英語って何なんだ?」って感じですよね(笑)。

もちろんビジネスの場ではいわゆる標準的な英語を話すに越したことはないですが、 あまり間違いは気にせずどんどんアウトプットしていくことが大切かなと思います。

発音のブラッシュアップは気遣いや思いやりにつながる

現在の英語学習方法について、そして 今後の 展望について聞かせてください。
私は発音を後回しにしてきたタイプでして、これにはこれまで仕事で関わった海外の方々は日本人を含めたさまざまな英語アクセントに慣れていたのでカタカナ発音が強くてもなんとかなったという実情もあったんですが、ネイティブレベルは無理としても、 相手が聞き取りやすい発音を身に付けるのはある意味で相手への気遣いや思いやりではないか と感じ、発音の 改善 に取り組んでいます。会社では 今のところ 、私レベルの英語力でも数 少ない 上位層に入っていますので、会社での「英語がデキるキャラ」という立ち位置はしばらく安泰ですね(笑)。

定年退職したら英語を使って何か社会貢献できないかな・・・なんて漠然と考えることはありますが、そのためにはもっともっと英語力を上げなければならないので、 とりあえず 目先の課題に 取り組む といった感じでしょうか。

同じように仕事で英語を使う機会が増え、学習に励んでいる人にメッセージをお願いいたします。
いろいろと偉そうに話してきましたが、私自身、まだまだ自由に英語を操れるレベルではありませんので、一緒にがんばりましょう。

えいさら
国際部門で働く40代の中年サラリーマン。英語とは無縁の社会人生活から、突然の人事異動で英語が必要な部署へ。それから独学で英語を勉強しTOEIC930点を 取得
ESACR 認定ジュニア英語学習アドバイザー、TEFL/TESOL(英語教授法)コース修了。

えいさら | 独学でTOEIC900点を超えた中年サラリーマンの英語学習ブログ

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