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新型コロナワクチンの「開発競争」って英語でなんて言う?【ニュースな英語】

ニュースな英語

11月24日、アメリカのアザー厚生長官は、新型コロナウィルスのワクチンについて、早ければ12月10日以降に配布できるとの見通しを示しました。今回は、話題の新型コロナワクチンに関する英語フレーズをご紹介します。

今回のニュースな英語

vaccine race

日本は現在、新型コロナウイルス感染症の第3波に見舞われていると言われています。ヨーロッパも2度目のロックダウンを実施している地域が少なくありません。待たれるのはワクチンの開発ですが、そろそろ最終段階に差し掛かっているというニュースも聞こえてきます。

ということで、今回は「ワクチン開発競争」など、ワクチンに関するフレーズをご紹介します。

背景

ワクチンの開発には、通常はかなり長い年月を要すると言われています。しかし近年に類を見ない感染症の世界的な大流行を受けて、新型コロナウイルスに対するワクチン開発は急ピッチで進められています。

ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)によると、現在54の新型コロナウイルス・ワクチンが治験(人体に対する臨床試験、NYTはclinical trials on humansという言葉を使っています)の段階にあり、一方で前臨床段階の動物実験を行っているワクチンは87以上あるそうです。

www.nytimes.com

各社が一刻を争って開発していることから、こうした開発競争はvaccine raceと呼ばれています。

ロイター通信は、「Tracking the vaccine race」というページで、どのメーカー/研究機関がどの段階にあるのかが一目でわかる図を掲載しています。

graphics.reuters.com

中でも、アメリカの製薬大手ファイザーとドイツのビオンテックが共同開発しているワクチンと、アメリカの製薬企業モデルナが開発中のワクチンは、最終段階にあると報じられています。

ファイザー/ビオンテックは20日、アメリカの食品医薬品局(US Food and Drug Administration、略してFDA)に緊急使用許可(emergency use authorization)を提出しました。新型コロナのワクチン使用許可が米国で申請されたのはこれが初めてとなります。モデルナは今月内には申請する予定です。

ちなみに、世界で初めて行政から正式に承認された新型コロナのワクチンは、ロシア政府が8月に承認した「スプートニクV」でした。

ワクチン関連、ほかにどんな表現がある?

ニュースな英語

ワクチンの有効性はスプートニクで92%、ファイザー/ビオンテックで90%以上、モデルナで94.5%とされています。「有効性」は一般的に「efficacy」という名詞や、「どのくらい有効か」ということで「effective」という形容詞を使って表現されます。

イギリスの公共放送BBCでは、開発の最終段階にあるとされているファイザー/ビオンテックとモデルナの2種類についてこんなふうに有効性を報じています。

They showed it stops more than 90% of people developing Covid symptoms
ファイザー/ビオンテックは、90%以上の人に対して同社のワクチンが新型コロナウイルス感染症の症状を止めると説明した。

ここでいうtheyは、ファイザー/ビオンテックのことで、itはワクチンを指しています。

一方でモデルナのワクチンの有効性は下記のように伝えられています。

It protects 94.5% of people, the company says
モデルナは、同社のワクチンが94.5%の人を保護すると述べている。

www.bbc.com

どちらも期待が高まりますが、ファイザー/ビオンテックは、「超低温」(deep freezingやa deep freeze、untra-coldなどの表現が使われています)での管理が必要となるのが最大の難点と言われています。

ワクチン接種(vaccination)の開始時期については、CNNによると12月中旬以降には始まるとの見込みです。ただし誰もがすぐ受けられるわけではなく、優先順位の高い人からになるとして、CNNは次のように説明しています。

The highest priority groups, which include health care workers, the elderly, and people with underlying medical conditions, will get the vaccine first.
医療従事者、高齢者、基礎疾患のある人など、優先順位の最も高い人たちが最初にワクチン接種を受ける予定だ。

edition.cnn.com

日本語の報道において新型コロナの文脈でよく「基礎疾患」と表現されているものは、英語ではここで使われているunderlying medical conditionsのほか、underlying health problemsなどと表現されます。

ところで英語の記事では、同じ単語を何度も繰り返し使うのを避けるために、同じものをさまざまな言葉で表現します。例えばワクチンは、vaccine以外に、shot(注射)やjab(注射)などが使われます。

こちらのテレグラフの記事では、vaccine、shot、jab、すべての表現が使われていますので読んでみてくださいね!

www.telegraph.co.uk

まとめ

冬に入りこれからますます流行拡大の兆しが見えている新型コロナウイルス感染症。製薬会社が先を競ってワクチン開発に取り組んでいるため、ニュースではvaccine raceなどと表現されています。1日も早い完成が待たれますね。

ワクチン接種開始は12月中旬からと言われていますので、この時期はワクチンに関するニュースに注目しておきましょう。

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記事中画像:PhotoACからの画像

松丸さとみ

松丸さとみフリーランス翻訳者・ライター。学生や日系企業駐在員としてイギリスで計6年強を過ごす。現在は、フリーランスにて時事ネタを中心に翻訳・ライティング (・ときどき通訳)を行っている。
Blog:https://sat-mat.blogspot.jp/
Twitter: https://twitter.com/sugarbeat_jp